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2023.09.29

JAXA宇宙飛行士の金井宣茂さんにきく宇宙飛行士の世界。

JAXA宇宙飛行士の金井宣茂さんが登場。

海上自衛隊の医師から宇宙飛行士なった道のり、

実際に国際宇宙ステーションに滞在したときの話や

宇宙開発の今後など、宇宙の魅力を伺いました。

 

 

JAXA|宇宙航空研究開発機構 詳しくはコチラ

 

金井宇宙飛行士が滞在した宇宙

2017年12月から168日間、国際宇宙ステーションに長期滞在。

宇宙空間も人間が普通に生活する生活空間であるということが

一番の驚きだった。

宇宙にも普通の日常がある。

窓の外を見ると、青く大きな地球が眼下に広がっている

というのは素晴らしい光景だった。

国際宇宙ステーションは地上から400キロ上空に飛んでいるので

月は小さいが、空気の層がないので、

はっきりきれいに見える。

星も空気の層を通さないので瞬かないが、

非常にはっきりと星が光って見える。

地球の近くを飛んでいるので、星座は地上でみるのと変わらない。

しかし、北半球の上を飛んでいたり、

南半球の上を飛んでいたりするので、

一日の中で冬の星座が見えたり、夏の星座が見えたり

見える星座が変わっていくのはダイナミック。

宇宙人の存在についてよく聞かれるが、

どこかに地球以外に生命体がいてもおかしくないと思う。

宇宙探査をする目的のひとつは、

地球で生まれた以外の生き物がどこかにいるという痕跡を探しにいくこと。

 

 

宇宙飛行士を目指して

海上自衛隊の医師だった。ダイバーは水中で作業をするが、

人間の体は水圧がかかっているという環境の中でも活動できる。

空気も重力もない究極の極限環境の宇宙でも

宇宙船で気圧や温度などをコントロールすれば

人間は生活できる。これはとても面白いと思った。

そのような環境を体験してみたらどのように体が変化するのか、

順応するのか、それを自分自身で体験したくて宇宙飛行士を目指した。

自分の原点は人体の神秘を解き明かすこと。

そのために宇宙という場を活用するのが面白い。

自衛隊勤務時、勉強のためにアメリカの海軍の施設に行った。

この学校の先輩で、潜水医学を勉強して宇宙飛行士になった人がいると聞き、

アメリカ海軍の医者が宇宙飛行士になれるのなら、

自衛隊で医者をやっている自分も宇宙飛行士になれるのではないかと

勇気づけられ挑戦。

JAXA宇宙飛行士は不定期で募集だったが、

募集を待って2~3年後に、運よく募集が始まった。

自分たちの時は約1000人の応募者がいて、1年ぐらいかけて選抜される。

健康診断、筆記試験、そのほかでは閉鎖環境で1週間過ごし、

その中で課題をおこない、その間の行動や精神的安定性や

リーダーシップなどを評価されるというものあった、

自分を含め、3名が合格し、候補者となった。

ここから宇宙飛行士になるための訓練を始め、

国際宇宙ステーションのシステムの勉強や、宇宙船の操縦技能、

宇宙実験するための様々な分野の勉強をし、

宇宙飛行士になり、ミッションに向かう。

 

 

いざ、宇宙へ!

応募してから宇宙飛行士になるまでおよそ9年かかった。

飛行機の操縦訓練があり、これが非常に苦労した。

また、サバイバル訓練もあった。宇宙船が不時着したという想定で、

冬のロシアの寒い林の中、2晩3日間、宇宙船に乗っている

非常食と道具を使って生き延びるという訓練で非常に寒くてつらかった。

初めての宇宙に飛んだときは、

9年間待って、準備を続け、ようやく宇宙飛行だという高揚感と

宇宙船と同じシュミレーターを使い、同じ訓練を

毎日毎日繰り返していたので、初めてではないような気もした。

自分と同じように訓練を重ね、宇宙飛行をし、大きな業績を残している

先輩宇宙飛行士のあとに続け、先輩に負けないように

という気持ちで訓練を頑張ることができた。

宇宙は行ってみたらびっくりするほど普通の生活。

宇宙食もコンビニで売っているレトルト食品のように

美味しいご飯が食べられ、普通のポロシャツなどの洋服で生活をし、

むしろ地上より快適なのではというような生活を送っていた。

国際宇宙ステーションでの勤務時間は朝7時に始まり、夕方終わる。

宇宙飛行士が残業をして疲弊しているときに非常事態が起こると危険なので

残業は一切なく、夜の時間はプライベートな時間が持てる。

宇宙ではありとあらゆるジャンルの宇宙実験をしている。

外に望遠鏡のようなものを付けて天文学の観測をしたり、

宇宙農園といって、野菜を育てて食べるという実験もしていた。

 

 

金井さんにとっての宇宙とは

宇宙から地球に帰る時は、やっと地球に帰れるという気持ちと

宇宙を離れなくてはいけないという気持ちが半々だった。。

チャンスがあれば2回でも3回でもまた行きたい。

船外活動をする機会もあった。

身一つで国際宇宙ステーションの外に出てみると、

眼下には青くて大きい地球が見えるが、

反対側には、漆黒の宇宙空間が広がっている。

その対比が今でも記憶に残っている。

これから民間宇宙活動はどんどん広がっていく。

宇宙旅行は、手が届くような旅行価格になっていくと思っている。

宇宙飛行士は非常時のために訓練をするが、

ただ、旅行するだけなら、人間の体は無重力や宇宙空間にすぐに適応できる。

行った直後は宇宙酔いが出る人もいるが、2~3日でよくなる。

1週間くらい宇宙に滞在するのが、無重力も体験でき、地球もよく眺められ、

楽しく帰ってこられるので、一番おすすめの旅行プラン。

ただ、帰った時の重力が負担。

1重力から0にいくのは楽。それになれた体が1重力に戻ってくると、

体が非常に重く感じる

1週間くらいで問題なく活動できるようになるが、

本当の意味でミッションに行く前と同じように動けるようになるには

3か月くらい体感的にはかかった。

 

 

これからの宇宙開発

地球の上空約400キロを回っている国際宇宙ステーションでは

人類が恒常的に生活を続けている。

月は約38万キロという遠くにあるが、テクノロジーが発達し、

月への行き来が手軽にできるようになれば、

月面居住も一般的になってくるかもしれない。

現在、アルテミス計画という、より恒常的に月を探査して、

人類の拠点を作ろうという国際的な計画が進んでいる。

最初は数名の宇宙飛行士が一時的に滞在する拠点だが、

いずれ、各国の宇宙飛行士が交代に滞在したり、

さらに進むと月面都市に発達していくのではないかと期待している。

いずれは月面旅行もできるようになってくるかもしれない。

宇宙という地上とは違う環境でも人間の体が適応するのかを

細かく知っていくと、人間の体の不思議な機能や、

地上で起こっている病気の原因や治療法につながるような

新しい発見があると思う。

プロ宇宙飛行士になるには、健康第一。

また、宇宙飛行士として活躍するための武器となる

専門性をもった職業であることが必要。

女優やミュージシャンなど、もっといろいろな職業の人が

宇宙で活躍するようになる時代がそこまできていると思う。

 

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