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2024.04.12

パラカヌー選手の瀬立モニカさんが目指すパリ・パラリンピック!

パラカヌー選手の瀬立モニカさん。

リオデジャネイロパラリンピックと東京パラリンピックに

出場にされている瀬立さんに大会出場時の話、

さらにこの夏開催のパリ・パラリンピックへの思い

パラカヌーという競技についてや、その魅力についても伺います。

オフィシャルサイト コチラ

X(旧twitter) コチラ

Instagram コチラ

 

パラカヌーとは

パラカヌーは、パラリンピックに採用されたのが2016年で、

比較的新しい競技。

横に8艇が並び、直線200mの距離を

誰が一番早く漕ぎ切れるかを競う。

船の先端がゴールラインを通過するとゴールとみなされる。

パドルは1本で、パドルの両端に漕ぐブレードが付いている。

水中を1パドル漕ぐのに必要な力は約30kgと言われている。

200m漕ぎ切るのはだいたい100回パドリングが必要。

練習は水上練習がメイン。その他にウエイトトレーニング。

カヌーは水上スポーツなので、水面の不安定なバランスの中で

パワーを発揮しないといけない。

陸上でいくらベンチプレスで重さをあげられても

不安定な中で発揮しないといけないので、

フィジカルトレーニングやバランスのトレーニングに重きを置いている。

持久力も必要だが、パワー系のスポーツ。

パリ・パラリンピックの出場権は、5月上旬の世界選手権で

一定以上の成績を残すことで獲得することができる。

世界の競技レベルが上がっていて実力がみんなだんご状態。

誰が勝つかわからないので、面白くなってくるのではないかと思う。

 

 

パラカヌーとの出会い           

中学2年生の時にカヌーを始めた。

高校1年の時に怪我をし、腰回りの筋肉を動かせなくなった。

カヌーは手で漕ぐスポーツと思われるが、

実は、足の蹴りを使って、その反動で体幹をひねって腕にパワーを伝える。

自分はその部分が使えないので、

自分がカヌーの上で一番保っていたい姿勢を保持できるような

特注のシートを作ってもらい、それに乗って

腹筋などを装具で固めてパワーを出す。

東京オリンピック・パラリンピックの開催がきまり、

競技会場が江東区にできるかもしれないということで、

当時の区長が地元からパラリンピック選手を発掘しようという

プロジェクトを立ち上げた。

そこで、カヌー経験者で若くて、江東区在住ということで、

自分に白羽の矢がたち、誘ってもらい、パラカヌーに乗った。

ケガをしてから車いす生活になり、

息を切らすという時間が全くなかったが、

スポーツを通じ、息を切らしたことがたまらなく嬉しくて、

パラカヌーを始めてみよう、やるならパラリンピックを目指したいと

カヌー競技に戻った。

しかし、健常者の時には何も意識しなくてもできていた部分が

できなくなった。それを一から考える作業を本当に丁寧にやっていった。

コーチと試行錯誤しながら進めていった。

 

 

パラリンピックの舞台

パラリンピックの舞台は、一言でいうと「お祭り」だった。

パラリンピックは負傷した兵士のリハビリテーションとして始まった。

社会復帰を目指してということが起源にあるので、

競技力向上だけでなく、自国の障害を持った人に

何かインスピレーションを与えたいという思いを持った人が

集まり、キラキラしている舞台だった。

現在、日本のカヌー選手は少なく、

始めようと思うのにとてもハードルが高いスポーツ。

始めようと思った時に、船があって、パドルがあって、

乗れる環境があって、指導者がいるという、

入りやすい環境をつくっていくということがキーになると思う。

自分にとって、そのような環境を用意してくれたのが、

江東区のプロジェクトだった。

東京パラリンピックが終わってから競技に向き合う姿勢を変え

医療への道を志し、受験勉強を始めた。

トレーニングしながらの受験勉強は想像以上に大変。

障害を持ったスポーツドクターはいない。

新しい道を自分自身で切り開いていきたい。

 

 

気持ちの変化と日常生活

車いす生活になり、退院向けて外泊をテストした時、

母から「そんなにすいませんと謝らなくていいだよ」と言われた。

今まで自分一人でできたことが、人の手を借りないとできない時に

どうしても後ろめたさ、申し訳ないという気持ちが

先に出てしまい、辛かった。

しかし、その時に、「ありがとうでいいんだよ」と言われ、

「ありがとう」という言葉に変えていくと、自分自身もハッピーになった。

「すみません」と言われても助けた方も嬉しくないといわれたこともあり

みんながハッピーになるよう、もっと明るい言葉でいこうと理解した。

今では自分のことを手伝ってくれてハッピーになったよね

とも思えるようになった。

メンタル面は日々の習慣、考え方だと思うので、

一瞬で変えることはできない。

なので、日々自分が何を感じて怒りを持っているのか、

嬉しく思っているのか感じられるように、今はトレーニングしている。

趣味は書道。

カヌーやトレーニングなどパワー系のことをやっている時間が長いので

「静」の時間、力を抜く時間を大切にしている。

 

 

今後の目標

パリ・パラリンピックは自分自身が納得できるレースを見せられるよう、

100%の準備をして、100%の力を出せるようにしたい。

パリの会場は初めての場所。

5日前から1週間前くらいから会場に入れるのでそこで練習する。

日本はバリアフリーのハード面は、

パラリンピックの東京大会がきっかけにとてもよくなった。

多目的トイレはきれいで、機能的で皆が使いやすい。

しかし、それを使う人のモラルや

「助けてください」「いいですよ」ということが気軽に言える環境

というソフト面については、日本は文化や習慣が影響しているので、

簡単に変わるところではなく、まだまだ。

海外に比べてフランクではない。

ここで助けてケガをさせてしまったらどう責任をとるか

と考えてしまい、声をかけないという場面が

多いのではないか。障害を持った人がどんどん社会にでて、

気軽に助けてもらえる環境を

自分たちが訴えていくことも必要だと感じている。

目下の一番の目標はパリでメダルをとること。

パリで自分のいいレースをして、それにともなって結果がでたらいいと思う。

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