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2023.07.07

漫画家の渡辺航さんに聞く 漫画『弱虫ペダル』の魅力とロードバイクへの熱い想い

漫画『弱虫ペダル』の作者、漫画家の渡辺航さんが登場!

現在84巻まで発売され、累計発行部数は3000万部を超える大ヒット作

『弱虫ペダル』の誕生秘話、

漫画家を目指したきっかけや、ヒット作を生み出す漫画家の仕事風景など

たっぷりと伺いました。

 

↑ 弱虫ペダル85巻 (8月8日 発売)

弱虫ペダル 秋田書店 コチラ

 

『弱虫ペダル』

『弱虫ペダル』は舞台化、アニメ化、映画化、ドラマ化もされている

舞台『弱虫ペダル』はハンドルだけを手に持って、走っている格好をする。

舞台はお客さんのイメージも借りて表現するものなので、

これで坂道や風景、自転車もお客さんの脳の中で再生され、

本当に自転車に乗っているようにみられる。

キャラクターのセリフについては、

打ち合わせでは出なかった言葉を、

鉛筆書きで描く、漫画の大元となるネーム作業のとき

キャラクターがぼそっとしゃべる。

こんなことを言った!と自分でも思いながら描いている。

シナリオで書くとでてこないような言葉が漫画だとでてくる。

漫画は絵で魅せるメディア。

手前にいる奥にいるとか、

顔が大きい、小さいなどでもセリフが変わってくる。

初めに、その回で表現したいことを頭から最後まで決める。

クライマックスの場所、引きの部分はここなどきちんと決めた上で

キャラクターを実際に走らせてみると全く違う結末になることがある。

 

 

ヒット作品を生み出すまで

小学校4年生の時、友人の家に行った際、

鳥山明先生の『Dr.スランプ』のコミックスがあった。

雑誌は見ていたがコミックスをみたのはこの時が初めてで、

一人の漫画家の漫画がぎっしり詰まった本があるということが面白く、

このような自分の漫画ばかりが集まっている本を作ってみたい

と思ったのが漫画家になりたいと思ったきっかけ。

鳥山先生の作品は表紙も魅力的で中身も面白い、

このようなものを描きたいと思った。、

中学2年の時から「週刊少年ジャンプ」に作品を応募していたがだめだった。

やっと高校1年。15歳の時に受賞。

その後地元長崎の大学進学し、進路を決める際、

漫画家になるという浮ついた夢を言っている場合ではないと思い、

地元のテレビ局に入社。

しかし、人生1回しかないとすれば、自分が賞をとって、

過去憧れていた漫画家になれる可能性が今あるのであれば

試さないのは違うと考え、会社を辞め、漫画家を目指して東京へ。

『弱虫ペダル』は、「週刊少年チャンピオン」で

全く別の企画を進めてている時、

編集の方に今ロードバイクにはまっていると雑談で話したら

ロードレースの漫画をやろうと言われた。

しかし、自分は趣味を仕事にしてしまうと、

趣味が楽しくなってしまうのではないかと思い、

最初は断ったが、編集の方の熱意から、やろうということになった。

これが『弱虫ペダル』の誕生。

 

 

自分にとってのロードバイク

ロードレースはゴールラインを切る役割のエースと

その人を手伝うアシストがいる。

『弱虫ペダル』の主人公の小野田坂道はアシスト。

ロードレースという競技時間も長く、過酷なレースの中で

実は輝いているのはアシストの仕事だといつも思っていた。

ロードレースを題材にした漫画を描くことになったとき、

そこを描くことができたら、ロードレースのいいところを

描けるのではないかと思った。

そこで、主人公は積極的に勝とうとするタイプではなく、、

ロードレースの中で先輩たちを支えていくポジションにした。

自分は、自転車の練習は週5でおこなっている。

日曜日は5時間くらい行うが、平日は1時間以内で集中して練習する。

漫画を描く作業はアウトプット。

自分の中にある人生を削りながら描いていく感じ。

アウトプットのあとはネタがなくなってしまうのでインプットしないといけない。

そのため、ロードバイクの練習をしたり、レースにでることを

実際に自分の体で行い、現場にいる選手たちと話をし、

情報をインプットしていくということが重要。

楽しみながら情報をインプットできるので

自転車の練習は自分の中で大事にしている。

自分は目の前のことを100でやることを大切にしている。

100でやらないと次の扉は開いてくれない。

 

 

『弱虫ペダル』に登場するキャラクター

『弱虫ペダル』いろいろなキャラクターが登場する。

最初にこういうキャラクターでいこうと話をするが、

実際にネーム作業をしているときに

思いがけないキャラクターが登場してくる。

たとえばライバル校の京都伏見高校の御堂筋君は、

サイボーグ人間という話だったが、

描いてみたら、アクションも大きく、何を考えているかわからないという

キャラクターになった。

これは、主人公たちがライバルのキャラクターに

一番怖いと思う感情は何だろうと考えたとき、

何を考えているかわからない人が怖いと思ったので、

そのようなキャラクターになった。

この漫画を読んで自転車を始めました、とか、

お子さんが自転車乗りたいと言ったので自転車を買ってあげた、

という話を聞くと輪が広がっていて嬉しい。

日本で最高峰のレースに出ている選手の中でもこの漫画を読んで

ロードレースをやるようになったという人に会ったこともある。

こういう話を聞くと頑張ろうと思う。

 

 

渡辺さんの日常

朝起きて午前中に作業をして、昼食後1時間ロードバイクの練習。

スタッフは午後3時から夜11時までの8時間労働。

自分もそこから11時まで作業をする。

日曜日は5時間ロードバイクの練習し、

1時間ほど仮眠したあと、作業をする。

自転車のスピード感、

自転車に乗っていくときの風景が飛んでいく感じなど、

自分が書くしかないと思って、描いているので作業量が多い。

自分は漫画を描くのが好き。

好きなことがずっとできるのは幸せだと思って描いている。

新人の頃、自分の時間を自由に使えるのが漫画家だと思って

今日はここら辺で終わり・・・ということをしていたが、

そうしていては完成しないということを学んだ。

自己管理の世界。体調を壊して、きつい中描くのは自分。

あまり追い込んで作業すると、繰り返すことができない。

繰り返せる範囲で一番早い作業を追及している。

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