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2022.05.13

ウエカツ水産の上田勝彦さんに聞く!買ってきた魚をよりおいしく食べる方法 

株式会社ウエカツ水産、代表取締役の上田勝彦さん

元漁師、元水産庁職員という異色の経歴で、

現在“魚の伝道師”として様々な形で魚の食文化の普及に尽力している、

温暖化の影響による漁獲量の話から、今旬のおいしい魚や、

魚をおいしく食べる方法まで伺いました。

 

 

ウエカツ水産 facebook コチラ

Youtube 「ウエカツ流サカナ道一直線」 コチラ

 

 

魚の伝道師の仕事

ウエカツ水産は

「魚をおいしく食べる」「どのように加工するか」などが単品でなく、

芋づる式につながっている仕事。

漁業・魚食の事など、よろず相談を承っている。

たとえば「活き締め」の技術の指導。

自分はもともと学生時代から漁船に乗っていた漁師あがりなので、

最初は漁師サイドに軸足を置いていた。

魚が安い、扱いによっては魚の品質を落としてしましまう。

であれば、良い品質の魚をどうやってつくるか、というところから

「活き締め」技術を学んで、それを全国に伝え始めた。

締め方で魚の味が変わる。

魚の締め方には大きく分けると「活き締め」と「野締め」がある。

「野締め」は海水に氷をいれてその中に魚をいれる氷締め。

「活き締め」は一発でしめ、血を抜き、神経をこわし、体温を一定まで下げる。

技術は難しくないが、ひとつひとつの肯定がとても重要なので、

荒くやると効果がでない。

また、「活き締め」は死後硬直までの時間が長くなる。

長ければ長いほど、エネルギー物質がうま味に変わる量が増える。

最初のうま味が多いと熟成したときのうま味も多い。

技術を施すか、施さないかで差がでる。

 

 

漁師から水産庁職員へ 

魚は、獲れたてには獲れたての、

寝かしたものには寝かしたもののうまさがある。

どの時点がおいしいということは言えないと思う。

魚の味はグラデーション!!

味が変わっていく。それを味わうのが魚を味わうということ。

大学時代にシイラ漁にいったのがきっかけで漁師に。

このまま漁師になろうかと世話になっている漁師さんたちに話したところ

大学を出ているのだから、中央に行って、自分たちの声を伝えろ。

と言われた。

それで、水産庁に入庁。半分は使命感、半分は出稼ぎという気分だった。

普通に漁師をやっていてはできない、様々な経験をさせてもらった。

マグロ船、捕鯨船など、いろいろな漁船に乗った。

この時の経験が、今、とてもいきている。

漁船に乗るまでは魚の研究だけしたかった。

しかし、ひとたび漁船に乗ると、魚と関わる人に興味が向いた。

そこから水産業という世界に引きずり込まれ、今日にいたる。

 

 

買ってきた魚をよりおいしく食べる方法 

「買ってきた切り身や柵はまず洗う。」

スーパーなどで切り身や鱗やえら、はらなどをとった魚を購入した際はすべて同じ。

魚は外は雑菌がついているが、中は刃が入らない限り雑菌はない。

切り身や柵にするのに刃が入ると雑菌がつく。

また、切ったところから体液や血液がでる。

その切り身や柵を家に持ってかえり、そのまま切って食べると、

後味は確実に生臭いものになる。

「すばやく洗ってすばやくふく」

じゃぶじゃぶ洗うと、浸透圧の関係で水が切り身に入り、

水っぽくなってしまうので、流水で3秒洗う、すぐ抑え吹き。

水で臭みがとれなかった場合は塩をまぶし3秒、そして3秒洗う。

それでも臭みがとれなければ日本酒で3秒洗う。

臭みの度合いに応じて、水使い、塩使い、酒づかいを施す。

醤油も塩と同じ効果がある。

ボールに刺し身をいれ、醤油をかけ、すぐにザルにあげる。

これが醤油あらい。

この方法を思いついたのは、水で洗わないとだめだと最初に思い、

それでもだめであれば、引きづり出すしかないと塩を使うことを発想し、

そのほかに、塩分を含む調味料で液体ということで、

醤油でやってみたらすごくよかった。

 

 

魚食文化普及のための活動

5月の旬の魚のマダイは、産卵前で、

400グラム~500グラムの小さなもののほうがおいしい。

マダイは生・焼く・煮る・蒸す・揚げるという料理の五法

すべて用いることができる。

トビウオもおいしい時期。

トビウオは生きているものをかじってもおいしい。

それくらい味がガツンとある筋肉質の魚。脂はのっていない。

そのほか、サヨリ、コウイカ(スミイカ)、ヤリイカがおわれば剣先イカもでてくる。

日本人は8割の人が魚をスーパーで買っている。

しかし、スーパーの魚がおいしいという人はあまりいない。

魚の扱い、下処理の仕方、パックの仕方そして、伝え方が問題。

スーパーからの依頼で、下処理がちゃんとできて、料理提案もできて、

魚の魅力も伝えられる人の育成や、売り場作りの指導もしている。

水産業界は悩み事が多い。

自分の仕事は、悩みがあるところにいって、事情を聴いて、

教えられるものは教え、一緒に考えていく。

また、市町村単位で水産業を軸にして地域づくりをしたい

というところに行っている。

 

 

これからの日本の魚との向き合い方

温暖化といわれるが、海の中は温暖化だけでなく、逆に低くなるところもある。

海や魚が変わりつつあるという予兆がでたのがだいだい二十数年前。

最近になってその様々な変化が加速している。

たとえばブリは富山の氷見が有名だが、今は主産地は北海道。

自然相手の仕事はどのような状況であれ、その状況によりそうしかない。

変化していく自然界にどうアジャストできるのか、人間側の問題になってくる。

美味しい食べ方を広めることも、海や魚が今どういう状況か伝えるのも大切なこと。

消費者の方々には、そのようにがんばって売っている人がいる限り、

がんばって支えてもらいたい。

“安ければいい”ではなく、価値相応の値段で買って食べて支えてほしい。

生産者と消費者がお互い支え合う関係に持っていければよいと思う。

魚離れと言われるが、日本は水産資源に恵まれているのに、

海外から、人工的にいれた脂や色のサーモンなどの魚を輸入している。

そして、日本国内の魚は売れないからと魚を輸出しようという動きもある。

消費者の意識改革が必要、だが革命的には変わらない。

継続していかないと変わらない。

島国日本で魚を味わう喜びがどんどん廃れていってしまう。

そのカギを握るのは

「魚、米、野菜、時々肉、時々乳」という昭和30年代、40年代の

世界で一番バランスがとれているといわれている食の形。

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