• 2012年10月15日

    日本の強さ

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     海上自衛隊の観艦式に行ってきました。尖閣や竹島、北方領土と、離島の守りというものが注目される中、防人たちの日頃の鍛錬を目にするまたとない機会。いやぁ、立派でした。

     

     3年に一度行われる晴れ舞台。横浜、横須賀、木更津などから乗艦し、
    観閲場所の相模湾に集合して観艦式が始まります。私は横須賀からイージス艦「あたご」に乗艦したんですが、びっくりしました。航行中でありながら、艦橋や機関室まで入れてくれるんですねぇ~。艦橋というのは、船の中枢。飛行機でいうところのコックピットですね。

     

     で、横須賀から相模湾まで、東京湾を10隻以上が隊列を組んで航行していくわけです。前を走る船との間隔を一定に保ちながら、一直線に近く隊列を保ちながら航行していく...。緊張感を持ちながら、こともなげに艦を誘導していく艦橋で、その息遣いや言葉遣いを見聞きしていると、なんて訓練されているんだ。頼もしいんだと安心しました。

     

     そして始まった観艦式。降りしきる雨の中、観閲から訓練展示と予定通りに進んでいきます。訓練展示では、祝砲発射から対潜爆弾投下など、火器を使った展示もありました。3隻の護衛艦が一斉に方向を変える戦術運動など、一糸乱れぬ素晴らしい操艦技術に唸りました。そんなわけで、大満足で横須賀に帰ってきたわけですが、
    最後の最後に感嘆の出来事が待っていました。

     

     暮れなずむ夕暮れに港に入り、下船すると、ちょうど国旗を降ろす時間帯。10秒前にアナウンスが入り、ラッパの吹奏とともに国旗を降ろすんですが、ラッパが始まると、家路を急ぐ自衛官たちもみな立ち止まり、くるっと回れ右して直立不動で日章旗に最敬礼!誰一人、動いたり、無視する自衛官はいませんでした。まるで時が止まったように、黒い制服たちが直立不動していたのです。

     

     ここまで練度が、意識が高ければ大丈夫だ。防人たちのモラルの高さに、この日一番の感嘆を覚えました。

     

     さて、今日から「ザ・ボイス」では、

    『今こそ問う!日本の強さ』

    という特集をお送りしています。まさしくこのモラルの高さのような日本の強さを毎日紹介します。世界に誇るべき日本の強さを、一緒に考えましょう!

  • 2012年10月11日

    IMF世銀総会

     IMF世銀総会が行われています。
    実はここ10年、20年では最大規模の国際会議ですが、イマイチ盛り上がっていないような気もします。取材をしに東京国際フォーラムを歩いていたら、警察官に「ここ通れません」と言われた女性2人が、「何これ~、今日なんのイベントなの~?」ですって。ん~、ま、そうですよね。ただ、話し合われていること、発表されていることは、我々の生活に直に関わってくるものも多いのです。

     

     たとえば、消費税増税。もう法案は成立したので、このまま2014年に8%、そして15年に10%に上がるもんだと思われています。ため息がでますねぇ~。それに対して、IMFは非常に重要なことを発表しています。9日(月)に行われた「世界経済見通し」でブランシャール調査局長は、

    「財政再建はマラソンであってスプリント競技ではない。早すぎず、遅すぎず、辛抱強くやった方が最後に勝つ」

    という表現で、性急な財政再建は景気の腰を折ってしまって、結果として最悪になると言っています。

     

     あれ?そうなると、日本国債は破たんが近いから早く増税しなくちゃ!世界中がそう言っている!という主張は揺らいできますよね。

     

     ただ、2014年に景気が回復しているなら、増税は可能となります。しかしながら、それについては中央銀行自らが否定しています。5日の金融政策決定会合後の会見で、
    「物価(の見通し)も下方修正する」

    と述べ、デフレ脱却時期が想定よりも遅れるとの認識を明らかにしました。もともと白川総裁は、事実上のインフレ目標に掲げた消費者物価上昇率1%を

    「2014年度以降、遠からず達する」

    と明言していたんですが、その達成は困難との見方を示しました。

    要するに、2014年までに景気回復は難しいわ...。とあきらめたも同然なわけです。そうなると、IMFも言うように、性急に財政再建はしない方がいいですわな。無理に増税するのは風邪ひいてるのに、筋トレしようとしているようなもので、筋トレそのものの効果は認めるにしても、まずは体力を回復させて風邪を治してからでしょう。

     

     IMFはいいこと言ってるなぁ~と、会見に出ていて思ったんですが、「世界経済が減速」という見出しばかりだったので、今日はちょっと真面目に書いてしまいました。

  • 2012年10月03日

    鉄正月

     どうも、飯田です。
    前回はなんだか政治の硬い話だったんで、今回はシュミ全開、鉄道の話です。

     

     先日、10月1日に、復原なった東京駅丸の内駅舎のグランドオープンがありました。100年前と同じ丸いドームの優美な姿に、鉄道ファンのみならずとも魅せられた一日でありました。


     さて、10月1日といえば、かつて鉄道ファンには特別な日でした。サンロクトオ(S36.10)、ヨンサントオ(S43.10)など、国鉄の全国一斉白紙ダイヤ改正は、10月1日をもって行うことが通例だったんです。全国を背骨のごとく貫く国鉄の幹線がダイヤ改正すればそれに接続する私鉄各線も合わせてダイヤを改正するわけで、この日は鉄道ファンにとっては、いわば「鉄正月」というような特別な日だったわけなんですね。

     

     どうして10月1日だったのかといえば、これはかつて国鉄がお役所だったからに他なりません。今年も環境税導入など、年度の下半期が始まる10月1日には大きな変更事があります。日本の鉄道をひっくり返すようなダイヤ改正ですから、実施するのは4月1日(年度初め)か、10月1日しかありません。しかしながら、4月1日は年度初めの人事異動期。忙しい時期にさらに忙しくなるダイヤ改正をするバカはいません。必然的に10月1日が「鉄正月」となるわけです。

     

     しかしながら、国鉄がJRに変わってから、10月1日=鉄正月という不文律が変わりました。役所のカレンダーではキリが良くても、私企業にとってはちっともキリがよくありません。秋の行楽シーズンの始まりにいきなりダイヤが変わっては、お客さんが混乱するのは目に見えています。その上、分社化してJRとなったので、全国一斉にダイヤ改正する必要性もなくなりました。では柔軟に、一年365日の中で一番キリがいいのはいつなのか...?

     

     いつだと思います?

     

     正解は...、3月の中旬。ダイヤを改正すれば、多かれ少なかれお客さんに影響が及びます。それゆえ、お客さんが少ない時期を選べばいいわけです。そこで、商売の世界での格言。2・8(ニッパチ)といって、2月と8月はお客さんが少なくなるといわれています。ま、8月は夏休みの行楽シーズンなのでやるわけにいきません。
    じゃあ2月!となりがちなんですが、2月には鉄道に特別な需要が発生するんですね。2月に主に行われる、人生が決まるといっても過言ではない一大イベントといえば...。

     

     そう、受験。

     

     この1本の電車を逃したら、受験できずに人生が変わってしまう!そんな時期にダイヤ改正をできるほど、鉄道は非情ではありません。そこで、3月の中旬まで待ちましょうということになったのです。

     役所と民間、ダイヤ改正一つとっても考え方が随分違うんですねぇ。どちらが利用者に有益かは言うまでもありません。

  • 2012年09月26日

    どうも、ニッポン放送アナウンサーの飯田浩司です。

     どうも、ニッポン放送アナウンサーの飯田浩司です。現在担当している、月~木夕方4時からの「ザ・ボイス」、土曜昼1時からの「辛坊治郎 ズーム」から、私のブログが始まりました。一週間に一回程度、取材後記や気になった本の紹介などをしたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

     

     第1回は、盛り上がった自民党総裁選の話です。ご存知の通り、自民党総裁選は安倍晋三さんが決選投票の末、第25代総裁に選出されました。戦いが終わり、5人の候補の戦いぶりについて様々な記事が出ていますが、「負けに不思議な負けなし」という格言通り、敗戦の理由ははっきりしています。石破さんは、党内の国会議員の不人気。石原さんは、度重なる失言や軽さがその敗因と言われています。

     

     これらのウィークポイントを誰よりも痛感していたのが支持者の方々です。投票前にはなかなか出てこない、支持者の感じた大将のウィークポイント。私は偶然これを投票日の前々日に目にしていました。それは、六本木ニコファーレで行われた「次世代型討論会」で行われた支持者5人の討論会での出来事。ちょっとイジワルな、「ここを直してほしい」という質問に答えたときに思わずホンネが見えました。

     

     石破支持代表、ヒゲの隊長こと佐藤正久参議院議員、
    「なぜか、国会議員に支持が少ない。このことは、ご本人によ~く自覚していただかなくてはいけない」
     石原支持代表、平沢勝栄衆議院議員、
    「大自民党の幹事長なのに、軽いんですよ。」

     まさしく、今回の総裁選で言われている各陣営の敗因そのもの...。候補者5人の主張には、さほど差がないと言われた今回の総裁選。候補者の発言よりも、陣営の発言にこそホンネが、真理があったのか...。

     

     そこで思ったんです。来たる衆議院選挙でも、候補者の甘い主張の数々よりも、
    支持者の話を聞きに行った方が、かえってその候補のことが見えてくるのかもしれません。皆さん!次の選挙では、選挙事務所に行きましょう!!!

     

     と、第1回だったんで硬めの記事になってますね。次回からはシュミも全開で書いていきますんで、どうぞごひいきに!

書籍
プロフィール

飯田浩司(いいだ・こうじ)

1981年12月5日生まれ。
神奈川県横須賀市出身。O型。
2004年、横浜国立大学経営学部国際経営学科卒業。
現在、ニッポン放送アナウンサー。
ニュース番組のパーソナリティとして政治経済から国際問題まで取材活動を行い、ラジオでは「議論は戦わせるものではなく、深めるもの」をモットーに情報発信をしている。
趣味は野球観戦(阪神タイガースファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書。

■出演番組
≪現在≫
「飯田浩司のOK!COZY UP!」

≪過去≫
「ザ・ボイス そこまで言うか」
「辛坊治郎ズーム そこまで言うか」

■Twitter
「飯田浩司そこまで言うか!」

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