スポーツ伝説

2024.02.16

2024年2月12日~16日の放送内容

【サッカー 大迫勇也選手】
 2014年のブラジル大会、18年のロシア大会と、サッカーワールドカップには2大会連続出場を果たした日本屈指のストライカー・大迫選手。21年8月に7年半プレーしたドイツから帰国し、Jリーグのヴィッセル神戸に移籍しました。しかしコンディション不良もあって欠場も多く、21年は4ゴール、22年も7ゴールと、目立った活躍はできませんでした。転機となったのは22年、ワールドカップ・カタール大会の代表入りを逃したことです。大迫選手は故障者などが出た場合のバックアップメンバー入りを打診されましたが、これを辞退。ワールドカップ期間中は満身創痍だった体のメンテナンス期間に充てました。オフが長くなったことで、コンディションも完全に復活。昨シーズンはJ1リーグ戦全34試合に出場。月間MVPを3度受賞し、優勝を争うチームの大黒柱として活躍しました。
 5月にはリーグ一番乗りで10得点目をマーク。鹿島アントラーズ時代の13年に19得点して以来、10年ぶりの2ケタゴールを挙げます。さらに得点を重ねた大迫選手は9月29日、首位・神戸と優勝を争う2位・横浜F・マリノスとの大一番で、自身初となる20ゴールに到達。11月25日の勝てば優勝が決まる名古屋戦では、前半だけで2つのアシストを記録して神戸を悲願のJ1初優勝へと導きました。最終的に大迫選手は22ゴールをマークし、得点王のタイトルを獲得。ベストイレブンとリーグMVPにも選出される個人3冠に輝きます。個人3冠は史上10人目の快挙であり、33歳でのMVP選出は、フォワードの選手では史上最年長記録となりました。

 

【サッカー 武藤嘉紀選手】
 日本代表としてワールドカップ出場経験もあり、ヨーロッパで活躍してきた武藤選手。ヴィッセル神戸に加入したのは、2021年8月のことでした。日本代表で一緒にプレーしたこともある大迫勇也選手と同じタイミングで加入したため、強力フォワードコンビ結成と注目を浴びます。ところが21年・22年は、ともに万全の状態で臨めた試合が少なく、なかなかチームを勝利にもたらすことができませんでした。しかし昨年は、コンディションも万全の状態に戻ります。大迫選手もオフに体調が回復し、本来の調子に戻った「武藤・大迫」のホットラインが他チームにとって大きな脅威となりました。開幕2戦目の札幌戦では、武藤選手のアシストから大迫選手がシーズン初ゴールをマーク。続くガンバ大阪戦では、武藤選手と大迫選手のアベックゴールが生まれます。5月に大迫選手が月間MVPを受賞すれば、武藤選手も負けじと6月に受賞。ともに刺激し合いながら、優勝を争うチームを牽引していきました。
 万全の状態でシーズンに臨んだ武藤選手ですが、優勝争いのプレッシャーもあってか、夏場にはぜんそくのような症状や発熱に苦しみました。またリーグ戦終盤には、試合中に背中から落下した際に吐血。肺裂傷と肺挫傷と診断されたこともあります。それでも武藤選手は休むことなく、リーグ戦34試合すべてに出場。持ち前のスピードと豊富な運動量を武器に、攻撃だけでなく前線からボールを追いかける守備でもチームを鼓舞し続けました。そして11月25日、勝てばJ1優勝が決まる名古屋戦。大迫・武藤のホットラインからゴールが生まれ、神戸に悲願のJ1初優勝をもたらしたのです。最終的に昨シーズン、武藤選手は10ゴール10アシストをマークしてベストイレブンにも選出。2ケタゴール・2ケタアシストは、20年、川崎時代の三笘薫選手以来となる偉業達成でした。

  
  
【サッカー 樋口雄太選手】
 鹿島アントラーズの中心選手・樋口選手は佐賀県出身の27歳。2019年に地元のサガン鳥栖でプロデビューを果たすと、21年にはJ1リーグ戦で6ゴールを挙げます。右足から繰り出す精度の高いキックを武器にチームの司令塔として活躍し、前年13位だった鳥栖を7位に躍進させる原動力となりました。この活躍もあって、22年に鹿島アントラーズに移籍。J1リーグ戦で2得点・8アシストを記録するなど、名門クラブでもすぐに司令塔として活躍します。そんな樋口選手がさらに飛躍を見せたのが、昨シーズン。夏に味わった苦い経験がバネになりました。7月に行われた天皇杯3回戦の甲府戦。1対1のまま決着がつかず、PK戦となりましたが、これが13人目までもつれる大熱戦に。このPK戦で樋口選手は2度キッカーを務め、いずれも外してしまったのです。責任を痛感した樋口選手は、4日後に行われたJ1リーグ・FC東京戦で、チームを勝利に導く2アシストを記録。すぐに汚名を返上してみせました。
 8月6日のJ1リーグ・札幌戦では、試合開始からわずか12秒でキーパーとの1対1を制して先制ゴール。この試合では2つのアシストも決め、チームの3得点すべてに絡んで勝利に貢献しました。また8月19日の古巣・サガン鳥栖との一戦では、得意の右足ではなく、左足を振り抜く豪快なミドルシュートで先制ゴールを決めます。8月は2得点2アシストの活躍を見せ、J1リーグの月間MVPに選出。昨シーズンは最終的に、J1でリーグトップとなる12アシストを記録しました。

  
【サッカー 伊藤敦樹選手】
 浦和で育ち、地元・浦和レッズに入団した伊藤選手。中学から浦和レッズアカデミーの門を叩き、ジュニアユース・ユースと6年間を過ごします。そして進学した流通経済大学で、本職のボランチだけでなくサイドバックやセンターバックを経験。ボランチでも生きる広い視野と高い守備力を身につけ、ついに憧れだったレッズのトップチーム入りを果たしました。伊藤選手は185㎝の長身と強靭なフィジカルを武器に、1年目からボランチのレギュラーとして活躍。3年目の2023年には、アジアのクラブナンバーワンを決めるアジアチャンピオンズリーグで先発出場を続け、優勝に貢献しました。
 伊藤選手が流通経済大学に入学した時、自信を与えてくれた先輩がいます。伊藤選手が入学した当時4年生で、のちに日本代表のボランチとして活躍する守田英正選手です。伊藤選手にとって目標とすべきボランチだった守田先輩から、お前はプロになれると言われたことが大きな自信となったという伊藤選手。昨年6月、日本代表に初めて招集された伊藤選手は、代表デビュー戦で守田選手との交代でボランチとして出場。続く2戦目では豪快な代表初ゴールも決めて、存在感を示します。これがさらに自信となり、昨シーズンはJリーグのベストイレブンに選出。名実ともに日本を代表するボランチに成長しました。

 

【サッカー 西川周作選手】
 昨シーズンのサッカー・J1リーグにおいて、最少失点でゴールマウスを守り、ベストイレブンに輝いた西川選手。7年ぶり6回目の選出でした。21年に若手有望株・鈴木彩艶選手にレギュラーの座を一時奪われた西川選手。この時、西川選手は自分のプレーを見つめ直し、シーズン中に再びレギュラーの座を奪い返しました。22年からレッズのゴールキーパーコーチを務めるジョアン・ミレッ コーチの指導を受けたことも大きな転機となります。コーチから、自分のやり方を1回リセットしてくれと言われた西川選手。これまで築き上げてきた経験に固執することなく、キャッチングやポジショニングなど、すべての動きを再構築していったのです。
 ジョアンコーチとのトレーニングによって、ゴールマウスを守ること以上に、ペナルティエリアを守る意識が向上したという西川選手。その成果を発揮したのが、昨年のアジアチャンピオンズリーグ決勝戦、サウジアラビアのアル・ヒラル戦です。敵地での第1戦を引き分けで終え、無失点なら優勝が決まるホームでの第2戦。西川選手はクロスボールへの対応が難しい強風の中でも冷静さを失わず、相手の攻撃をシャットアウト。ビッグセーブも再三披露して完封勝利を飾ります。決勝戦のマン・オブ・ザ・マッチに輝く活躍でアジア制覇に貢献した西川戦手は、J1リーグ戦でも全34試合に出場し、1位タイの15完封を記録。ベストイレブンに輝いたのです。J1通算完封は歴代1位の187試合。今年は200試合完封の大台達成に期待がかかります。

  
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!

    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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