スポーツ伝説

2024.04.19

2024年4月15日~19日の放送内容

【バスケットボール 林咲希選手】
 2021年の東京オリンピックでは、得意のスリーポイントシュートで、日本の銀メダル獲得に貢献したバスケットボール女子日本代表・林選手。日本のバスケットボール界では、男女を通じて初の快挙となるオリンピックでのメダル獲得で大きな話題を集めました。しかし22年のワールドカップにはケガで出場できず、グループリーグ敗退に終わった日本は世界のトップクラスから遠ざかってしまいます。そこで日本が再び強くなるため、新たに代表キャプテンを任されたのが林選手です。林選手は新しい環境で新しいバスケを学び、世界を広げることが自分の成長につながると考え、6シーズン在籍したENEOSからの移籍を決断。新たに加入した富士通では動きの緩急やハンドリングの練習を積極的に行い、これまで以上に相手が守りにくい選手を目指しました。その成果をいかんなく発揮したのが、オリンピック世界最終予選の初戦、強豪・スペインとの戦いです。スペインは過去に公式戦で5度戦い、1度も勝ったことのない相手。林選手は得意のスリーポイントを8本中6本も決め、成功率は驚異の75%。チームトップタイの20得点を挙げて勝利に導き、プレイヤー・オブ・ザ・ゲームにも選ばれました。
 世界最終予選で幸先のいいスタートを切った日本代表でしたが、第2戦は開催国のハンガリーと戦い、悔しい逆転負けを喫します。オリンピック出場のためには、絶対に負けられない最終戦のカナダ戦。日本はこの試合に向けて、林キャプテンを中心に選手だけでミーティングを行い、チームのコンセプトを確認し合いました。そのコンセプトとは、「走り勝つシューター軍団」。迎えたカナダ戦、日本はスリーポイントシュートを警戒する相手の心理を逆手に取り、コンセプト通りコートを走り続けます。林選手は先頭に立って走り続け、日本は格上カナダに86対82で勝利。パリ・オリンピックの出場権を勝ち取りました。

  
 
【バスケットボール 吉田亜沙美選手】
 2010年の世界選手権では、アシスト王に輝くなど、長きに渡って日本の女子バスケットボールを牽引する司令塔として活躍してきた吉田選手。16年のリオ・オリンピックではキャプテンを務め、20年ぶりにベスト8入りしたチームをまとめ上げました。19年3月、肉体面よりも精神面ですり切れてしまったという理由で現役引退を発表しますが、東京オリンピックでプレーしたいという気持ちを抑えきれず、半年後に現役復帰を果たします。ところがコロナ禍によってオリンピックの開催が1年延期となり、この時30歳を過ぎていた吉田選手はやむなく2度目の現役引退を決断しました。それから3年後の23年春、35歳にして吉田選手は三度コートに戻ってきます。30代半ばという年齢もブランクも感じさせないゲームメークや、優れた状況判断を発揮して周囲を驚かせた吉田選手。今年1月には、パリ・オリンピックを目指す世界最終予選の日本代表候補として4年ぶりに招集され、驚きを与えました。
 吉田選手は代表候補の合宿でも存在感を見せ、今年2月に開催されたパリ・オリンピックの世界最終予選に挑む日本代表メンバー12人に選ばれます。日本のコンセプトは、「走り勝つシューター軍団」。もちろんチーム最年長の吉田選手も例外ではなく、縦横無尽にコートを走り続けることが求められました。こうして臨んだ世界最終予選、1勝1敗で迎えた最後のカナダ戦。パリ行きが懸かるこの一戦で、吉田選手はチーム最多の5アシストを記録。最後まで勝負の行方がわからない激闘を86対82の僅差で制した女子日本代表は、3大会連続でオリンピック出場を決めました。

     
 
【バスケットボール 馬瓜エブリン選手】
 中学時代から女子バスケットボールのアンダーカテゴリーで日本代表に名を連ね、2021年の東京オリンピックでは、日本代表の主軸として銀メダル獲得に貢献したエブリン選手。恵まれた体格や身体能力を生かしたプレーはもちろん、明るいキャラクターで声をよく出すことから、ムードメーカーとしても欠かせない存在です。しかしずっと代表選手として張り詰めた生活を続けてきたエブリン選手は、2021-22シーズンが終わると代表での活動を辞退して所属チームとも契約を結ばず、完全な休養状態に入ります。本人が「人生の夏休み」と語った、およそ1年にわたる休養期間中には、メディア出演や男子代表戦の解説者など、様々なことに挑戦したエブリン選手。プレーへの情熱を取り戻して、再びコートへ帰ってきました。23年6月、デンソーに加入してプレーを再開。半年後の12月、女子バスケットボール日本一を決める皇后杯で活躍して、チームを決勝へと導きます。相手は、大会10連覇中の強豪・ENEOS。試合開始早々、エブリン選手は相手のボールを奪い、ファールを受けながらゴールネットを揺らすビッグプレーを披露します。これで勢いに乗ったデンソーは、見事初優勝を飾りました。
 皇后杯での日本一達成を手土産に、エブリン選手はパリ・オリンピックを目指す女子日本代表に復帰。今年2月、オリンピック世界最終予選に出場します。初戦は、世界ランキング4位の強豪・スペイン。日本は公式戦で5戦全敗と、1度も勝ったことのない相手でしたが、エブリン選手は途中出場ながらチームトップタイの20得点と躍動し、日本の勝利に大きく貢献しました。ところが日本は、2戦目のハンガリーに逆転負けを喫し、最後は格上のカナダ戦。エブリン選手は同学年のチームメイト・宮崎早織選手からもっと声を出して欲しいと檄を飛ばされます。その言葉通りに、カナダ戦をプレーと声で盛り立てたエブリン選手。警戒する相手のディフェンスをくぐり抜け、チーム最初のスリーポイントシュートを決めるなどチームトップタイの21得点をマーク。日本は激闘の末に4点差で勝利し、3大会連続のオリンピック出場をつかみ取りました。

  
【サッカー 長谷川唯選手】
 パリ・オリンピック出場を懸けて、今年2月に北朝鮮とアジア最終予選を戦ったサッカー女子日本代表・なでしこジャパン。その司令塔を務めたのが、イングランド、マンチェスター・シティ所属の長谷川選手です。2016年、長谷川選手が大学生の時、なでしこジャパンはリオ・オリンピックへの出場権を逃し、アンダーカテゴリーの代表を経験していた長谷川選手は、女子サッカーの人気が低下していくのを肌で感じていました。それもあって、今回のパリ・オリンピックアジア最終予選は、是が非でも突破しなければならない大会でした。決戦の相手は北朝鮮。日本がアウエーの第1戦はピョンヤンで行われる予定でしたが、会場が急きょ変更となり、試合3日前になって中立地のサウジアラビアに決定。北朝鮮が徹底的に守りを固めてきたため、0対0で引き分けに終わります。
この結果、日本の国立競技場で行われる第2戦は、勝った方がパリに行くという戦いに。絶対に負けられない戦いにもかかわらず、北朝鮮側のゴール裏応援席は、3000枚のチケットが完売したのに対し、日本側は前日の午後の時点で1500枚ほど。そこで長谷川選手は、国立競技場へ応援に来てくれるよう呼び掛けます。すると当日は3000人を超えるサポーターがゴール裏に詰めかけ、大きな後押しとなりました。運命の第2戦、先発でフル出場した長谷川選手は。ボランチとして攻守で活躍します。試合は前半26分に、高橋はな選手のゴールで日本が先制。さらに後半31分に藤野あおば選手が2点目を入れて突き放すと、北朝鮮の反撃を1点に抑え、日本が2対1で逃げ切ってパリ行きの切符をつかんだのです。パリでは、応援してくれる人たちのためにも、女子サッカーの未来のためにも、長谷川選手は司令塔として、金メダルを目指します。

 
【サッカー 山下杏也加選手】
 パリ・オリンピック出場を懸けて、今年2月にアジア最終予選に臨んだサッカー女子日本代表・なでしこジャパン。北朝鮮を相手にお互いのホームで1試合ずつ戦い、2試合の総合成績で勝敗が決まります。このアジア最終予選でなでしこのゴールキーパーを務めたのが山下選手です。山下選手はWEリーグ・INAC神戸レオネッサ所属。日テレベレーザ時代、2015年夏に行われた東アジアカップで初めて日本代表に選ばれました。当時まだ19歳の若さでなでしこジャパン入りした山下選手。以後、代表の守護神として活躍しましたが、16年にはリオ・オリンピックの出場を逃すという悔しい経験をします。今回は絶対にパリへ行くと固く決意した山下選手。そんな矢先、なでしこの左サイドバックで、現在アメリカの女子プロリーグでプレーしている遠藤純選手がケガで北朝鮮との決戦に出場できなくなってしまいます。昨年、遠藤選手と一緒に女子ワールドカップを戦った山下選手は、彼女のためにも必ずパリに行くと心に誓い、最終決戦に臨みました。
 試合会場が急遽変更となり、中立地のサウジアラビアで行われた北朝鮮との第1戦は山下選手のファインセーブもあって0対0の引き分けに終わり、国立競技場で行われる第2戦は勝った方がパリへ行けるという一大決戦になりました。緊張感が漂うこのゲームで日本は前半26分、高橋はな選手が先制ゴールを決めます。しかし前半終了間際、北朝鮮の選手がヒールキックからゴール左にシュート。ボールがゴールラインを割ろうとしたその時、山下選手はとっさに反応して、ライン上にあったボールを素早くかき出したのです。一昨年のワールドカップで、男子日本代表の三笘薫選手がゴールラインを割りかけたボールをギリギリで折り返して決勝ゴールに繋げた〝三笘の1ミリ”になぞらえ、〝山下の1ミリ”と呼ばれたファインセーブ。2対1で日本が勝利し、見事パリ行きの切符をつかみ取りました。
   

来週のスポーツ伝説は……

4/22(月) プロ野球 間柴茂有投手
4/23(火) プロ野球 トミー・クルーズ選手  
4/24(水) プロ野球 西崎幸広投手
4/25(木) プロ野球 田中幸雄選手
4/26(金) プロ野球 金子誠選手

お楽しみに!!

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    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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