スポーツ伝説

2024.03.29

2024年3月25日~29日の放送内容

【MLB 今永昇太投手】
 大学時代から注目され、2015年のドラフト1位で横浜DeNAベイスターズに入団した今永投手。毎年コンスタントに成績を残し、球界を代表する左のエースとして活躍を続けましたが、投手タイトルには縁がありませんでした。しかしプロ8年目の昨シーズン、タイトルを獲るチャンスをつかみます。7月7日の巨人戦で、自己最多タイの7者連続奪三振を含め、球団タイ記録となる1試合15奪三振を記録。9月13日の中日戦では、通算1000奪三振を達成。今永投手は最終的にシーズン174奪三振を記録し、念願の初タイトル・最多奪三振を獲得しました。
 今シーズンから憧れのメジャー移籍を果たし、シカゴ・カブスでプレーする今永投手。身長178㎝とメジャーリーガーとしては小柄ですが、国際舞台での実績は申し分ありません。19年のプレミア12では、強豪・メキシコを相手に6回を投げ1安打1失点。最後のイニングは3者連続三振で締める圧巻のピッチングで勝利投手に。昨年のWBCではアメリカとの決勝戦で先発投手の大役を任され、記念すべき試合の勝利投手に輝きました。今永投手の注目のメジャー1年目は、間もなく始まります。

 

【MLB 藤浪晋太郎投手】
 昨年1月、オークランド・アスレチックスに移籍した藤浪投手。メジャー1年目は、波瀾万丈のシーズンとなりました。大谷翔平選手がいるエンゼルス戦で、メジャー初登板を飾った藤浪投手。大谷選手との10年ぶりの対決をファーストゴロに仕留めるなど、1回・2回と連続で3者凡退に仕留めます。ところが、3回に突如大崩れ。5本のヒットと3つのフォアボールを許し8失点。防御率は30点台を記録する、散々なデビュー戦となりました。先発では4連敗を喫し、中継ぎへ配置転換されますが、これが転機となります。5月12日のレンジャーズ戦、延長10回途中に登板して無失点の好リリーフを見せ、藤浪投手にメジャー初白星が転がり込んだのです。
 シーズン中盤の7月19日、藤浪投手はボルチモア・オリオールズへトレード移籍します。優勝を狙うチームが藤波投手の獲得に動いた理由は、6月以降の安定した投球。特に移籍するまでの7月は防御率2点台を記録し、阪神時代からの課題ともいえた制球難は、移籍前に11試合連続で無四球ピッチングを披露してみごとに克服してみせました。その安定感はオリオールズでも発揮され、貴重な中継ぎの一角として30試合に登板。2勝2セーブ2ホールドの成績で、チームの地区優勝にしっかり貢献しました。そしてもうひとつ、藤浪投手の武器となったのは球速です。8月のメッツ戦では、日本人投手メジャー最速となる165キロを計測。メジャーで豪速球を意味する100マイル、およそ161キロ以上を記録した回数は、シーズン全体で136球という剛腕ぶりを発揮しました。まさに挫折も喜びも味わったメジャー1年目を経て、今シーズンは新天地、ニューヨーク・メッツで勝負のマウンドに臨みます。

  
     
【プロ野球 甲斐野央投手】
 福岡ソフトバンクホークスのドラフト1位、即戦力ルーキーn甲斐野投手は、2019年のレギュラーシーズン開幕戦・埼玉西武戦でプロ初登板・初勝利というデビューを飾りました。ルーキーの開幕戦白星は11年ぶりの快挙。素晴らしいピッチングはその後も続き、デビューから13試合連続無失点という新人新記録も作ります。この年は、中継ぎ・抑えでフル回転。65試合に登板し、2勝5敗8セーブ26ホールドの好成績を残しました。その活躍はポストシーズンも続き、クライマックスシリーズと日本シリーズで計8試合に登板。わずか2失点でチームの日本一にも貢献。シーズン終了後も、国際試合・プレミア12日本代表にも抜擢され、5試合を無失点に抑えて侍ジャパンを世界一に導きました。甲斐野投手はプロ1年目に日本一と世界一に輝く、最高のルーキーイヤーを過ごしたのです。
 ポストシーズンとプレミア12を含めると、プロ1年目は78試合に投げた甲斐野投手。翌20年は右肘じん帯の一部に損傷が見つかり、2年目は1軍のマウンドで投げることはありませんでした。プロ3年目の21年8月に662日ぶりの一軍登板。22試合に登板したものの好不調の波は激しく、ようやく復調の兆しを見せたのは22年。6月の試合で自己最速の160キロを記録すると、この年は27試合に登板し、2勝3ホールド・防御率2.52の安定感を見せました。23年も46試合に登板して3勝1敗2セーブ8ホールド、防御率2.53と2年連続で2点台をマークし、改めてチームに欠かせない存在となったのです。そんな折、埼玉西武への移籍が決定。160キロのストレートと高速フォークを操る甲斐野投手の加入は、優勝を狙う上で心強いプラス材料となるはずです。

  
【プロ野球 愛斗選手】
 今シーズンから千葉ロッテマリーンズでプレーする愛斗選手は、埼玉の名門・花咲徳栄高校から2015年のドラフト4位で埼玉西武ライオンズに入団。プロ2年目の17年6月に1軍デビューを果たしますが、暫くは1軍と2軍を往復する日々が続きました。ようやく1軍に定着したのは、プロ6年目の21年です。この年は自己最多の97試合に出場し、ライトのレギュラーを奪うきっかけをつかみます。打率は2割1分9厘と低かったものの、得点圏にランナーがいる時は3割2分3厘へと跳ね上がり、チャンスでの勝負強さが光った愛斗選手。続く22年には、121試合とさらに出場機会を増やし、規定打席にこそ届きませんでしたが、ホームラン9本を記録。2ケタも狙える長打力も魅力のひとつとなります。しかし飛躍が期待された昨シーズンは73試合に出場し、打率2割1分4厘、ホームラン4本と成績が伸び悩みました。
 転機が訪れたのは、オフに行われた現役ドラフトです。千葉ロッテがリストに載っていた愛斗選手を指名し、プロ9年目の今シーズンは新天地で迎えることになりました。千葉ロッテが高く評価した愛斗選手の長所は、その守備力です。肩の強さだけでなく、ポジション取りや最短距離で落下地点に入るスピードには定評があり、実際に千葉ロッテは、愛斗選手の守備でチャンスを失う経験をしています。さらに吉井理人監督は、愛斗選手の長打力も買っています。プロ9年目、愛斗選手の本当のブレイクはこれからです。

【プロ野球 上林誠知選手】
 昨年のオフ、福岡ソフトバンクホークスからまさかの戦力外通告を受けた上林選手。走・攻・守の3拍子揃ったプレーヤーで、強肩の上に長打力もあります。高卒5年目の2018年はレギュラーシーズン全試合に出場して、打率2割7分、ホームラン22本、62打点、13盗塁をマーク。チームの将来を担う選手と大いに期待されていました。しかし19年以降はたびたびのケガで精彩を欠き、22年5月には右アキレス腱を断裂。手術を受け長期離脱を余儀なくされました。昨シーズンに復帰を果たしたものの、本来の調子を取り戻せず、オフに戦力外となってしまったのです。この時、上林選手はまだ28歳。現役続行を宣言して、最初に声を掛けてくれた中日ドラゴンズに入団します。
 上林選手が新天地として中日を選んだ理由がもう1つあります。それは、仙台育英高校の1学年後輩にあたる梅津晃大投手からエールを送られたこと。右ヒジを痛め、手術を受けて昨シーズン復帰した梅津投手と自分と境遇が似ているだけに、彼が投げている時に打てればと気合を込めた上林選手。ポジションである外野のレギュラー争いが激しくなっており、春季キャンプではとにかくバットを振って、練習の終了時間が近づいても止めない上林選手の姿がありました。少々頑張りすぎたのか、右脇腹を痛めて別メニュー調整となるアクシデントもありましたが、程なくまた練習を再開。「野球ができることの喜びを感じてプレーしたい。必死で、全力でチームのために頑張りたい」と決意を語りました。

来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!

    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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