スポーツ伝説

2024.02.02

2024年1月29日~2月2日の放送内容

【プロ野球 西舘勇陽投手】
 阿部慎之助新監督のもと、4年ぶりのセ・リーグ制覇を目指す巨人。ピッチャーのコマ不足を補うために昨年のドラフトで1位指名したのが、中央大学の本格派右腕・西舘投手です。西舘投手は岩手の名門・花巻東高校出身で、メジャーリーグで活躍するドジャース・大谷翔平選手、ブルージェイズ・菊池雄星投手の後輩でもあります。高校時代は1年生の夏からベンチ入りし、甲子園には春・夏合わせて3度出場。3年生夏の県予選では、決勝で大船渡高校と対戦しました。この時大船渡高校は、エースの佐々木朗希投手が登板を回避して敗れ物議を醸しましたが、西舘投手はこの試合の6回からリリーフで登板。勝利に貢献し、3度目の甲子園行きを決めました。
 中央大学に進学した西舘投手は、東都大学1部リーグで通算51試合に登板して通算12勝を挙げ、防御率1.95の好成績を残しました。セットポジションからクイック投法で投げるようにフォームを改良しましたが、西舘投手はクイックでも最速155キロをマークする剛腕が魅力です。ドラフト会議の翌日、指名あいさつのため母校・中央大学を訪れた阿部監督は、西舘投手に背番号17を提示。巨人では槙原寛己投手ら名投手がつけてきた番号であり、大谷翔平選手と同じ番号でもあります。大谷選手も愛用しているマットレスを寮に持参して体のケアにも気を配りながら、V奪回を目指す先輩の新監督をアシストします。

 

【プロ野球 武内夏暉投手】
 埼玉西武ライオンズの即戦力サウスポーとして期待されているドラフト1位ルーキー・武内投手は、福岡県北九州市出身。福岡県立八幡南高校を経て、国学院大学に進学しました。身長186㎝、体重90kgの大型サウスポーで、最速150キロを超えるストレートに加え、落差の大きいツーシーム・スライダーなど多彩な変化球を操ります。武内投手の最大の武器は、安定感抜群のコントロールです。大学2年生の秋に出場した明治神宮野球大会の九州産業大学戦で、8回ツーアウトまでパーフェクトピッチングを披露。最終的に3安打を許したものの、無四球完封でチームを勝利に導きました。この試合でプロのスカウト陣に注目されると、3年生秋のリーグ戦は4勝を挙げて優勝に貢献。MVPに輝きました。昨年のドラフト会議では、大学ナンバーワン左腕の呼び声にふさわしく3球団が1位指名で競合し、埼玉西武が交渉権を引き当てたのです。
 左の先発不足に悩んでいた埼玉西武にとって待望の即戦力サウスポー獲得とあって、球団は武内投手に背番号21を用意します。かつてライオンズのエースとして通算251勝を挙げ、監督も務めたレジェンド・東尾修さんが現役時代につけていた番号です。ライオンズの21番は他にも、渡辺智男投手・西崎幸広投手・石井貴投手といった名投手たちが背負い、歴史を作ってきました。そして近年、この番号をつけていたのが十亀剣投手です。2022年に現役を引退して、昨年から球団スカウトとして第二の人生を歩み始めた十亀さんが担当したのが武内投手のスカウトでした。「21番を偉大なものにしていきたい」と語った頼もしい若獅子が、チームの未来をひらきます。

     
【プロ野球 常廣羽也斗投手】
 ラグビーの強豪校として知られる大分舞鶴高校出身者から初めてプロ野球選手になったのが、広島カープ・常廣投手です。高校時代は甲子園の出場経験もなくまったく無名の存在でしたが、プロ野球選手になりたいと上京。青山学院大学に進学します。転機となったのは、3年生春のリーグ戦です。東都リーグ史上初めて地元・大分で開幕戦が行われるとあって、常廣投手はこの試合を心待ちにしていました。ところが調整が間に合わず、試合前日にベンチ入りメンバーから外れてしまいます。この時の悔しさを糧にして、練習への取り組み方が変わったという常廣投手。大分開催の次のカードで、公式戦では自己最多となる5回3分の2を投げて、2安打6奪三振の好投。秋はリリーフでフル回転し、ストレートも自己最速を更新する153キロをマークします。4年春のリーグ戦では、開幕戦の先発を任されるエースに成長。3勝を挙げて、17年ぶりとなるリーグ戦優勝の原動力になりました。
 常廣投手の評価をさらに高めたのは、昨年6月に行われた全日本大学野球選手権です。常廣投手は準々決勝で6回を投げ無失点、9奪三振と好投。さらに決勝では、強打の明治大学打線を相手に7安打10奪三振の完封勝利を挙げ、チームを18年ぶりの大学日本一に導きました。常廣投手はこの大会で2勝。しかも15イニング無失点の好投を見せ、大会MVPと最優秀投手賞の2冠に輝きます。その後、大学日本代表にも選ばれ、ストレートの最速は155キロにまでアップするなど急成長を遂げ、一気にドラフトの目玉候補となったのです。常廣投手が目標とするのは、同じ大分県出身で4年前にセ・リーグ新人王を獲得したチームの先輩・森下暢仁投手。目指すは、森下投手と同じ新人王、そしてカープのエースです。

【プロ野球 下村海翔投手】
 阪神のドラフト1位ルーキー・下村投手は、甲子園球場のある兵庫県西宮市出身。実家から甲子園へは自転車で行ける距離で、幼い頃から阪神タイガースは身近な存在でした。しかし宝塚ボーイズ時代は外野手がメインで、投手としては2番手。福岡の九州国際大学附属高校でカットボールを身につけ、最速149キロを投げるまでに成長しますが、甲子園大会への出場は叶いませんでした。卒業後は青山学院大学に進学しますが、右ヒジを故障して手術を受けたため、2年生の1年間は公式戦登板ゼロ。しかしこの投げられない期間をじっくりと体作りにあてたことで、ストレートの最速は150キロを超え、一躍ドラフト候補へと変貌を遂げたのです。
 4年生になると、先発投手として東都大学リーグ・春のリーグ戦で3勝、防御率0・85と抜群の安定感を誇り、青山学院大学を17年ぶりのリーグ優勝に導いた下村投手。6月には18年ぶりの全日本大学野球選手権優勝にも貢献します。下村投手が最も輝いたのは、昨年夏にアメリカで行われた日米大学野球選手権です。大学日本代表のメンバーに選ばれ、大事な開幕戦の先発を任された下村投手は、5回1失点の好投で勝利投手になります。その後、日本は連敗して後がなくなりますが、第4戦に先発した下村投手が5回をノーヒット・無失点に抑え、最終第5戦はリリーフで連投して1イニングを無失点。日本の逆転優勝に貢献しました。一方、東都大学リーグ秋のリーグ戦では、負ければ優勝がなくなる一戦に先発。7回3安打無失点の好投で勝利に導くなど大一番で活躍し、青山学院大学の春秋連覇に貢献。ドラフトで阪神の1位指名を獲得しました。

【プロ野球 上田希由翔選手】
 徳川家康生誕の地・愛知県岡崎市の出身。「家康公のように長くプロで活躍できれば」と語ったのは、千葉ロッテマリーンズのドラフト1位ルーキー・上田選手です。愛知産業大学三河高校では早くから4番を任され、2018年、2年生の夏には、22年ぶりとなる夏の甲子園出場に大きく貢献。高校通算46本のホームランを放つなど、確実性と長打力を兼ね備えた左のスラッガーとしてプロのスカウト陣からも注目を浴びていました。しかし上田選手は明治大学への進学を決断。大学でも1年生の秋から4番に座り、東京六大学のリーグ戦で打率3割4分4厘の好成績を挙げます。4年生になってキャプテンとしてチームを牽引した昨年は、チーム85年ぶりとなる春のリーグ戦3連覇に貢献しました。
 大学4年生春のリーグ終了時点で、通算ホームランは9本。打点数は明治大学の歴代最多記録にあと1に迫る62。秋のリーグでは、10月1日の立教大学戦で決勝ツーランホームランを放ち、通算10本の大台に到達。打点を71に伸ばします。上田選手は最終的に74打点をマーク。明治大学の最多打点記録を大幅に塗り替えただけでなく、東京六大学でも歴代単独4位という偉大な記録となりました。そんなバッティングを評価され、千葉ロッテの1位指名を勝ち取った上田選手。得点力アップが急務のチームで、打線の起爆剤になれるか注目です。

  
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!

    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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