スポーツ伝説

2024.01.12

2024年1月8日~12日の放送内容

【プロ野球 山﨑福也投手】
 昨シーズン、オリックス・バファローズの先発として自己最多の11勝を挙げ、パ・リーグ3連覇に貢献したサウスポーの山﨑投手。シーズン終了後にFA宣言を行うと、残留を要請したオリックスに加えて5球団がオファー。激しい争奪戦の末に本人が選んだチームは、北海道日本ハムファイターズでした。パ・リーグの優勝チームから最下位チームへの移籍は大きな反響を呼びましたが、この思い切った決断にはいくつかの理由がありました。埼玉県出身の山﨑投手ですが、中学3年生の時に脳腫瘍が見つかり、生存率が10%未満の難病と判明。その手術をしてくれたのが当時北海道大学病院脳神経外科の澤村豊医師でした。山﨑投手の入団会見には、命の恩人・澤村医師がサプライズで登場。再会を喜び合うシーンもありました。
 さらに山﨑投手の父親・章弘さんも元プロ野球選手で、日本ハムで2年間プレー。引退後もコーチとして12年間在籍していました。日本ハムには、2022年のオフにオリックスからひと足先にFA移籍したキャッチャー・伏見寅威選手もいます。二人はオリックスでよくバッテリーを組んでいた仲で、気心の知れた女房役がいるのは山﨑投手にとって心強い限りです。入団会見に同席した新庄剛志監督は、4月2日に行われるホーム開幕戦をこのバッテリーに任せると明言。球団から期待の証でもある背番号18を託された山﨑投手は、新天地での活躍を誓っています。
 

【プロ野球 西川龍馬選手】
 昨シーズンまで、広島カープの主砲だった西川選手。福井県の敦賀気比高校出身で、メジャーリーグで活躍する吉田正尚選手の1学年後輩にあたります。西川選手の魅力は何と言っても、卓越したバットコントロールです。広島でプレーした昨シーズンは途中から4番を務め、リーグ2位の打率3割5厘、得点圏打率3割4厘をマークし、初めて規定打席に到達した上での打率3割を達成しました。球団やカープファンからも残留を望む声が多かった中、昨年オフにFA宣言し、オリックスと4年契約を結んだ西川選手。実はオリックスの本拠地・京セラドーム大阪は実家の近くで、子どもの頃によく足を運んだ球場でもありました。
 パ・リーグ4連覇と日本一奪回を目指すオリックスにとっても、西川選手はどうしても欲しい選手でした。昨年、吉田正尚選手が抜けた穴は予想以上に大きく、外野で100試合以上を守ったのは中川圭太選手だけ。外野手の補強が課題のチームにとって、昨年セ・リーグの外野手部門でベストナインに選出された西川選手は、まさにうってつけの選手でした。背番号は7番。前身の阪急ブレーブスでは福本豊選手、オリックスでは糸井嘉男選手や高校の先輩・吉田正尚選手らスター選手が背負ってきた番号です。パ・リーグ4連覇へ向け、西川選手への地元のファンの期待は高まっています。

     
【プロ野球 森唯斗投手】
 前回のリーグ優勝は26年前の1998年。現在12球団で最もリーグ優勝から遠ざかっている横浜DeNAベイスターズ。そのDeNAに加わったのが森投手です。福岡ソフトバンク入団1年目の2013年から中継ぎで58試合に登板し、4勝1敗20ホールド、防御率2.33の好成績で日本一に貢献します。森投手はこの年を含め、7年連続で50試合以上に登板して、実に6度も日本一に輝きます。18年に抑えへ転向すると、37セーブを挙げて最多セーブのタイトルを獲得。広島カープとの日本シリーズでは、シリーズタイ記録の3セーブをマークし、優秀選手賞に選ばれました。森投手は20年も抑えを務め、52試合に登板して32セーブをマーク。リーグ優勝を決めた試合に加えて日本シリーズでも胴上げ投手になり、4年連続日本一の立役者になったのです。
 20年10月には、通算100セーブに到達。しかもこの年に通算100ホールドも達成していたので、史上6人目の100ホールド・100セーブを達成した森投手。そんな森投手に翌21年、試練が訪れます。故障が相次ぎ登板機会も減少。マウンドに上がっても打ち込まれる場面が増えてきました。この状況を打開するため、森投手は22年のシーズン終盤から先発に転向。昨年4月のシーズン初登板では、6回を4安打無失点に抑え、プロ入り後初の先発勝利を挙げました。通算465試合目での先発初勝利は、プロ野球史上最も遅い記録。その後は戦線離脱を繰り返して、1軍の登板はわずか6試合に終わり2勝3敗。シーズン終了後に戦力外通告を受けてしまいます。複数球団のオファーから森投手が選んだのは、真っ先に声をかけてくれた横浜DeNA。年俸は大幅なダウンですが、拾ってくれた球団に感謝し、26年ぶりのセ・リーグ制覇への貢献を誓いました。

  
【大相撲 一山本大生関】
 北海道出身で23歳の時に公務員から角界入り、という異色のキャリアを持つ一山本関。昨年は3月の春場所・5月の夏場所で、2場所連続4勝11敗と成績が低迷。十両に陥落した7月の名古屋場所では、左ひざの古傷を悪化させて3日間の休場を余儀なくされ、4勝に終わりました。以後は左ひざに負担をかけないため、前に出る意識が強くなったという一山本関。昨年9月の秋場所は13勝2敗で十両優勝を果たし、11月の九州場所で3場所ぶりに幕内に復帰。初日から6連勝と波に乗ります。 7日目に初黒星を喫しますが、8日目に宝富士関を破って7勝1敗で単独首位に立つと、9日目には玉鷲関を破り、一番乗りで勝ち越しを決めました。先場所に十両優勝した力士が、幕内に昇進して2場所連続優勝すると、実に109年ぶりの快挙となります。また元横綱・北勝海の八角理事長以来、32年ぶりとなる道産子力士の優勝も期待され、場所は大いに盛り上がりました。
 大きな期待がかかる一山本関。10日目・11日目と痛い連敗を喫しますが、12日目に錦木関に勝って9勝3敗。トップに星1つの差を維持して、優勝争いに踏みとどまります。13日目、一山本関は4敗目を喫し優勝争いから脱落しましたが、14日目・千秋楽に勝って11勝。30歳にして初の敢闘賞を受賞しました。

【大相撲 美ノ海義久関】
 昨年11月、大相撲九州場所の番付発表で西前頭15枚目となり、新入幕を果たした、沖縄県うるま市出身の美ノ海関 。沖縄出身の幕内力士は非常に珍しく、美ノ海関が戦後5人目。実に沖縄県勢17年ぶりの新入幕でした。2016年に木瀬部屋に入門した美ノ海関は、3月の春場所で初土俵を踏み、18年7月の名古屋場所で十両に昇進します。ところが十両で長く足踏みが続き、その間に幕下陥落を3度も経験。21年1月の初場所では、勝てば幕内入りが濃厚だった一番で、相手の張り手で脳しんとうを起こして翌日から休場。苦労を重ねた美ノ海関ですが、昨年9月の秋場所、10勝を挙げ入門から7年半でついに新入幕を果たします。
 迎えた九州場所、美ノ海関は4日目の相撲で左の眉付近を切ってしまうも、傷口を縫って5日目も土俵に上がり、宝富士関に勝って3連勝。9日目には、日本大学1年生の時に相撲部の主将を務めていた先輩・遠藤関を撃破して、この時点で7勝2敗。新入幕の場所で優勝争いに加わりました。そこから上位力士と当たり3連敗を喫しますが、13日目は佐田の海関に追い込まれながら、土俵際ですくい投げを決めて8勝目。沖縄出身の力士が幕内で勝ち越したのは24年ぶりのことです。最終的に9勝を挙げて無事に場所を終えた美ノ海関。今年はさらに上位を目指します。

  
来週のスポーツ伝説は……
 1/15(月) サッカー 小野伸二選手
 1/16(火) サッカー 柏木陽介選手
 1/17(水) サッカー 高原直泰選手
 1/18(木) サッカー 本山雅志選手
 1/19(金) サッカー 太田宏介選手
                 お楽しみに!!

    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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