古美術永澤 presents ミッツ・ザ・コレクション

2023.10.23

2023年10月22日放送『70年代の鍵ソング』

音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、

毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を

ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。

第91回目のテーマは『70年代の鍵ソング』。

歌の世界でも、ふたりの関係性を匂わせる「鍵」や「合鍵」という言葉。

今回は、そんな70年代に生まれた「鍵」にまつわる楽曲をご紹介していきました。

 

まず1曲目は、しばたはつみさんで「合鍵」。

しばたさんは、ジャズ・スタンダードからポピュラー、R&Bなど

何でも歌いこなせることで知られるシンガーでした。

子供の頃から米軍キャンプで歌い、本格的なデビューは1968年。

16歳の時で、当時の名前は「はつみ かんな」。

その後、「麻(あさ) まにか」に変え、

さらに1974年に大人のシンガー路線に変更。

「しばた はつみ」として、この曲「合鍵」で再デビューされました。

【自分を女にした相手と別れたものの、合鍵が棄てられない】と嘆く歌です。

 

2曲目は、五輪真弓さんで「合鍵」。

1979年にリリースされたシングルです。

70年代の同棲生活・通い同棲の舞台といえばアパート。

小さなキッチンに畳の部屋。

いっときは、ふたりにとって愛の園だった場所での暮らしに、

終止符を打とうとする曲です。

 

続いては、昔手放したはずの鍵が、

ふいに出てきた・・そんな歌を2曲続けてお聴きいただきます。

どちらもアルバム収録曲で、1曲目は、1976年リリース、

因幡さんで「アパートの鍵」。

因幡さんといえば、女性口調で歌詞を書かれることがありますが、

この曲もそのうちの一曲です。

ちなみに鍵が出てくるのは古いバッグからです。

 

続いての曲では、鍵は古いコートから出て来きます。

1973年にリリースされた西田佐知子さんの「錆びた鍵」です。

 作詞は、ちあきなおみさんの「喝采」を手がけた吉田旺さん。  

月日の流れを「鍵の錆び」で表す吉田さんの感性に、心を掴まれる人が多いようです。

 

お別れの曲は、大橋純子さんで「鍵はかえして!」でした。

こちらは同棲生活における別れの儀式、「鍵の返却」にちなんだ曲です。

「鍵を返すこと」「返してもらうこと」を怠ると、

のちに面倒なことも起きかねないものですが、

この曲では、返してほしい心のうちを、ネガティブワードを連発し、

思い切り歌い上げていて、気持ちがいいほどです。

同棲解消の歌の中で、こういったタイプの曲は珍しいのではないでしょうか。

番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、

mco@1242.com までお寄せください。

お葉書は、

〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。

次回の放送は、2023年10月29日(日)17:30〜です。

どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!

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パーソナリティ
  • ミッツ・マングローブ
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    ミッツ・マングローブ

    ドラァグ・クィーン・歌手・タレント。総じて「女装家」。
    1975年 4月10日 神奈川県横浜市生まれ
    10代中盤ををロンドンで過ごす。 慶應義塾大学法学部を卒業後、 英国ウエス卜ミンスター大学に入学。商業音楽全般を学ぶ。帰国後2000年ドラァグ・クイーンとして東京でデビュー。以降、各地のクラブを中心に様々な活動やイベントの主催をする傍ら、05年に星屑スキャットを結成。07年スナック「来夢来人」にて丸の内初の女装ママに。
    09年頃からテレビでも活躍。
    2011年「若いってすばらしい」で歌手デビュー。2012年3人組コーラスグループ“星屑スキャット”のメンバーとして「マグネット・ジョーに気をつけろ」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2018年星屑スキャット1stアルバム「化粧室」をリリース。野外フェスティバルへの出演含め精力的に活動中。
    2019年星屑スキャット初の全国ツアー「あ々喉仏」開催。
    2021年4月中野サンプラザを含む星屑スキャット全国ツアー「色、色々」開催。