道の駅プレゼンツ 大石久和のラジオ国土学入門

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2021.01.18

第57回のテーマは「新型コロナウィルス緊急事態宣言」

番組アシスタントの新保友映です!

国会が始まりましたが、きょうは、いま一番ホットな話題、新型コロナ対策について、国がいま何をなすべきか、大石さんがお話します。

新保 緊急事態宣言が出されても、感染者数がなかなか減りませんね。

「感染者が増えているニュースを耳にすると、国民が用もないのに街の中をうろうろと出歩いているから増えているんだ、と聞こえて仕方がありません。本当にそうなのでしょうか? 今回のコロナの感染状況を世界と比較すると、1月13日現在、100万人あたりの死者数は、日本が30人、イタリアが1310人、イギリスが1209人、アメリカが1136人。だから桁が全然違います。感染者の総数でも日本はアメリカの1/100。ドイツの1/10。病床数では日本は世界で一番多く、イギリスやアメリカの4〜5倍あります」(大石)

新保 今国会では、新型コロナ特措法が改正されるようですね。

「陽性者の感染経路がほとんど不明だと言われています。にもかかわらず、なぜ飲食店が原因と言われるのか。新型コロナ特措法改正案に罰則を入れるというのに、保証金を出すというのではなく、なぜ協力金なのか。持続化給付金はなんでいま打ち切らなければならないのか。それから協力金の支払いは早くて3月から。この時間感覚がズレすぎているのではないか」(大石)

新保 いま必要なのは?

「感染経路不明者が大多数で、さらに無症状の陽性者が街を歩いているわけです。無症状の陽性者を自覚させるためにも、政府は国民に対してPCR検査を行い、陽性者を抽出し、隔離すべきです。中国はやっているわけで、かなりの数の押さえ込みに成功しています。なんでそれをせずに、とにかく飲食店に行くな、ということだけが日本の政策なのか、それが不思議で不思議で仕方がありません」(大石)

新保 感染者が急増して、コロナ患者の受け入れ病院も逼迫していますね。

「日本には公立病院が少なく、民間病院が多いのですが、その民間病院に、厚労省などの公的機関が、『コロナ患者を受け入れなさい』という命令は出来ない仕組みになっています。コロナ患者を受け入れたがために一般患者を受け入れることができなくなって、病院の経営が赤字になった、というような報道もありました。経済的なインセンティブを与えてコロナ患者の受け入れを誘導すべきではないか。それがなければ、民間病院がコロナ患者を引き受けることはないと思います」(大石)

新保 コロナ対策に、国は迅速な対応は出来ないのでしょうか?

「アメリカの大経済学者でコロンビア大学のスティグリッツ教授は、『疫病、災害、気候変動などの危機から国民を守り、社会全体に奉仕するのは、本来、政府です』と言っています。この気概が日本政府に感じられない。国民を救うのは政府で、国民を守る最終で最大の保険機関は、国以外にありえないんです。国が国民を救うんだという気持ちが国民に伝わっているのか、それが心配でなりません」(大石)

今回は、いつも以上に大石さんが熱く語っています。そのメッセージを、上記の「聴き逃しサービス」をクリックして、ぜひ、お聞きください!

*大石久和のひとくちコラム*

年末の紅白歌合戦の出演者名簿を見て愕然とした。出演者の名前に、アルファベットがなんと多いことか。これはどういうことなのだろうか。鈴木孝夫慶應大学名誉教授は著書『日本語と外国語』(岩波新書)の中で、「日本以外の国で、このように自国民だけしか読まない出版物の名前を、しかも国民のすべてが理解するとは限らない外国語で表紙を飾るという不可思議なことが流行しているだろうか。もし、あるとすれば、それはどこかの国の植民地である」というようなことを書かれている。植民地の場合は支配国から使う言語を強要されているのだが、日本の場合は強要されているのではなく、自発的に自らの意思で外国語表記をしていることがさらに大問題だと考える。つまり、この日本語放棄は日本人による日本忌避とアメリカへの迎合を示しているのだ。この現象は雑誌名にとどまらない。ローマ字を用いた商号の登記が認められた後、アルファベットの日本企業名が随分増えてきた。母語を大切にしない民族が栄えるはずもないが、財政再建至上主義にこだわってきたことから、たった20年間で先進国の地位を失い、人びとが貧困化し続ける国家では、国民は自国の文化を顧みる余裕をなくすほどに自信を失っていったということなのではないか。

*駅長さん登場!*

新潟県十日町市の道の駅  瀬替えの郷せんだ 長谷川東 駅長

日本有数の豪雪地帯・新潟県十日町市。中でも雪深い仙田(せんだ)地区の国道252号沿いにあるこちらの道の駅は、ドライバーの休憩施設、遠方から訪れる観光客のゲートウェイの役割とともに、地域の生活拠点という大きな役割を担っています。また、魚沼産コシヒカリの産地で、ここだけでしか手に入らない「せんだ米」が人気を集めています。

Q.豪雪地帯の十日町市ですが、今年はいかがですか?

「12月の下旬からやまずに降っていて、きょうの積雪が2m47cmです。高齢者が多いので、一番の問題は、屋根の〝雪掘り〟なんです。このあたりは、屋根よりも雪の方が高くなるので、〝屋根を掘り出す〟ということから、〝雪掘り〟と言います。当駅では、雪掘りも請け負っていて、今年は23軒の依頼がありました」

Q.「せんだ米」という美味しいお米が穫れるそうですね!

「このあたりは、平野の田んぼがなくて、変形した田んぼが多く、100%機械が使えず、人力でお米を作っています。ですから、農家の意地と執念が、お米の美味しさになっていると思います。せんだ米は、この道の駅でしか販売しておらず、食べた方からは大変好評をいただいています」

Q.苦労の多い雪ですが、その雪を上手に利用しているとか?

「うちの道の駅は、有り余る雪を利用した〝雪室(ゆきむろ)〟を持っています。春先に、大量の雪を雪室に入れて夏場の冷房に利用しているので、うちの道の駅にはエアコンがありません。また、せんだ米の保管に雪室の冷気を利用しています」

Q.「重点道の駅」にも選ばれていますね!

「敷地内に『せんだ元気ハウス』がありまして、大雪の中、一人暮らしのお年寄りは、不安なことも多いので、ここに泊まっていただいています。道の駅で買い物もできますし、バスも通っていて、病院にも行けますので、非常に喜ばれています。これからは高齢者の相談や介護など、福祉の面でも充実した施設になっていきたいと思っています」

道の駅 瀬替えの郷せんだ
所在地:新潟県十日町市中仙田甲826番地
電話:025-761-2008
営業時間・休業日等の詳しい情報はホームページでご確認ください。
道の駅 瀬替えの郷せんだ ホームページ

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パーソナリティ
  • 大石久和(おおいし ひさかず )
    大石久和(おおいし ひさかず )
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    大石久和(おおいし ひさかず )

    1945年岡山県生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、70年に建設省(現国土交通省)に入省。道路局長などを歴任、道の駅の制度化などに尽力し、2004 年退官。その後、全日本建設技術協会会長、土木学会会長、日本道路協会会長等を歴任。また早稲田大学大学院(客員教授)、東京大学大学院(特任教授)、京都大学大学院(特命教授)としても教鞭を振う。専攻は国土学。 国土に働きかけるインフラ整備とその恩恵の体系、社会資本整備の哲学である「国土学」を提唱。著書に「『危機感のない日本』の危機」(海竜社)、「国土と日本人 災害大国の生き方」(中公新書)、「国土が日本人の謎を解く」(産経新聞出版)、「国土学 国民国家の現象学」(北樹出版)、「国土学事始め」(毎日新聞社刊)などがある。趣味は家庭菜園。

アシスタント
  • 新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)

    新保 友映(しんぼ ともえ)

    1980年山口県生まれ。青山学院大学法学部卒業後、2003年ニッポン放送にアナウンサーとして入社。プロ野球情報番組などを務め、野球の取材や知識が深い。女性アナウンサーでは35年ぶりとなる「オールナイトニッポン」のパーソナリティをはじめ、音楽番組「三宅裕司サンデーハッピーパラダイス」、バラエティ番組「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」など数々のレギュラー番組に出演し、萩本欽一さんや志村けんさんの番組アシスタントも務める。また報道番組「高嶋ひでたけのあさラジ!」では、ニュースや芸能情報も担当。2018年ニッポン放送退社。現在は、スポーツイベント、トークショーの司会、各種表彰式・授賞式、記者会見、試写会等の司会も務める他、ベースボール専門サイトFull-countでプロ野球のコラムも執筆している。