道の駅プレゼンツ 大石久和のラジオ国土学入門

2020.11.23

第50回のテーマは「韓国の後ろ姿」

番組アシスタントの新保友映です!

今回は、韓国がテーマです。私も韓流が大好きで、韓国にも何度か、旅行をしたことがあります。韓国料理も美味しいですよね。さあ、大石さんが、どんな「韓国」をお話されるのか、興味津々です。

新保 「韓国の後ろ姿」、どんなお話でしょうか?

「韓国が日本の先を行っているという話です。スイスのビジネススクール IMD の『競争力ランキング』で、日本はずっと一位の時代がありましたが、その後、ランクダウンを続け、2019 年には 30 位に落ちて、28 位の韓国に抜き去られてしまいました。今年 6 月発表のIMDランキング2020で、日本は 34 位と4 位もランクダウン。対して韓国は 23 位と大幅に躍進しています」(大石)

新保 韓国が日本を追い越したのは、このランキングだけですか?

「OECD(経済協力開発機構)が発表した世界各国の2019 年の平均賃金で、日本は 38600ドルで OECD 加盟国中 24 位。対して韓国42300ドルで19 位。平均賃金で韓国は日本よりも豊かになっています。賃金が伸びていないのは先進国の中で日本だけです。 G7 という先進国クラブの中で日本の平均賃金は最下位。先進国からもずり落ち始めているんです」(大石)

新保 インフラでは日本の方が進んでいるように思えますが?

「インフラ整備費も日本は減らしてきています。1995年と比べるとアメリカは1.9倍。韓国は2.5倍に伸ばしていて、これが韓国の内需を拡大させるのに非常に大きな効果があり、経済が好調な原因の一つになっています。また、韓国の高速道路は、総延長の12 %が片側 4 車線。日本には片側 4車線区間は 1mも存在しません。日本の高速道路には「暫定二車線」の道路が30 %以上ありますが、韓国に二車線の高速道路はありません。高速道路の一部が滑走路として使えないという国は世界の中で日本だけです」(大石)

新保 韓国は芸能面でも世界的に評価されていますが、芸能と経済の関係は?

「いい暮らしができるという思いをみんなが共通して抱き始めたところに、芸術や文学が生まれてくるんです。今の韓国において、BTSという若者グループの活躍や、「パラサイト-半地下の家族」という映画をはじめ、世界的に評価される芸術が生まれてきているというのも、そういうムードが国の中にあるからだと思います」(大石)

このあとも、大石さんから、江戸初期の「元禄文化」と当時のインフラ整備(河川改修や耕地開発)による生活水準の向上と経済成長についてのお話が続きます。詳しくは、上記の「聴き逃しサービス」をクリックして、ぜひ、番組をお聞きください!

*大石久和のひとくちコラム*

戦後、「日本は東洋のスイスになれ」と言われた時代があった。その時、日本が見ていたスイスは、アルプスの少女ハイジ(アルプスに囲まれたのどかな酪農風景)のイメージだけで、本当の姿を見ていなかった。スイスには徴兵制度があって、永世中立を守るために国民は、いざ敵が攻めてきたときに反撃する体制を整えおり、冷戦状態が終わった今でも、人口あたりで言うと、スイスの軍隊は日本の自衛隊の10倍の規模を持っている。備蓄も徹底していて、企業は小麦・米・食用油・コーヒー・抗生物質などを備蓄するように義務付けられている。また、スイスの核シェルターの装備率は100%で、公共施設は必ず核シェルターを用意しておかなければならない(核シェルターの装備率は、イスラエル100 %、アメリカ82 %、シンガポール50 %以上であるのに対して、日本はわずかに0.02 %)。さらに、山に囲まれたスイスに敵が攻めてきた場合を想定して、多くの橋やトンネルは、侵入してきた敵の軍隊に使用されないように、必要な時にはいつでも壊すことができる仕組みになっている。2013年に徴兵制度廃止の国民投票が行われたが、国民の73%が廃止に反対した。これが永世中立国・スイスの本当の姿なのだ。

*駅長さん登場!*

岐阜県中津川市の道の駅「加子母(かしも)」岡崎美紗駅長

中央道「中津川インターチェンジ」から、車でおよそ50分。国道257号(裏木曽街道)を下呂温泉へ向かう途中にあります。おいしい水で育った新鮮野菜や、加工品が充実! さらに郷土料理が「美味しい!」と評判の道の駅です。

Q.29歳のお若い駅長さんですが、忙しい時間帯はレジにも入られるとか?

「お客様と会話をすることで、加子母の魅力をもっと発信できると思いまして、ご要望、ご意見もいただけるので、なるべくレジに入ってお答えしたいと思っています」

Q.新鮮な野菜がウリということですが、中でも自慢の野菜は?

「ブランド野菜の『加子母トマト』で、11月まで旬のトマトです。加子母は標高700mにあり、トマト栽培に適した地域です。朝晩の寒暖差があって、実のギュッと詰まった美味しいトマトができます。それから伝統野菜の1つ、『西方いも』は粘りが強く、キメが細かく煮崩れしない、日持ちがいいなどの特徴のサトイモです」

Q.女性の若い駅長さんとして、駅長になってよかったなと思うことは?

「私は一度地元から離れているんですが、加子母に戻ってきて、人の温かさがとても実感できました。地元の方とお話をする機会が多く、人は温かいなという実感しながら、ここで働けてとても楽しいなとやりがいを感じています」

Q.梅雨の時期、近くの下呂市で飛騨川が氾濫、国道が崩落するなどの被害が出ましたね。

「道の駅の裏手の川が今までに見たこともない増水でした。一時、下呂方面からの道路が通行止めになり、商品が一時入荷できない事態にもなりました。加子母の一部では土砂崩れも起きて、避難勧告も出て、公民館など安全な場所へ避難された方もいらっしゃいました。それほど大きな被害はなかったことが幸いでした」

Q.これからはどんな道の駅にしていきたいですか?

「この仕事を通じて、この仕事が好きになりましたので、新たな魅力を作り出したいという思いと、もっと加子母の魅力を伝えて地域の良さを広めたいと思っています」

道の駅「加子母」
所在地:岐阜県中津川市加子母3900‐29
電話:0573-79-3319
営業時間・休業日等の詳しい情報はホームページでご確認ください。
道の駅加子母ホームページ

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パーソナリティ
  • 大石久和(おおいし ひさかず )
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    1945年岡山県生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、70年に建設省(現国土交通省)に入省。道路局長などを歴任、道の駅の制度化などに尽力し、2004 年退官。その後、全日本建設技術協会会長、土木学会会長、日本道路協会会長等を歴任。また早稲田大学大学院(客員教授)、東京大学大学院(特任教授)、京都大学大学院(特命教授)としても教鞭を振う。専攻は国土学。 国土に働きかけるインフラ整備とその恩恵の体系、社会資本整備の哲学である「国土学」を提唱。著書に「『危機感のない日本』の危機」(海竜社)、「国土と日本人 災害大国の生き方」(中公新書)、「国土が日本人の謎を解く」(産経新聞出版)、「国土学 国民国家の現象学」(北樹出版)、「国土学事始め」(毎日新聞社刊)などがある。趣味は家庭菜園。

アシスタント
  • 新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)

    新保 友映(しんぼ ともえ)

    1980年山口県生まれ。青山学院大学法学部卒業後、2003年ニッポン放送にアナウンサーとして入社。プロ野球情報番組などを務め、野球の取材や知識が深い。女性アナウンサーでは35年ぶりとなる「オールナイトニッポン」のパーソナリティをはじめ、音楽番組「三宅裕司サンデーハッピーパラダイス」、バラエティ番組「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」など数々のレギュラー番組に出演し、萩本欽一さんや志村けんさんの番組アシスタントも務める。また報道番組「高嶋ひでたけのあさラジ!」では、ニュースや芸能情報も担当。2018年ニッポン放送退社。現在は、スポーツイベント、トークショーの司会、各種表彰式・授賞式、記者会見、試写会等の司会も務める他、ベースボール専門サイトFull-countでプロ野球のコラムも執筆している。