番組アシスタントの新保友映です!
この秋で、この番組、1周年を迎えました。放送時間も18時20分から50分まで、30分番組になりましたので、リスナーの皆さん、これからも、どうぞよろしくお願い致します。
新保 さて、先週、「世界の一神教」についてのお話でしたが、今週は「日本の仏教」のお話だとか?
「きょう、お話するのは『南無阿弥陀仏の世界』です。なぜ日本人は『南無阿弥陀仏』と唱えれば、救済されて、極楽浄土に行ける、という考え方を受け入れるようになったのか。あらかじめ言っておきますが、リスナーの皆さんに仏教をおすすめしたいのではありません。仏教とはこういう考えなんですよ、というお話なので誤解のないようにお願いします。」(大石)
新保 そもそも仏教は中国から伝わってきたんですよね。
「中国の隋の時代、善導という僧侶が、浄土思想を確立しますが、中国仏教の主流とはなりませんでした。これに注目したのが比叡山で修行していた法然です。南無阿弥陀仏と唱えると阿弥陀仏の世界(極楽浄土)へ導いてくれる。これは他力です。自分の力で極楽に行くことは出来るわけがない、他力しかないという宗教が浄土宗の基本です」(大石)
新保 修行をしなくても極楽浄土に行ける、それは魅力的ですね!
「その弟子として親鸞が現れました。南無阿弥陀仏と唱えると極楽浄土へ行けると説いたのが法然ですが、親鸞は、そんなことを言う必要もない、という究極の他力を説いたのです。親鸞にとって、南無阿弥陀仏と唱えることは「救済の条件」ではなく、阿弥陀仏の本願を受け入れたことで救済されたということへの「報恩の行」であったのです。親鸞の教えは、1400年代に、蓮如というお坊さんが、強力な布教を行い、大教団になりました。今日の浄土真宗になって、民衆の心をつかみました」(大石)
新保 戦国時代には一大勢力になった?
「戦国時代は一国を支配するほど強力な教団になり、大阪城がある場所に石山本願寺を構えて、織田信長を苦しめた武力集団になっていきました。家康は、このまま一つの教団にしておいては危ないと、二つに分け、今日、京都にある東本願寺と西本願寺に分かれて、両方とも浄土真宗の本山になっています。東京では、西本願寺の系統が築地の本願寺で、東本願寺の系統が、浅草の本願寺です」(大石)
新保 南無阿弥陀仏の世界を、国土学から見ると?
「この宗教が日本人の心をつかんだのは、自然災害で亡くなる人が多かったからです。地震や津波などで身内が亡くなった場合、その怒りや悲しみをどこにぶつければいいのか、それを南無阿弥陀仏に求めていったと思うんです」(大石)
新保 今の日本人は、お正月の初詣はお寺や神社に、結婚式は教会、ハロウィンやクリスマスなどのイベントなど、いろんな宗教を受け入れる国民ですね。
「なんでも受け入れるというのは日本人の寛容性によります。無節操ではありません。なんでも受け入れるというのが日本人の特徴です。これは日本人の良さだと思います。」(大石)
このあとも、大石さんが、「南無阿弥陀仏の世界」について詳しく語っています。詳しくは、上記の「聴き逃しサービス」をクリックして、ぜひ、番組をお聞きください!
*大石久和のすっきり納得!経済教室*
きょうは「消費税議論の欺瞞」を話したい。コロナショックで世界中の国が消費税を減税しているのに、日本では政治の主流からは無視されている。その理由として「消費税は全額が福祉に回っているから、これを減税すると福祉のレベルが下がる、したがって減税ができない」という論調があるがこれは本当なのか。
<論点1>消費税だけでは社会保障をまかなえない。昨年度の数字でいえば、国税ベースで社会保障には34兆円強が計上されているが、消費税は国税として19兆4千億円の歳入となっている。そこで歳入の大きい法人税12兆8千億円や所得税19兆9千億円などからの歳入を合わせて、社会保障財源としている。また、これらの歳入は一つの財布に入ってくるもので、財源の色の付いた金ではないから、「消費税は全額が福祉に使われている」という表現は意味をなさないし、誤った説明である。
<論点2>社会保障費を担っているこの三税の内、所得税や法人税は近年大きく減税してきた。導入後2019年度までの間で、国民が納めた消費税は、国分と地方分を合わせて397兆円。一方、法人税は298兆円(消費税収入分の75%)の減税を行って来た。その結果、法人税実効税率は51.5%から29.7%に下がっている。所得税、住民税も大きな減税が実施されてきた。同じ31年間に、所得税の最高税率は60%から45%となり、住民税の最高税率も6%下げられて最高税率は10%となり、いずれも高額所得者ほどより多く減税されてきた。
<論点3>総税収に占める消費税の割合は、付加価値税25%のスウェーデンより日本の方が高い(日本は31%、スウェーデンは18%)。
福祉財源三税のなかで、法人税や所得税を大きく減税してきて「消費税だけは減税できない」という理屈が通るはずがない。まして、減税された企業は、設備投資もしないで内部留保を積み上げているし、働く人への利益の配分である労働分配率は主要国のなかで最低という有様。
日本では、税金に関して真実の情報が主権者に届いていない。これはメディアの怠慢だと言っていい。主権者にこのことをマスコミはしっかりと報道すべきだ。
*駅長さん登場!*
熊本県芦北町の道の駅「たのうら」山田良介 駅長
南九州西回り自動車道の田浦インターに隣接し、国道3号沿いにあって、御立岬(おたちみさき)公園が近くにある絶好の休憩ポイントです。 地産地消レストラン「たばくまん」では、地元産の旬の野菜や、新鮮な魚介類を使ったオリジナル料理が楽しめます。
Q.芦北町は、どんな町ですか?
「この町は、海と山と川に囲まれ、海岸からは天草の島々が見え、温暖な気候で、甘夏みかん、デコポンなどの柑橘類の産地として知られています」
Q.地元の海で獲れた美味しい魚が食べられるそうですね!
「田浦は太刀魚が有名で、地元の漁師さんが一本釣りで獲った魚が、『田浦銀太刀』というブランド魚になっています。お刺身のほか、道の駅のレストランでは看板メニューとなっていて、フライにした『太刀魚丼』が大ブレイクしています」
Q.御立岬はどんなところですか?
「御立岬は熊本県最大級の海水浴場で、その高台に温泉施設があり、露天風呂から天草の島々に沈む夕日が見られて、最高の贅沢を味わえます」
Q.7月の豪雨で、町は大変な被害に遭われたそうですね。
「朝5時過ぎ、すごい雨で目が覚め、裏の小さな川が氾濫し、我が家が流されると思いました。逃げようにも車が水没していて、そのうち目の前の山が崩れて、隣家をそのまま飲み込んで、ご夫婦二人が亡くなられました」
Q.道の駅の対応は?
「事務所の電話がひっきりなしに鳴って、『お米はありますか』と言った地域住民のSOSでした。3日目から営業を開始して、物産館にあるだけの品物は提供できました。広い駐車場は、消防や警察の車両が次々とやって来て、被災者救援の臨時の対策本部となりました」
道の駅「たのうら」
所在地:熊本県芦北郡芦北町大字田浦657番地
電話:0966-87-2230
営業時間・休業日等の詳しい情報はホームページでご確認ください。
道の駅たのうらホームページ
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