番組アシスタントの新保友映です!
8月10日は「山の日」のほかに「道の日」ということで、今回の放送では、道路がご専門の大石さんが、道路整備のための「ガソリン税」がその通りに使われていないことを、問題視しています。
新保 まずは8月10日がどのようにして「道の日」になったのか、教えてください。
「大正9年8月10日に日本で最初の道路整備の長期計画である『第1次道路改良計画』が実施されたこと、また、8月1日~31日の期間が、道路の意義・重要性について国民の皆さまに関心をもっていただくことを目的とした「道路ふれあい月間」であることなどから、昭和61年に8月10日が「道の日」と定められました」(大石)
新保 大正9年に道路整備の長期計画ができたんですね!
「戦前は道路整備がほとんど進んでおらず、わが国の本格的な道路整備は、戦後(昭和30年頃から)、激増する交通需要に対応し、道路整備を早急に促進するため、以下の三つの施策を柱として進められてきました。
一つ目は、道路利用者の負担によって道路整備を進めるための「ガソリン税(揮発油税)制度」。二つ目は、通行料金をもらって一般有料道路や高速道路を早期整備するための「有料道路制度」。ここでは、料金を徴収して償還を行うための責任ある組織(日本道路公団や首都高速道路公団など)も設置されました」
新保 道路利用者からすれば、遅れた道路整備を促進するための税金なら納得できますね。
「三つ目の施策ですが、この税(ガソリン税等の自動車関係諸税)をどのように使うかを説明するために『道路整備五箇年計画』がつくられました。しかし、そのうち財政が厳しくなって『道路ばかり造っている時代か!』と道路整備に対する批判が始まって、公共事業に対する国民の感覚が歪んでいったんです」(大石)
新保 そう思う人は多かったと思います。
「こうした流れの中で、ガソリン税等の自動車関係諸税(道路特定財源制度)は、2009年に廃止されました。「道路にしか使えない、福祉に使えないのはおかしいではないか?」という議論もあって、道路特定財源は一般財源化されてしまったのです」
新保 ということは、どういうことなのでしょうか?
「今、ガソリン税(国税)は48円/リットルくらいで、その半分の24円/リットルは暫定税率(上乗せされた高い税率のまま)となっています。かつて、道路整備を急ぐために道路利用者に特別に負担してもらっていた暫定税率は、今は、日本の財政が厳しいためだとか、自動車利用は環境に負荷をかけるので・・・という説明(理由)に変えられてしまっています」(大石)
新保 本来の目的と違ったガソリン税の使われ方がされているんですね。
「地方に住んでいる人には車が欠かせません。東京に住む人よりはるかにガソリンを使っています。つまりガソリン税も多く払っています。例えば、東京都中野区の1世帯あたりの自動車保有台数は0.3台で、年間走行距離も2000km程度、結果、ガソリン税は1万2000円程度であるのに対し、千葉県山武市では、1世帯あたりの自動車保有台数は約2台で、年間走行距離も3万3000km程度、結果、ガソリン税は19万4000円も負担しています。つまり、山武市の人は中野区の人の10倍以上、「財政再建」のための責任を負わされているということなのです。これは実に間違った判断であったと言わざるを得ません。」(大石)
今回は、「道の日」ということもあって、大石さんが、いつになく厳しい口調で、ガソリン税が正しく使われていないことを問題にしています。詳しくは、上記の「聴き逃しサービス」をクリックして、ぜひ、番組をお聞きください!
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