道の駅プレゼンツ 大石久和のラジオ国土学入門

2020.07.27

第37回のテーマは「京都・祇園祭と御霊信仰」

番組アシスタントの新保友映です!

新型コロナの影響で、日本各地のお祭りが中止になっていますが、きょうは、そのあたりから大石さんのお話しが始まります。

新保 長い歴史のある祇園祭が、中止になってしまいましたね。

「祇園祭は中止になっていますが、御霊会(ごりょうえ)という神事は行われています。疫病退散を祈る御霊信仰(ごりょうしんこう)は日本人の行動や判断に大きな影響を与えています。たとえば、全国に菅原道真を祀った天満宮があります。菅原道真は政治の中枢にいましたが、権力争いに敗れて、九州の太宰府に飛ばされてしまいます。道真が亡くなった後に、天皇の清涼殿に雷が落ちたり、藤原氏のメンバーがバタバタと病気で亡くなったり、これは道真の祟りではないかと思うようになり、道真の魂を鎮めるために祀られたのが天満宮の始まりです」(大石)

新保 学問の神様とばかり思っていましたが、始まりは違うんですね!

「われわれ日本人は、自然災害死が多く、恨みを残して死ぬことはほとんどありません。あきらめるしかないのです。だからこそ、逆に、恨みを残して死んでいった人を極端に恐れる。神様としてお祀りしない訳にはいかない。日本人はそういう民になったのだと思います」(大石)

新保 いまも、そういうことはあるのでしょうか?

「福岡に『海の中道海浜公園』がありまして、そこに向かう橋で、以前、追突された車が海に落ち、子供が亡くなる痛ましい事故がありました。この時、橋の車道と歩道の間にガードレールを設置すべきだと議論が起こりました。全国の橋で、車道と歩道の間には、ほとんどガードレールはありません。ガードレールを付けるべきだとメディアが当局を追求し、その後、ガードレールが設置されました。これは鎮魂なんです。亡くなった子どものために我々は何をすべきか、それがガードレールの設置だったわけです」(大石)

新保 ここに日本人の民族性が現れているのでしょうか?

「われわれは強い鎮魂…、魂を慰めるということに縛られてしまうという民族です。これは、いいとか悪いとかと言っているのではなく、私たちはそういう考え方をする民族だということなのです。それは独特な発想・思想だと言っていいと思います」(大石)

このあとも大石さんが、合理的な考えをする欧米人と、情緒的なものの考えをする日本人の比較を、興味深く話しています。詳しくは、上記の「聴き逃しサービス」をクリックして、ぜひ、番組をお聞きください!

*「駅長さん登場!」*

岡山県玉野市の道の駅「みやま公園」金川洋一駅長

緑豊かな山々と瀬戸内海の自然に恵まれた岡山県玉野市のほぼ中央部に位置し、国道30号線に面した小高い場所にあります。広い公園内には四季折々の花や木が見られ、カップルでもご家族でも楽しめる見所いっぱいの道の駅です。

Q.そちらの道の駅は、敷地がとても広いそうですね!

「敷地面積が200ヘクタール、東京ドームで40個分あります。施設の中には、農産物直売所やレストラン、鮮魚コーナー、それ以外にドッグラン、ミニパターゴルフといった遊戯施設もあります」

Q.瀬戸内海がすぐ近くですが、どんな美味しいものが食べられますか?

「昔から穴子がとても有名で、焼き穴子を販売しています。またサツマイモの産地で、番田(ばんだ)地区の紫いもを使った、『紫いもソフトクリーム』は大人気で一年中販売しています」

Q.全国的にコロナショックですが、手作りマスクを販売されているそうですね!

「4月の初め、出荷者の方が、手作りマスクがつくれるけど売れないかな、と相談がありました。皆さんは嫁入り修行で裁縫をやっていた世代なので、とっても質のいい手作りマスクをつくってくれました。お客様にも大好評で、4月5月は月間3,000枚ほど売れました。いまでも夏用の薄手のマスクの需要がありまして、いまだに売れ続けています」

Q.これから、どんな道の駅にしていこうとお考えですか?

「本年度中に、近くに消防署が引っ越してきますので、広い立地条件を生かして、防災の拠点のような道の駅に発展していけたらいいなと思っています」

道の駅「みやま公園」
所在地:岡山県玉野市田井2丁目4464番地
電話:0863-32-0115
道の駅みやま公園ホームページ
営業時間・休業日等の情報はホームページをご確認ください。

 

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パーソナリティ
  • 大石久和(おおいし ひさかず )
    大石久和(おおいし ひさかず )
    大石久和(おおいし ひさかず )

    大石久和(おおいし ひさかず )

    1945年岡山県生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、70年に建設省(現国土交通省)に入省。道路局長などを歴任、道の駅の制度化などに尽力し、2004 年退官。その後、全日本建設技術協会会長、土木学会会長、日本道路協会会長等を歴任。また早稲田大学大学院(客員教授)、東京大学大学院(特任教授)、京都大学大学院(特命教授)としても教鞭を振う。専攻は国土学。 国土に働きかけるインフラ整備とその恩恵の体系、社会資本整備の哲学である「国土学」を提唱。著書に「『危機感のない日本』の危機」(海竜社)、「国土と日本人 災害大国の生き方」(中公新書)、「国土が日本人の謎を解く」(産経新聞出版)、「国土学 国民国家の現象学」(北樹出版)、「国土学事始め」(毎日新聞社刊)などがある。趣味は家庭菜園。

アシスタント
  • 新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)

    新保 友映(しんぼ ともえ)

    1980年山口県生まれ。青山学院大学法学部卒業後、2003年ニッポン放送にアナウンサーとして入社。プロ野球情報番組などを務め、野球の取材や知識が深い。女性アナウンサーでは35年ぶりとなる「オールナイトニッポン」のパーソナリティをはじめ、音楽番組「三宅裕司サンデーハッピーパラダイス」、バラエティ番組「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」など数々のレギュラー番組に出演し、萩本欽一さんや志村けんさんの番組アシスタントも務める。また報道番組「高嶋ひでたけのあさラジ!」では、ニュースや芸能情報も担当。2018年ニッポン放送退社。現在は、スポーツイベント、トークショーの司会、各種表彰式・授賞式、記者会見、試写会等の司会も務める他、ベースボール専門サイトFull-countでプロ野球のコラムも執筆している。