道の駅プレゼンツ 大石久和のラジオ国土学入門

2020.07.13

第35回のテーマはズバリ「鉄道」

番組アシスタントの新保友映です!

きょうは、大石さんが、日本の鉄道についてお話しします。

新保 なぜ鉄道をテーマに?

「鉄道は、道路と並ぶ交通インフラの代表格です。日本の鉄道は非常に発達していて、特に東京や大阪では、通勤交通(コミューター交通)に占める鉄道のシェアは、世界的に見ても非常に高い。人は鉄道で運ばれている、と言ってもいいんです」(大石)

新保 東京に暮らすと、JR、私鉄、地下鉄など鉄道の充実ぶりを実感しますね。

「それが出来ているのは、はるか先輩たちの努力によるものです。作家の堺屋太一さんが「過去からの補助金」という言い方をしています。過去からの補助金を実感できるのは、東京の地下鉄の料金です。東京駅から200 円で行ける範囲は、東京メトロ全駅数の83%にものぼります。対比として名古屋の地下鉄では、消費税増税前の段階で、200円では名古屋駅から13%の駅にしか行けませんでした(消費税増税後の現在では、初乗り料金が210円になっています)。つまり東京では、非常に安い値段で、広域に地下鉄を利用することができるのです」(大石)

新保 知りませんでした。その違いは何ですか?

「東京は利用者が多いから安い運賃で利用ができます。さらに名古屋の地下鉄は昭和32年に最初の区間が開業していますが、これはインフレの波を受けて物価がかなり上がってから建設されたということを指します。一方、東京の銀座線(上野・浅草間)は昭和2年に開業しています。当時の建設費は今から思えばタダみたいなものです。現在では減価償却も終わっていますから、これこそ『過去からの補助金』と言えます。昭和初期の人たちが、私たちに贈り物をしてくれたわけです」(大石)

新保 そんな贈り物とは知らずに、乗っていましたね!

「日本全体の鉄道ネットワーク整備は、陸軍の輸送を支えるために始まりました。明治政府がインフラ整備に投じた予算は、舟運のための河川整備(低水工事)に14.4%、道路整備に8.6%、鉄道投資に77%。明治政府がいかに鉄道整備に力を入れていたかが分かります。また、鉄道整備のスピードをみると、明治5年に新橋・横浜間が開通し、その17年後、明治22年に東京・神戸間が、さらにその2年後に上野・青森間が開通しています。明治政府は国土の一体的利用とともに、北の人々と南の人々の交流(心の融和)を、優先すべき価値と認識していました」(大石)

新保 日本を1つにまとめようと、明治政府は考えていたんですね。

「今の国の考えは、利益追求です。新幹線は、昭和39年、東京オリンピックのとき、東京・大阪が結ばれましたが、上野から新青森まで結ばれたのは、それから40年後です。これで私たち現代のほうが進んでいると言えるのでしょうか。これでは地方は振興せず、人々が東京に集まり、一極集中の問題が起こっています。首都圏は交通渋滞を起こして、大きな損失が生まれています。我々の方が正しいとは、必ずしも言えないのです」(大石)

今回は、大石さんが、日本の鉄道について、熱く語っています。詳しくは、上記の「聴き逃しサービス」をクリックして、ぜひ、番組をお聞きください!

*「駅長さん登場!」*

岐阜県大野町の道の駅「パレットピアおおの」宇佐美晃三駅長(大野町長)

2018年7月に、道の駅「パレットピアおおの」がオープン。その翌年2019年12月、東海環状自動車道の大野神戸ICが、敷地のすぐ近くに完成しました。名古屋を中心とした、中京圏からの観光客が期待されるほか、地域の子育て支援の拠点としても注目される道の駅です。

Q.建物がまるで空港のようなガラス張りの素敵な建物ですね。

「建物の中は、レストラン、ベーカリー、物販、農産物の直売所といったように並んでいます」

Q.地域の子育て支援の拠点にもなっているそうですね。

「子育てはうす『ぱすてる』という建物を併設しています。子育て中のお母さんは、孤独感や不安感を、お持ちの方が多いようです。子供たちの健やかな育ちを促進するため、あるいは保護者の皆さんが、お互い交互の交流ができるような場所として、子育て相談や情報の提供、援助を行う、地域の子育て支援機能を充実するために開設しています」

Q.上空からの写真を見ると、まるい芝生の広場がありますが、これは?

「この広場を「Oリング(オーリング)」と呼んでいます。大野町の『O』をイメージしています。直径60メートルほどあって、子供たちが自由に遊べる芝生広場になっています。また、いざというとき防災拠点にもなり、この芝生広場が自衛隊の活動スペースにもなるように設計してあります。ヘリコプターの臨時の離発着場が駐車場の一部で使え、飲料水型の貯水槽、マンホール型のトイレ、防災備蓄倉庫、発電機など、『重点道の駅』としての備えをしています」

道の駅「パレットピアおおの」
所在地:岐阜県揖斐郡大野町下磯 313-2
電話:0585-34-1001
営業時間:9:00~18:00 年中無休
道の駅 パレットピアおおの ホームページ
お出かけの際は、ホームページなどで情報をご確認ください。

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パーソナリティ
  • 大石久和(おおいし ひさかず )
    大石久和(おおいし ひさかず )
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    大石久和(おおいし ひさかず )

    1945年岡山県生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、70年に建設省(現国土交通省)に入省。道路局長などを歴任、道の駅の制度化などに尽力し、2004 年退官。その後、全日本建設技術協会会長、土木学会会長、日本道路協会会長等を歴任。また早稲田大学大学院(客員教授)、東京大学大学院(特任教授)、京都大学大学院(特命教授)としても教鞭を振う。専攻は国土学。 国土に働きかけるインフラ整備とその恩恵の体系、社会資本整備の哲学である「国土学」を提唱。著書に「『危機感のない日本』の危機」(海竜社)、「国土と日本人 災害大国の生き方」(中公新書)、「国土が日本人の謎を解く」(産経新聞出版)、「国土学 国民国家の現象学」(北樹出版)、「国土学事始め」(毎日新聞社刊)などがある。趣味は家庭菜園。

アシスタント
  • 新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)

    新保 友映(しんぼ ともえ)

    1980年山口県生まれ。青山学院大学法学部卒業後、2003年ニッポン放送にアナウンサーとして入社。プロ野球情報番組などを務め、野球の取材や知識が深い。女性アナウンサーでは35年ぶりとなる「オールナイトニッポン」のパーソナリティをはじめ、音楽番組「三宅裕司サンデーハッピーパラダイス」、バラエティ番組「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」など数々のレギュラー番組に出演し、萩本欽一さんや志村けんさんの番組アシスタントも務める。また報道番組「高嶋ひでたけのあさラジ!」では、ニュースや芸能情報も担当。2018年ニッポン放送退社。現在は、スポーツイベント、トークショーの司会、各種表彰式・授賞式、記者会見、試写会等の司会も務める他、ベースボール専門サイトFull-countでプロ野球のコラムも執筆している。

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