番組アシスタントの新保友映です!
5月4日は「みどりの日」でした。青葉がきれいなこの季節に、外出自粛。いまは我慢の時ですね。新型コロナで鬱々とした気持ちになっていると思いますが、大石さんが、せめて心の中に緑豊かな山々が思い浮かぶように・・・と、「日本の緑」について話してくださいました。
新保 5月に入って日本は本当に緑豊かな国だと実感しますね!
「わが国の国土面積の70%を占める山岳地帯は、国土の砂漠化に悩む国とは異なり、大変有り難いことに緑に被われています。その山々のほとんどは日本人が作り上げてきた緑です。杉や檜の植林以外も、何らかのかたちで私たちが手をかけた山や緑です。全く手付かずの森林は白神山地(青森)や、春日山原始林(奈良)ぐらいです。日本の森の姿は、日本人の森に対する姿勢をあらわしていると思います」(大石)
新保 日本人が手をかけて緑豊かな国にしていったんですね。
「奈良時代、平安時代、江戸時代と、木材の需要が非常に多かったので、日本の森林はあまり豊かではありませんでした。例えば、江戸時代は大火が多く日本中から木材が集められました。また、明治時代も近代化のために木をたくさん使いました。戦後になって荒廃していた山々に緑を取り戻そうと植林が行われ、いま日本の森林は非常に豊かな時代を迎えているんです」(大石)
新保 緑豊かな日本は、最近のことなんですね。
「東京大学名誉教授の太田猛彦先生(森林学)の言葉を借りると『森林爆発をしている』というほど、現在の日本は緑豊かな森を手に入れています。杉や檜が1年間に成長する量は、日本人が用いる木材の量とほぼ同じだそうです。上手に伐採して使っていけば、輸入材を使う必要がないと言われています。ところが林道が整備されていないので、持ち出すのに赤字になってしまい、国産材はなかなか使われずにいます。これは実にもったいない話です。ぜひとも林道を整備して、私たちの先輩が植林してくれた木を上手に使っていくべきだと思います」(大石)
新保 森林は、環境のためにも必要ですね。
「〝緑のダム〟という言葉をご存じでしょうか。山に木を植えて緑豊かにすれば保水してくれて、大雨が降ってもそこで水が止まる、だからダムを造るのをやめて緑のダムを作っていこう、という話が広がったことがありました。しかし、残念ながら日本の緑は飽和している状況で、いまから木を植えてもそれほど保水力が上がるわけではありません。また、ダムの治水効果は一定規模以上の降雨があったときに発揮されるものであって、緑のダムにはこうした効果は期待できません。」
「いずれにしても、日本人がこのような豊かな森を持てていることは非常に幸せなことです。この森を荒廃させることなく、次の世代に継いでいかなければいけないと思います」(大石)
新保 大石さんが、緑あふれるこの時期に、日本の緑について、興味深い話をしています。詳しくは、上記の「聴き逃しサービス」をクリックして、ぜひ、番組をお聞きください!
*コラム「コロナショックで我が国がすべきことは」*
全国民への10万円給付に関して、財政が大変だから国会議員の歳費の2割を国庫に返上するといった話があるが、これは誤った認識だ。いまこの国から消費が消えていっているので、お金を使わなければいけない。ある県知事が県職員に渡る10万円を県に出せと言ったが、知事が言わなければいけないのは、「そのお金を県内で、できるだけ早く使ってくれ」いうことだ。国会議員も知事も、いかに財政に対する認識が不十分なのか、と言わざるをえない。財政再建至上主義は、1995年に比べて、保健所の数を半減させた。また、感染症の病床は1998年に9,000床以上あったものが、2018年には1,900床、80%減になってしまった。さらに、経済財政諮問会議(昨年10月)では、今後13万床の病床を削減すべきだということが議論されている。国民の生命や財産はどう考えているのかと言いたい。日本の財政が破綻するということはない。国債を銀行が引き受けると、信用創造を通じて預金が増加する。実際に、政府国債残高が1,000兆円近くまで増え続けているのに、わが国の長期国債金利は下がり続けている(世界で一番低い)。いまこそ救国民政策をやらなければいけない。そのためには政府が国債を発行し、国内にお金を流通させて、国民がもっともっとお金を使える環境を作らなければいけない。このコロナショックで間違った財政運用をしてしまうと、日本は本当に二流国に転落してしまう。
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