道の駅プレゼンツ 大石久和のラジオ国土学入門

2020.05.11

第27回のテーマは「1995年以降の日本」

番組アシスタントの新保友映です!

今回は、大石さんが「1995年をピークに日本はどんな国になったのか」というお話をします。

新保 今から25年前の1995年は、阪神淡路大震災、オウム真理教による地下鉄サリン事件、windows95発売、野茂英雄投手がメジャーリーグで新人王に! そんな1995年から日本はどうなったのでしょうか?

「阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件以外にも、いろんなことが起きた年です。生産年齢(15〜64歳)の人口が1995年にピークに達し、ここから急激に下がり始めました。つまり若い層が減りはじめた年でした。当時、私は国土庁で国土計画の仕事をしていていました。人口調査で、生産年齢人口がピークアウトしそうなことを知り、これは大変な時代が来るかもしれないと、周囲に話をしてもほとんどの人が関心を示しませんでした」(大石)

新保 まだまだ日本は経済成長していくと誰もが思ったのでしょうね…

「1995年、自社さ政権が『財政危機宣言』を出しています。ここから今日に至るまでひたすら歳出削減に邁進してきました。公共事業費が減り始めたのも、保健所の数が減り始めたのもこの年からです。というようにひたすら歳出を削減することが正義であるといった時代が続き、その結果、経済成長が全くなくなってしまいました」(大石)

新保 日本経済は、ずっと右肩上がりだと思っていました。

「名目GDPで見ると、2017年までの22年間、国連の統計上、世界の中で成長しなかった国が二つだけあります。一つは日本。もう一つは内戦相次ぐリビアです。名目GDPで見るとマイナス成長を続けてきています。名目GDPが伸びないということは税収が伸びないということで、この財政危機宣言は私たちに大変な悪い影響を与えています」(大石)

新保 私たちの暮らしに、どんな悪影響が?

「それはデフレです。日本の消費者物価が下がり始めたのは1998年ですが、1995年にアメリカFRB(中央銀行)議長のグリーン・スパーンが『日本は戦後初の本格的なデフレに突入している』と言っています。それ以降、ずっとデフレです。デフレとは物価が下がり、労働者の給料が下がる現象です。国民も企業もお金を使わない。お金を使わないとGDPは伸びませんが、財政危機宣言なので、だれもお金を使わない国になってしまったんです」(大石)

このあとも、1995年を境に日本はどうなっていったのか、これからどうしたらいいのか、大石さんの話がまだまだ続きます。詳しくは、上記の「聴き逃しサービス」をクリックして、ぜひ、番組をお聞きください!

*「駅長さん登場!」*

栃木県下野市の「道の駅しもつけ」工藤勲駅長

北関東道・宇都宮上三川インターチェンジを降り、国道新4号バイパスを15分ほどの道の駅です。地元の新鮮で安全な野菜やイメージキャラクター「カンピくん」グッズを始めとした物産の販売、地元食材を活かした様々なグルメが楽しめます。さらに、交流施設も充実していて、下野市の魅力を存分に感じられる、ふれあいの場になっています。

Q.「宅配サービス」をされている道の駅だそうですね。

「この周辺は、高齢で一人暮らしの方が多く、道の駅まで買い物に来られないので、宅配サービスを始めました。道の駅にあるものは全て運べるようにしています。ただ運ぶだけでなく、道の駅のスタッフが、一人暮らしのお年寄りと会話をして、コミュニケーションを心がけています」

Q.国道新4号バイパスができて来客数も増えたそうですね。

「年間240万人の方が道の駅に来店されます。土日になりますと336台収容の駐車場がいっぱいになってしまいます。そこで道の駅が今年10年目を迎えますので、秋から駐車場の拡大工事を始め、150台ほど増設します」

Q.東日本大震災が発生した15日後のオープンだったそうですね。

「避難される方が夜中の12時を過ぎてもたくさんいらっしゃいました。当駅は、自家発電があり、防災倉庫を設置し、毛布、テントも備えています。もちろん食事も提供することができる防災拠点になっています」

Q.どんな道の駅を目指していきますか?

「当駅は、この周辺で採れる新鮮な野菜が目玉で、毎朝採れたての野菜が80種類ほど並びます。近くには屋内プール、ドックラン、キャンプ場も併設しています。キャンプにも宅配サービスを利用することができますので、手ぶらでご利用できます。とにかく地域振興の拠点として頑張っていこうと思います」

道の駅しもつけ
所在地:栃木県下野市薬師寺3720-1
電話:0285-38-6631
定休日:第1・第3水曜日、1月1日~3日休館
営業時間:直売・物産:9:00~18:00(夏季6月~8月は19:00まで)
     レストラン・軽食コーナー:9:00~18:00(夏季6月~8月は19:00まで)
http://www.kanpi-shimotsuke.co.jp

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  • 大石久和(おおいし ひさかず )
    大石久和(おおいし ひさかず )
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    1945年岡山県生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、70年に建設省(現国土交通省)に入省。道路局長などを歴任、道の駅の制度化などに尽力し、2004 年退官。その後、全日本建設技術協会会長、土木学会会長、日本道路協会会長等を歴任。また早稲田大学大学院(客員教授)、東京大学大学院(特任教授)、京都大学大学院(特命教授)としても教鞭を振う。専攻は国土学。 国土に働きかけるインフラ整備とその恩恵の体系、社会資本整備の哲学である「国土学」を提唱。著書に「『危機感のない日本』の危機」(海竜社)、「国土と日本人 災害大国の生き方」(中公新書)、「国土が日本人の謎を解く」(産経新聞出版)、「国土学 国民国家の現象学」(北樹出版)、「国土学事始め」(毎日新聞社刊)などがある。趣味は家庭菜園。

アシスタント
  • 新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)

    新保 友映(しんぼ ともえ)

    1980年山口県生まれ。青山学院大学法学部卒業後、2003年ニッポン放送にアナウンサーとして入社。プロ野球情報番組などを務め、野球の取材や知識が深い。女性アナウンサーでは35年ぶりとなる「オールナイトニッポン」のパーソナリティをはじめ、音楽番組「三宅裕司サンデーハッピーパラダイス」、バラエティ番組「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」など数々のレギュラー番組に出演し、萩本欽一さんや志村けんさんの番組アシスタントも務める。また報道番組「高嶋ひでたけのあさラジ!」では、ニュースや芸能情報も担当。2018年ニッポン放送退社。現在は、スポーツイベント、トークショーの司会、各種表彰式・授賞式、記者会見、試写会等の司会も務める他、ベースボール専門サイトFull-countでプロ野球のコラムも執筆している。