道の駅プレゼンツ 大石久和のラジオ国土学入門

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2020.03.22

第20回のテーマは「土地所有に関する諸問題、日本だけが…」

番組アシスタントの新保友映です!

今回は、日本人とヨーロッパ人の土地の保有概念の違いについて、大石さんが熱く語ります。

新保 日本人とヨーロッパ人、そんなに土地への保有意識が違うんですか?

「世界中のほとんどの国では、土地の所有権の中に、いろんな制約が含まれています。建物の高さ、色、形などなど、たとえば、パリの凱旋門の上から街並みを見渡すと、凱旋門より高いビルを建てるのは、条例で禁止されているので、パリ市街をすべて見渡すことができます。一方、日本では、個人の所有が最優先になっていて、自分の土地だから、どう使おうが自由だとなっています」(大石)

新保 個人の所有を最優先とする日本人の土地保有概念は、いつから持たれ始めたのでしょうか?

「江戸時代まで、そういった保有概念はありませんでした。農民は大名などから預かった田畑で農作物をつくり、その農作物の一部を年貢として納めていました。この関係が崩れたのは明治に入ってからです。明治政府は西欧列強から不平等条約を押し付けられていたので、これを改正するために、西欧と肩を並べる文化を持たなければならなかった。そのためには財源がいるということで新たな税制を入れました。それが『地租』です」(大石)

新保 明治政府が土地から税を取るようにしたんですね。

「明治6年、明治政府が地租を導入し、年貢という考え方を捨てて、土地の価格に対して税を取るようにしました。明治政府の歳入のほとんどは地租でしたが、これによって土地という最も公共的なものなのに、私有権を優先するという考えが日本に入ってくることとなりました。これが間違いだったと私は思っています」(大石)

新保 土地保有に関する他の問題は?

「土地が細分保有されてしまったことも日本の特徴です。大きな土地を相続するたびに、相続税を払うのが大変になり、小さく分割して、そこに小さな家が建つ、という繰り返しが起きています。土地の登記単位は、一筆、二筆と数えますが、日本には2億筆あると言われています。同じような国土面積を持つドイツが6,000万筆なので、どれだけ細分保有になっているかが分かると思います」(大石)

新保 インフラ整備にも障害になるのでは?

「フランスのシャルル・ド・ゴール空港の敷地面積は3,000ヘクタールあります。日本の成田空港の3倍です。フランス政府が空港用地を買収する時、この3,000ヘクタールの所有者は、わずか10人。それに対して成田空港は1,000人を超えていました。つまり『土地買収が出来たら事業はほとんど出来たも同然』と言われたほど、土地買収の難しい国が日本なんです」(大石)

新保 このあとも、地籍の未確定問題など、大石さんが、日本の土地所有の問題点を熱く語っています(コラムはお休みになりました)。詳しくは、上記の「聴き逃しサービス」をクリックして、ぜひ、番組をお聞きください!

*「駅長さん登場!」*

宮崎県日南市の「道の駅 酒谷(さかたに)」野辺和美駅長

日南と都城を結ぶ国道222号の中間に位置し、手づくり「草だんご」や「手打ちそば」で有名な茅葺き屋根の建物が「道の駅 酒谷」です。周辺には酒谷キャンプ場、坂元棚田、日南ダム、小布瀬の滝、明治に作られたアーチ式石橋など自然に囲まれた道の駅です。

Q.そちらの道の駅の特徴を教えてください。

「地元の農産物の販売を始め、草だんご・そば打ち体験ができます。その他、免許返納の高齢農家を回って野菜の集荷、一人暮らし老人から弁当の注文配達など高齢者福祉にも力を注いでいます。道の駅の収益は、自治会など地域連携組織の会費に充て、お祭りの花火などの費用など、『地域の人たちによる地域のための道の駅』を実践しています」

Q.近くに有名な「棚田」があるそうですね!

「日南市の最高峰の小松山(988m)の麓に、日本の棚田百選に選ばれた『坂元棚田』があります。山腹の斜面に広がるこの棚田は、昭和3年から本格工事が始まり、完成まで5年を要し、国の補助を受けた大事業でした。特徴は、長方形の水田がひな壇状に並んでいて、畦道なども広く、馬による耕作を前提にして作られています。その景観は、心に安らぎを与えてくれる日本人の原風景になっています」

Q.これからどんな道の駅を目指しますか?

「道の駅は、第三ステージに入って、防災機能や観光振興など、さらなる展開が求められています。その中でも、私たちの道の駅は、これからも地域住民がイキイキと生活するための拠点づくりを目指していこうと思います」

道の駅 酒谷
所在地:宮崎県日南市大字酒谷甲1840-4
電話:0987-26-1051
営業時間:4月~9月 AM8:30~PM18:00
10月~3月 AM8:30~PM17:00
http://michinoeki-sakatani.com
※お出かけの際は、ホームページの最新情報をご確認ください

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パーソナリティ
  • 大石久和(おおいし ひさかず )
    大石久和(おおいし ひさかず )
    大石久和(おおいし ひさかず )

    大石久和(おおいし ひさかず )

    1945年岡山県生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、70年に建設省(現国土交通省)に入省。道路局長などを歴任、道の駅の制度化などに尽力し、2004 年退官。その後、全日本建設技術協会会長、土木学会会長、日本道路協会会長等を歴任。また早稲田大学大学院(客員教授)、東京大学大学院(特任教授)、京都大学大学院(特命教授)としても教鞭を振う。専攻は国土学。 国土に働きかけるインフラ整備とその恩恵の体系、社会資本整備の哲学である「国土学」を提唱。著書に「『危機感のない日本』の危機」(海竜社)、「国土と日本人 災害大国の生き方」(中公新書)、「国土が日本人の謎を解く」(産経新聞出版)、「国土学 国民国家の現象学」(北樹出版)、「国土学事始め」(毎日新聞社刊)などがある。趣味は家庭菜園。

アシスタント
  • 新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)

    新保 友映(しんぼ ともえ)

    1980年山口県生まれ。青山学院大学法学部卒業後、2003年ニッポン放送にアナウンサーとして入社。プロ野球情報番組などを務め、野球の取材や知識が深い。女性アナウンサーでは35年ぶりとなる「オールナイトニッポン」のパーソナリティをはじめ、音楽番組「三宅裕司サンデーハッピーパラダイス」、バラエティ番組「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」など数々のレギュラー番組に出演し、萩本欽一さんや志村けんさんの番組アシスタントも務める。また報道番組「高嶋ひでたけのあさラジ!」では、ニュースや芸能情報も担当。2018年ニッポン放送退社。現在は、スポーツイベント、トークショーの司会、各種表彰式・授賞式、記者会見、試写会等の司会も務める他、ベースボール専門サイトFull-countでプロ野球のコラムも執筆している。

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