道の駅プレゼンツ 大石久和のラジオ国土学入門

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2020.03.01

第17回のテーマは「日本の公務員は多いのか少ないのか」

番組アシスタントの新保友映です!

日本の公務員は多いのか少ないのか、そう問われると、正直多いようなイメージですが、今回は、この辺りのお話を大石さんに伺ってみました。

新保 私のイメージでは公務員は多いように思えるのですが?

「イメージで『公務員は多い』と思っている方がとても多いんです。しっかりしたデータに基づくと、日本の公務員(国・地方・国防・政府系企業)は、人口1,000人当たり37人。フランスは90人、イギリス68人、アメリカは64人、ドイツ60人。日本では公務員をずっと減らし続けているんです」(大石)

新保 公務員はどのくらい減っているんですか?

「都道府県で見ると、2017年までの23年間で約35万人公務員を減らしています。市町村では19.3万人減。問題は非正規の公務員が増えているんです。地方公務員は、総職員数が270万人。そのうち非正規が64万人。その数はものすごい勢いで増え続けています」(大石)

新保 公務員が減ることで、どんな問題が出てきますか?

「通常時の業務なら非正規の公務員を雇うのもいいでしょうが、非常時の際、たとえば自然災害や今回のコロナウイルスにしても『公』が『私』を守るために活躍してもらわなければならない。その目的意識を持って行動する公務員の数こそが、地方の力であり、国の力だと思います。公務員が減り、非正規の公務員が増えていることで、組織目的を共有できないということが問題です。これは市民生活にも影響してきます」(大石)

新保 台風15号、19号の際、公務員は休みなく働いていたんですよね。

「そうなんですが、役場に電話をしても誰も出ない、いつまで待っても助けに来てくれない、そういった苦情が出ました。役場の公務員はフルに働いていたわけですが、フルに働いでもすべてに手が回らない状況でした。公務員とは、国を成り立たせるための〝基本インフラ〟です。そう思えば、数を減らすべきではない、と思うのが当然のことではないでしょうか」(大石)

新保 大石さんが、「公務員」について熱く語っています。詳しくは、上記の「聴き逃しサービス」をクリックして、ぜひ、番組をお聞きください!

*コラム「日本のエンゲージメント(愛社精神)は世界最低レベル」*

少子化の根本原因は「非正規雇用の増大」にあると話をした。経営者は労働者を「コスト」と見るようになり、ボーナスも昇給もない。低収入の非正規雇用者は結婚したくてもできず、少子化が進む原因となっている。それ以外に問題なのが「エンゲージメント」(仕事へのやる気、組織への貢献、愛社精神)が低下していることである。アメリカの人事コンサルタント会社が「従業員エンゲージメント調査」を行ったところ、日本はわずか31%。アメリカが59%、中国が57%、ドイツが47%。日本は世界の中で最低レベルだと分かった。もう一つ残念な調査がある。アメリカの世論調査会社「ギャラップ」が<熱意のある社員の割合>を、世界139カ国で調べたところ、日本のランクはなんと132位。アメリカでは32%の社員が熱意に溢れているのに対し、日本はわずか6%。これは由々しき事態だ。かつて日本のサラリーマンは愛社精神で溢れていた。その熱意が日本の経済を押し上げてきた。このまま不正規雇用が増え続けると、いずれ日本は崩壊してしまうのではないかと思えてならない。

*「駅長さん登場!」*

千葉県柏市の「道の駅しょうなん」石橋良夫駅長

『道の駅しょうなん』は、県道船橋我孫子線の手賀大橋のたもとに、千葉県内8番目の「道の駅」としてオープンした道の駅です。24時間利用可能な大駐車場、トイレ、電話が設置され、手賀沼遊歩道へのアクセスも抜群! ドライブの休憩はもちろん手賀沼周辺観光の拠点として人気の道の駅です。

Q.近くの手賀沼へはレンタサイクルがオススメだとか?

石橋 当駅にはレンタサイクルがありまして、これからの季節、手賀沼の周遊が最高です。春は桜並木、夏は小型納涼船が出ています。また手賀沼の周りには観光スポットも多く、自転車で回るのも楽しいですよ。レンタサイクルステーションが当道の駅以外に6カ所あって、3月下旬から11月まで土日祝は、どこでも借りて、どこでも返却ができます。

Q.近くに利根川が流れていますが、台風19号の被害は?

石橋 ビニールハウスや農業倉庫を中心に1億8000万円ほどの被害が出ました。当駅は防災拠点には位置づけされていませんが、果たすべき役割が多いと思っています。首都圏から30キロ圏内に位置し、1日1万5000台を超える交通の県道に面していますので、首都直下型地震が発生した場合を想定して、簡易トイレ、小型発電機など、やれることから少しずつ整備していこうと考えています。

Q.これからどんな道の駅を目指していくお考えですか?

石橋 手賀沼周辺地域の経済の中心的拠点として、また様々な情報発信の中心的拠点として、地域の街づくりにトータル的に深く関わっていく、今までにない道の駅を目指していきたいと思っています。

道の駅しょうなん
所在地:千葉県柏市箕輪新田59-2
電話:04-7190-1132
営業:4月~8月 9:00~19:00/9月~3月 9:00~18:00
定休日:毎月第2水曜日
http://www.michinoeki-shonan.jp

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  • 大石久和(おおいし ひさかず )
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    1945年岡山県生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、70年に建設省(現国土交通省)に入省。道路局長などを歴任、道の駅の制度化などに尽力し、2004 年退官。その後、全日本建設技術協会会長、土木学会会長、日本道路協会会長等を歴任。また早稲田大学大学院(客員教授)、東京大学大学院(特任教授)、京都大学大学院(特命教授)としても教鞭を振う。専攻は国土学。 国土に働きかけるインフラ整備とその恩恵の体系、社会資本整備の哲学である「国土学」を提唱。著書に「『危機感のない日本』の危機」(海竜社)、「国土と日本人 災害大国の生き方」(中公新書)、「国土が日本人の謎を解く」(産経新聞出版)、「国土学 国民国家の現象学」(北樹出版)、「国土学事始め」(毎日新聞社刊)などがある。趣味は家庭菜園。

アシスタント
  • 新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)

    新保 友映(しんぼ ともえ)

    1980年山口県生まれ。青山学院大学法学部卒業後、2003年ニッポン放送にアナウンサーとして入社。プロ野球情報番組などを務め、野球の取材や知識が深い。女性アナウンサーでは35年ぶりとなる「オールナイトニッポン」のパーソナリティをはじめ、音楽番組「三宅裕司サンデーハッピーパラダイス」、バラエティ番組「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」など数々のレギュラー番組に出演し、萩本欽一さんや志村けんさんの番組アシスタントも務める。また報道番組「高嶋ひでたけのあさラジ!」では、ニュースや芸能情報も担当。2018年ニッポン放送退社。現在は、スポーツイベント、トークショーの司会、各種表彰式・授賞式、記者会見、試写会等の司会も務める他、ベースボール専門サイトFull-countでプロ野球のコラムも執筆している。