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2022.02.28

#204 「織物の町!群馬県桐生市で生まれた環境に優しいユニークなボタンとは?」

あなたが今着ている服に、ボタンは付いていますか?

ボタンが付いている服を着ることは多いと思います。シャツやブラウス、ジャケット、ズボンにもボタンは付いています。ほとんどのボタンがプラスチック製かな。木製のボタン、皮で出来ているボタンもありますが。歴史をたどると、象牙のボタンや金のボタンもあったそうです。今も探せばあると思いますが。

そんなボタンの始まりは諸説ありますが、なんと紀元前4,000年、エジプトの発掘品の中にあったのだとか。ただ、ボタンの形はしているものの、衣服を留めるものではなくて、権威を表す装飾品やバッジとして用いられたものと考えられているそうです。そこから時代は進んで、13世紀頃から西洋でボタンが普及していって素材やデザインが多様化していきます。18世紀の産業革命をきっかけに、大量生産できるようになったという流れなのです。

今回は、そんなボタンにまつわる話題!舞台は「西の西陣、東の桐生」と言われるほど繊維産業が盛んな群馬県桐生市

桐生市(きりゅうし)は、群馬県南東部にある市。古くから絹織物を産する機業都市で、桐生織は京都・西陣の西陣織と並び称された。市内に多くの産業遺産があり、桐生織物会館旧館を含む6件の日本遺産や、130件以上の国登録有形文化財が残されている。wikiより引用

その町に「チャームファッションオオキ」という刺繍加工会社がありまして、そこがちょっとユニークなボタンを開発して注目されているのです。なんでも、そのボタンの原料は環境に配慮された素材を使っているそうですよ。どんなボタンなのか?

有限会社チャームファッションオオキ」の大木康雄さんにお話し伺います。

 

晴の輔 ユニークなボタンを開発されたということですが、どんなボタンなのですか?

 

大木「ペットボトルのリサイクル糸で、編み上げられているボタンです。」

晴の輔 ほおおおお。一般の普通のボタンに比べて特徴はどういうところなのですか?

 

大木「一般のボタンと比べ、このボタンは、糸で出来ているため割れることがありません。重さも通常のボタンの1/3程度の軽さです。ボタンの硬さも糸の密度を変えることにより、柔らかくしたり硬くしたりと自由に変えることが出来ます。」

晴の輔 柔らかいとか硬いってあまり意識してこなかったですけど、軽いボタンだと着ている服も軽くなります。

 

大木「そうです。用途によって軽いのが必要な時、スポーツ関係などには軽くボタンがいいと思います。」

大木「うちで扱っている色数は68色ありますので、そこから好きなものをお選びいただけます。」

晴の輔 ボタンには名前はあるのでしょうか?

 

大木「正式名称は付けていないのですけど、分かりやすいように『糸のボタン』と読んでもらっています(笑)。」

 

晴の輔 このボタンを作るきっかけは何だったのでしょうか?

 

大木「私たちの繊維業界は、海外生産が主流となっています。国内での生産は、少なくなる一方です。そこで、今まで積み上げてきた自分たちの技術を使って、何か新しい物は出来ないだろうかと考えたときに、ある日急に降りてきましたね。」

 

晴の輔 (笑)糸を伝うように!

 

大木「はい『ボタンを作りなさい』と(笑)。」

大木「(笑)」

 

晴の輔 実用的な完成までに、開発期間はどれくらいかかりましたか?

 

大木「3年から3年半かかりました。試作品は、5,000個位作ったと思います。始めは、ボタンの硬さが出ないで苦労しました。硬さがでる様になると、糸を通す穴がふさがるなど色々ありました」

 

晴の輔 数々のボタンの掛け違いがあっても、それを重ねて重ねて辿り着いた。

 

大木「おっしゃる通りです。」

 

晴の輔 反響はいかがですか?

大木「世界的にSDGsや、サスティナブルに関心が高まっていることと先日、群馬県のグッドデザインコンテストで賞を頂いたこともあり、おかげ様で各方面からたくさんお問い合わせを頂いております。世の中に無かったものなので、関心が高いようです。」

 

晴の輔 グッドデザインコンテストで賞を取りました。これはデザインも評価された。

 

大木「はい、そうですね。」

 

晴の輔 ボタンについては正直、普段あまり意識しません。でも糸で作ることによって「服にとけこませることもできるし」「服から目立たせることもできる」のですね。

大木「服は繊維で出来ています。繊維に繊維を付けるイメージなので違和感なくオシャレな感じが出せると思います。」

 

晴の輔 オシャレの幅が広がります。

 

大木「それでウチとしては、このボタンはオシャレだけではなくて、別の用途にも使いたいと思っているのです。例えば、テストでは、このボタンは『レントゲンに写らないのですよ』」

大木「この特性を利用して、医療や介護の分野にも利用したいですね。

 

晴の輔 全く違った分野からの需要が広がる。

 

大木「SDGsを意識しての物作りをしています。」

 

晴の輔 プラスチックのゴミ問題などありますが、大木さんのボタンはもう「持続可能なボタン」ですね。

 

大木「(笑)ありがとうございます。」

 

 

 

「どっちだ!?晴の輔」。

毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーでございます。

「晴の輔さんが、ペットボトルのリサイクル糸で出来たボタンを付けるなら・・・

『いつも着ているダウンジャケットに付ける』

それとも

『いつも履いているジーンズに付ける』 どっちだ!?晴の輔」

 

ダウンかジーンズか…あ、コレ分かった…決めました!

 

 

「いつも着ているダウンジャケットに付ける」

 

 

今日も着て来た「黒のダウン」に糸のボタンを付けたら、まさにボタンダウンってことじゃない?

 

 

今日は「織物の町!群馬県桐生市で生まれた環境に優しいユニークなボタンとは?」というトピックスでお届けしました。ボタンが糸でできている。ちょっと驚きました。レントゲンにも映らない、このボタンが今後どの分野で、どんな風に使われていくかが、とても楽しみです。

そんな「チャームファッションオオキの糸のボタンに」に

それでは、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。

 

 

-WEB版こぼれ話し1-

晴の輔 今までは「糸を扱うプロ」だったのですか?

大木「ウチは刺しゅう加工をしており、メーカーさんからの発注に答える形で仕事をしていました。そして『下請け』から脱したいという強い気持ちがありました。」

晴の輔 なるほど。自分のオリジナルのものを作りたい!実現されました。これからどのような分野で使われていくのか未知の世界です。

大木「多くの方とお話しをして、ボタンを進化させたいですね。『土に還るボタン』も開発しております。」

晴の輔 ええっ?

大木「『生分解性繊維』というものがありまして、プラスチックごみ問題を解決するために、作っています。」

 

-WEB版こぼれ話し2-

晴の輔 介護の分野ですと優しいボタンが求められている。

大木「糸でできていますので滑りません。」

晴の輔 なるほど。

大木「普通のボタンですとツルツルしていますが、このボタンだと押しやすい、外しやすいなどの特性があります。」

晴の輔 介護される方も扱いやすいボタン。

 

 

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    パーソナリティ
    • 立川晴の輔
      立川晴の輔
      立川晴の輔

      立川晴の輔

      落語立川流 立川志の輔一門
      1972年11月21日兵庫県神戸市生まれ
      東京農業大学農学部卒業

      ◆経歴
      平成 9年(1997) 立川志の輔に入門。志の吉を拝名
      平成15年(2003) 二ツ目に昇進
      平成20年(2008) 東西若手落語家コンペティション グランドチャンピオン
      平成25年(2013) 真打に昇進。志の吉から晴の輔へ改名

      東京八重洲、町田、千葉、川越の独演会をベースに全国各地での落語会、子ども落語会、企業落語講演、結婚式の司会等で活動中。