あなたが最後に「渋谷」へ行かれたのはいつですか?
東京渋谷駅周辺は「100年に1度」とも言われる大規模な再開発の真っ最中。渋谷へ行く度にビルが高くなっていたり、乗り換えの通路が変更になっていたりと日に日に変わっていきます。
先日も「渋谷パルコ」が3年あまりのリニューアル期間を経て、オープン。
早朝から約2,500人の行列!そして渋谷エリアの新ランドマークとなる地上47階建て、駅直結となる複合施設「渋谷スクランブルスクエア」もオープンしましたね。
展望施設「渋谷スカイ」からは東京の景色が一望!さらにあの、スクランブル交差点を見下ろすことも出来ると話題です。
ちなみに「渋谷スクランブルスクエア」はまだ完全な完成ではありません。現在の東棟の他に、さらに中央棟と西棟が建つそうで、全ての完成予定は2027年!うーん、リニアが開通の年ですね!
どんどん新しくなっていく渋谷ですが、「白根記念渋谷区郷土博物館・文学館」では、現在、企画展「渋谷に残された伝説」を開催中!最先端な街「渋谷」に昔から息づいている伝説?…気になりませんか?
「白根記念渋谷区郷土博物館・文学館」学芸員の田原光泰さんにお話しを伺います。
晴の輔 田原さん、ご出身はどちらでしょう?
田原「渋谷です。」
晴の輔 最近、昭和の空気が急激に解体されてしまいました。
田原「そうですね。少し前までの渋谷は、昭和30年代後半・東京オリンピックが開催される頃に出来たものなのですけど、今、まさに東京2020オリンピックの前に大きく変わろうとしていて、それに立ち会っている感じかなと思っています。」
晴の輔 企画展「渋谷に残された伝説」。個人的に僕の知る伝説は、20年ぐらい前の、渋谷に「ヤマンバ」とか厚底ブーツの人たちが出没していました。
田原「それはちょっと新しいかもしれません。こちらは主に中世の時代でして、当時『鎌倉街道』という古い道ですとか、『渋谷城』と呼ばれる城館があったと言われております。」
晴の輔 渋谷って城があったのですか?
田原「天守閣があるような、江戸時代のお城とは違うのですけど、『館』と呼ばれるようなものが駅近くにありました。」
晴の輔 それはどの辺りなのでしょう?
田原「駅から見て東、『金王八幡宮』がある辺り、『館』があったと思わせるような地形になっています。また城があったという江戸時代の文献がありまして、実在したと思われます。」
晴の輔 中世の時代のお城、「館」なのですね。
田原「他にも中世の武将に関わるような、伝説なども紹介しております。」
田原「例えば区内に『幡ヶ谷』という場所があります。」
晴の輔 ワタクシ、幡ヶ谷駅のすぐ側に住んでおりました!
田原「今でも『旗洗池跡』という石碑が建っており、かつて池があり、『源義家』がそこで旗を洗ったと言われております。」
晴の輔 それが幡ヶ谷!知らなかった!
田原「あと皆様ご存知の『道玄坂』。実は『大和田道玄』という山賊の名前から取ったといわれております。」
晴の輔 渋谷という街で山賊ですか!想像できないですね。
田原「展示では明治時代の山道のような『道玄坂』の様子を紹介しております。」
晴の輔 渋谷ご出身の田原さんが、逆に今、おススメする渋谷ってあります?
田原「渋谷駅前に『渋谷川』が流れておりまして、それが再開発に伴って『渋谷リバーストリート』という遊歩道で散策することが出来て、おススメですね。先程の『渋谷城』のお堀の役目をしていたとも言われております。」
晴の輔 そう言われてみますと、渋谷城があったであろう『金王八幡宮』から渋谷川を見ますと、お堀っぽいです。
田原「『渋谷城』を再現した模型も展示しております。渋谷川に囲まれるように城が出来ている様子が分かります。」
晴の輔 お城があった時代の渋谷!その模型見てみたいです。渋谷川のリバーサイドも歩いてみたいと思います!
田原「是非、歩いてみてください。」
「どっちだ!?晴の輔」
毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーです。
「今、晴の輔さんが渋谷へ行って見たいものは?・・・
『金王八幡宮の渋谷城跡を見たい』 それとも 『渋谷スクランブルスクエアの展望台から景色を見たい』 どっちだ!?晴の輔」
んふぅ、渋谷スクランブルスクエアの展望台?行きたいなあ。渋谷スクランブルスクエアは、ある意味、現在の渋谷城でしょう。現代の天守閣ですよ。
決めました!
「金王八幡宮の渋谷城跡を見たい」
うん、まずは「渋谷の伝説」を体で感じる。ここに渋谷城があったらしい…その伝説を感じて、その後に「渋谷スクランブルスクエア」に行けば
今日は、「再開発真っ只中の東京・渋谷!そんな渋谷の街に息づいている伝説とは!?」というトピックスでお届けしました。企画展「渋谷に残された伝説」は来年1月13日まで。渋谷城の模型!見たいですよね。場所は「白根記念渋谷区郷土博物館・文学館」。田原さんがいらっしゃったらお話が聴けるかも。渋谷のことはしらね~、ことはないはずです。
そんな「渋谷の伝説」に
それでは、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。
-WEB版こぼれ話し-
田原「武将に関わるものとしては、『勢揃坂』。源義家が馬を揃えたところだといわれておりますし、代官山の『猿楽町』。そこには『猿楽塚』という古墳があります。そこで源頼朝が猿楽を催して、終わった後に道具を埋めた跡である、と江戸時代の文献にあります。」
晴の輔 中世の頃の出来事で、文献は「江戸時代」。
田原「そうですね、江戸時代の人も『伝説』として書かれております。」
晴の輔 僕は渋谷の神泉でバイトしていたのですが、神泉も何かあります?
田原「井の頭線に乗りますとすぐにトンネルに入ってしまうので分かりにくいかと思いますが、神泉駅に来ると、外に出るので一回視界が広がります。すぐにトンネルに入ってしまいます。
これは神泉には『神泉ヶ谷』という谷があり、そこを通り過ぎるからなのです。その谷は昔、豊富に水が沸いていて、その泉を使って『法道仙人』あるいは『空鉢仙人』と呼ばれるインドからいらした伝説のお坊さんが、不老不死の薬を練っていたことから『神泉』となったそうです。」
晴の輔 はあああああああ。
田原「昭和に入っても伝説は新しく生まれています。その中の一つに『道玄坂の人食い松』という話があります。」
田原「現在のスクランブル交差点に、かつて松の大木がありました。『それの枝を折ったり、傷つけたりすると、怪我や病気になったりする』という伝説があります。その伝説は、昭和に入り道玄坂で区画整理・道路拡張する際に急に広まったものです。」
晴の輔 立派な松だったのでしょうね。
田原「どうしても移転しなければならない、ということで作業したところ、怪我人が続出したので、一計を案じて『道玄坂出世大黒松』という名前を与え、盛大な行列で移転させました。」
晴の輔 その松に神が宿っていたというか…そのぐらいの存在だったのでしょうね。松を祀って移転したのですね。
田原「(笑)」
晴の輔 あの辺りにそんな大きな松があったとは…昔は野原の時代もあったのでしょうけど、現代の渋谷でしかイメージ出来ないので、今では想像出来ないです。それにしても「人食い松」。ハロウィンの時、凄く賑やかになるではないですか、その時にあまりにも暴れる人がいたら、「人食い松伝説」で食べられちゃうぞ!と言ってあげたいぐらいです。
田原「(笑) そこに新しい伝説が生まれるかもしれません。」
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