“夏の風物詩”のひとつ、『盆踊り』についてです。
■今週(8/5~8/9)のテーマ:『盆踊り』
8/5(月) 『盆踊りとは』
『盆踊り』とは“お盆の時期に踊る踊り”のことです。
『お盆』とは一般的に、“ご先祖さまの霊をお迎えして、感謝の気持ちを伝えるとともに、
改めて供養をして送り出す期間“のことをいいます。
7月と8月にそれぞれお盆がありますが、8月のお盆のことは“月遅れのお盆”という意味で、『旧盆』ともいいます。
この8月のお盆の期間ですが、一般的には“お盆の入り”の8月13日から“明け”の16日までです。
ですので、盆踊りとは本来、“お盆の時期に帰ってこられる、
ご先祖様の霊をお迎えし、供養やおもてなしをして、再び送り出すための行事“なのだそうです。
また盆踊りは、“地域の人々との交流の場”でもあります。
特に、ふるさとを離れて暮らしている方の場合、
お盆の時期に帰省した際、地元の盆踊りで、ご近所の方や古くからのお友達と再会することって多いですよネ。
そんな盆踊りですが、小さなお子さんからご年配の方まで、幅広い世代の方々が手軽に楽しむことができます。
また踊り方が分からなくても、輪の中に入って前の人の背中を見ながら真似することで、
自然と踊れるようになるんですよネ。
そういった意味では、初めて参加する方でも踊りやすい・・・というのが盆踊りの特徴のひとつでもあるそうです。
【感想】
お盆の季節になると夕方、空が暗くなり始めた頃、風にのって楽しげな喧噪(けんそう)。
でもどこか切なくも聞こえる、盆踊りの音楽が聞こえてきますよネ。
ご先祖様の霊魂を、踊りで供養する行事なんですものネ。
みんなで輪になって踊る姿・・・。
子どもの頃は意味を知らなかったけれど、
意味を知ると、亡くなった方々への心を感じる日本の良き文化ですよネ。
8/6(火) 『盆踊りの歴史』
盆踊りの始まりには、諸説あります。
例えば、平安時代のお坊さま・空也上人(くうや しょうにん)が
念仏を唱えながら舞い踊った仏教の儀式、『踊り念仏』を始まりとする説です。
それが鎌倉時代のお坊さま・一遍上人(いっぺん しょうにん)によって
全国へと広まっていった・・・といわれています。
その後、“踊る人”と“念仏を唱える人”に分かれた『踊り念仏』に発展し、
これがお盆と結びついて、現代の盆踊りになったと考えられています。
他にも、お釈迦さまのお弟子さんの『目連(もくれん)』が、盆踊りの始まりとする説があります。
目連のお母さんは、亡くなった後、常に“飢え”と“渇き”に苦しむ“餓鬼道(がきどう)の世界”に落ちてしまいました。
そこで目連は、“お母さんを救いたいです”とお釈迦さまに相談しました。
するとお釈迦さまは“生前、母親ができなかったことを代わりに行い、
功徳(くどく)を施(ほどこ)せば、救えるだろう“とおっしゃいました。
そして目連の功徳によって、お母さんは極楽浄土へと救われ、その姿を見つけた時、
目連はあまりの嬉しさから踊り続けたそうです。
これを“盆踊りの始まり”とする説です。
【感想】
私、昔、京都で古くから伝わる盆踊りの行事に
参加させていただいたことがあるんですが、まさしくこれ、踊り念仏だったんですネ。
念仏を唱えながら、静かに踊る人たちの輪に入って、見よう見まねで踊りました。
盆踊りって体育祭の踊りのような、にぎやかなイメージがあったので、
あんなにおごそかな盆踊りは、カルチャーショックに近いものがあったんですけども、
初めて盆踊りの意味を知る、貴重な体験だったんですネ。
ご先祖様と一緒に霊魂を鎮めるために踊るのが、盆踊りなんだそうですネ。
8/7(水) 『日本三大盆踊り』
『日本三大盆踊り』とは、秋田県羽後町(うごまち)の『西馬音内(にしもない)盆踊り』、
岐阜県郡上市(ぐじょうし)の『郡上おどり』、そして徳島県徳島市の『阿波おどり』の3つの盆踊りのことです。
『西馬音内盆踊り』は700年以上の歴史を誇り、
独特のカラフルな伝統衣装を身にまとった女性たちが、編み笠を手に踊ります。
8月16日から18日までの3日間開催され、期間中には人口1万4000人ほどの町に、10万人以上の観光客が訪れるそうです。
『郡上おどり』も400年以上の歴史があり、盆踊りの期間が“7月中旬から9月上旬”と、とても長いのが特徴です。
特に8月13日から16日まで行われる踊りは『徹夜おどり』と呼ばれ、夜8時から翌朝の4時、5時頃まで踊り続けるそうです。
そして『阿波おどり』も、400年を超える歴史を持つといわれ、徳島が世界に誇る伝統芸能でもあります。
徳島市では毎年8月11日から15日までの間、国内外から100万人を超える観光客が訪れるなど、日本有数のイベントとなっています。
【感想】
昔、NHK朝ドラ『ウェルかめ』で
“阿波おどりが大好きなお母さん”という役をやらせてもらったんですけども、阿波踊りを猛特訓したんです。
“男踊り”のほうなんですけど。
腰の位置が低くて、ずっとスクワットしたみたいな形で踊るんですけども、
足腰が痛いのなんの(汗)って、すごいんですよネ。
でもリズムに乗ってくると、“ハァ~楽しい”ってなってくる踊りでしたネ。
日本全国の盆踊り、これは本当に夏の風物詩ですネ。
【参考資料:阿波踊り】
☆男踊り:浴衣または法被(はっぴ)に足袋の格好で、力強くダイナミックに踊るのが特徴。
☆女踊り:浴衣に編み笠、下駄の格好で、優雅にしなやかに踊るのが特徴。
8/8(木) 『盆踊りの音楽① 炭坑節』
“盆踊りの定番の曲”のひとつに『炭坑節』があります。
『炭坑節』は福岡県田川市(たがわし)が発祥とされています。
この田川市を始めとする筑豊(ちくほう)地区は、かつて“石炭のまち”として栄え、広くその名が知られていました。
そんな“石炭のまち”で生まれた『炭坑節』ですが、もともと炭鉱で働く人たちが作業中に歌っていた“仕事唄”なのだそうです。
それも作業の内容によって、いくつもの唄があって、
その中でも“石炭”と“それ以外の石”などに分ける作業をする女性の方々が歌っていたものが元になって、
この『炭坑節』ができたそうなんですネ。
そして大正から昭和にかけて、石炭のおかげで景気が良かった
炭鉱の持ち主の皆さんが、料亭などの宴会の席で歌うようになったことで、いわゆる“花街”に広まっていったそうです。
そんな『炭坑節』ですが、終戦後、『戦後の復興は石炭から』という国の政策により、毎日のようにラジオで放送されたそうです。
それによって一般の方々にも親しまれるようになり、やがて盆踊りでも使われるようになり、盆踊りの定番となったそうです。
【感想】
炭鉱節、なんかリズミカルで歌いやすい唄なんですよネ。
“作業中に歌う唄”だったんですネ。
きっと大変なお仕事を、少しでも楽しくする知恵だったのかもしれませんよネ。
“盆踊りの唄”として有名ですけど、よ~く歌詞を見ると、好きな人のことを想う“女ごころの唄”なんですよネ。
情景が浮かぶ、ちょっと切ない素敵な唄です。
ぜひ皆さん、歌詞を見てみてください。
≪おことわり≫
☆『炭坑節』の歌詞は、様々なバージョンがあります。
例:http://www.mu-tech.co.jp/music_files/lyric/tankou_xf.html
例:https://kodamayoshinori.com/1385
8/9(金) 『盆踊りの音楽② 東京音頭』
福岡県の『炭坑節』と同じように、“盆踊りの定番の曲”として広く親しまれている曲に、『東京音頭』があります。
実はこの曲には原曲があって、タイトルは『丸の内音頭』です。
この曲は1932年(昭和7年)に誕生しましたが、当時は世界的な不景気が続いていました。
“そんな不景気な風を吹き飛ばすようなことはできないか?”と丸の内周辺の飲食店の経営者の方々が、
お客さんを集めるために考え出したのが、“日比谷公園での盆踊り”でした。
そして、レコード会社に依頼してできたのが、『丸の内』や『三宅坂』など、
日比谷公園周辺の地名が歌詞に登場する『丸の内音頭』だったそうです。
この『丸の内音頭』を盆踊り大会で流したところ、大変な盛り上がりだったそうなんですネ。
そこで、その人気に注目したレコード会社が、『墨田』ですとか『武蔵野』など、
新たに都内各地の地名を歌詞に入れて、“東京一円のご当地ソング”として作ったのが、『東京音頭』だそうです。
【感想】
東京音頭、なつかしい~!
小学生の時、体育の授業で踊りを習って、みんなで踊ったんですよねぇ。
子ども心に“茨城なのに何で「花の都」?東京の真ん中で?
ここは東京じゃないのになぁ・・・“と疑問に思いながら踊りましたねぇ。
今でもこの音を聴くと、当時の夏を思い出します。
【今週の感想】
花火と並んで、夏の風物詩の代表の盆踊りですが、
今でもやぐらを見たり音楽が聴こえたりしてくると、なんかワクワクしてきますよネ。
小さなお子さんからお年寄りまで、世代を超えて楽しめる盆踊り。
“初めて浴衣を着せてもらったのが盆踊りでした”という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本には数多くの盆踊りがあります。
それぞれ違いがありますから、その違いを体験する・・・というのも、盆踊りの楽しさでもありますよネ。
【お知らせ① 次週(8/12~)からのテーマ】
高速道路を利用した際、立ち寄る場所、
『サービスエリアとパーキングエリア』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング ♪To Be / モントルー
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