スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2022.11.18

2022年11月14日(月)

私も好きで、よく着ます。『着物』についてです。

 

■今週(11/14~11/18)のテーマ:『着物』

 

11/14(月)  『着物の歴史』

 

着物は、日本が海外に誇る文化の1つです。

海外でもアルファベット表記で、『Kimono(キモノ)』と

呼ばれています。

 

今は日常的に着物を着ることは少なくなりましたが、

それでも成人式や結婚式といった、節目の行事の時に

着られる方も多いですよネ。

 

着物はもともと『着るもの』のことで、

“衣服全般”のことを指す言葉でした。

それが明治時代以降、日本人の衣服は洋服が一般的になったことで、

現在では“着物=和服”という認識に変わっています。

 

『着るもの』としての着物の歴史は、とても古くて、

紀元前の弥生時代には既にあったとされています。

ただし、それは織った布地を体に巻きつけたり、

布地の真ん中に穴を開けて、頭を通すタイプでした。

ポンチョみたいなイメージですかネ。

 

“現代の着物の原型”は平安時代の、袖口が小さい

『小袖(こそで)』といわれています。

当時の『小袖』は、公家の方や宮廷に仕える女性などが、

下着として着るものだったそうです。

 

その後、鎌倉時代や室町時代になると、『小袖』が下着ではなくなり、

“一番上に着るもの”、つまり“上着”になって、

現代の着物へと変わっていったんだそうです。

 

【感想】

海外に行った時、着物を着ているだけで、

街の人に“美しい!”ってほめられたり、

席を譲ってもらえたり、良いことがたくさんありました。

 

また、お着物を着ると、所作も知らず知らず緩やかになって、

女性も男性も美しくなる気がします。

着物って日本人の心が宿っている、まさに日本文化だなって思います。

 

 

11/15(火)  『「着物の日」』  

 

『きものの日』は、『全日本(ぜんにほん)きもの振興会』さんが、

1966年(昭和41年)に定めたものです。

 

キッカケは、1964年に行われた東京オリンピックです。

日本を訪れた外国の方々から、

『日本の民族衣装は“着物”だと思っていましたが、

着物姿の方をほとんど見かけないのはどうしてですか?』という声が

上がりました。

 

それを受けて、日本の民族衣裳である“着物”のシンボルとなる日として、

11月15日を『きものの日』と定めたそうです。

 

11月15日を『きものの日』とした理由ですが、

古くから旧暦の11月は、“収穫を終えて、実りを感謝する月”とされ、

そして満月にあたる15日は、『吉日』にあたるそうなんですネ。

またこの日は氏神様への感謝の気持ちを兼ねて、七五三のお参りに

着物を着てお祝いしていたこともあって、

11月15日を『きものの日』としたそうです。

 

 

【感想】

 

七五三といえば、

私が3歳の七五三の時に着ていた着物は、

祖父母が作ってくれたんですネ。

それを母が長い間、大切に取っておいてくれたんです。

 

その着物を一昨年、ウチのスタッフの娘さんの七五三に

母が“着てみてはどうかしら?差し上げたい”と出してきたんですネ。

 

もう50年近く前の着物ですので、“もらっても迷惑では?”と

思ったのですが、とりあえず聞いてみたら、

快く喜んでもらってくれて、その娘ちゃんの七五三に着てくれました。

すごく家族のように思っているスタッフの娘ちゃんだったので、

なんか娘に着てもらったみたいな気持ちになって、とっても嬉しく思いました。

 

 

11/16(水)  『着物の豆知識①』

 

着物には様々な種類がありますが、その中でも『振袖』は、

“未婚の女性が着る格式の高い着物”で、とても華やかです。

袖の袂(たもと)の部分が長いのが特徴です。

 

同じ振袖でも袖丈の長さによって、『大振袖(おおふりそで)』、

『中振袖(ちゅうふりそで)』、『小振袖(こふりそで)』に分けられます。

 

大振袖の袖丈は104cmから120cmもあって、

婚礼用の衣装として着ることが多いです。

中振袖の袖丈は100cm前後。

成人式や結婚式などで着るのが、この中振袖です。

 

そして小振袖の袖丈は60cmから85cmで、

振袖の中で最も短い着物です。

小振袖はカジュアルに着こなすことができるため、

ブーツや袴と合わせて卒業式で着ることが多いですよネ。

 

振袖が“未婚女性が着る着物”となった理由として、江戸時代、

女性は振袖の袖を振ることで、感情を表現していたとされています。

当時、男性から告白やプロポーズされた時、

逆に女性が想いを寄せている時、感情を女性がクチに出すことは

“はしたない!”とされていました。

 

そのため袖を振ることで、意思表示をしていたんです。

例えば袖を左右に振ると、『想いを受け入れます』とか、

『あなたのことが好きです』とか。

前後に振ると、『ごめんなさい』とか、

『あなたには興味がありません』といった感じだったそうです。

 

【感想】

そんなこと知ってました?

着物の振袖で、意思表示・・・。

“ごめんなさい”って袖振りされたあと、

男性はガッカリしたでしょうネ。残念。

 

逆に、“あなたのことが好きです”って袖を振ったら、

ドキッ!ですよネ。

なんか楽しいですネ。

 

 

11/17(木)  『着物の豆知識②』

 

江戸時代、女性は『振袖』の袖を振ることで、

男性からの告白に返事をしたり、逆に男性に自分の想いを

伝えたりしていたといわれています。

 

恋愛で『振る』、『振られる』といいますが、

何を振っているのかといいますと、『袖』なんだそうです。

 

そんな振袖ですが、江戸時代から、それを着ている女性が

『結婚されているか・されていないか』を、

男性が見分けるためにも必要だったとされています。

 

そのため女性は結婚すると、振袖の袖を切って短くした着物を

着るようになりましたが、これが『留袖』です。

袖を『切る』では“縁を切る”を連想させるため、

『留める』という言葉が使われたといわれています。

 

留袖には『黒留袖』と『色留袖』の2つの種類があります。

その中でも黒留袖は、“結婚されている女性が着る着物”の中で、

最も格式が高いとされています。

 

主に結婚式や結婚披露宴といった“お祝いごと”の場で、

新郎新婦の親族の方や、仲人の方が着ますよネ。

着物の背中や胸元、袖の部分に、全部で5つの家紋が入っているのが

特徴です。

 

これに対して色留袖は、“黒以外の色”が使われている留袖で、

こちらは“結婚されている・されていない”にかかわらず、

着ることができる礼装です。

 

【感想】

そうか!

“振られた”とか“振った”というのは、袖のことだったんですネ。

なるほど。

 

留袖の由来も分かりましたし、

着物で結婚しているかどうかや、意思表示もできるということが

分かりました。

やっぱり日本文化って、奥ゆかしいですネ。

 

 

11/18(金)  『着物の効果』

 

着物は見た目の美しさだけではなく、

健康にも効果があるとして注目を集めています。

 

例えば、『姿勢の乱れを正す効果』です。

着物を着る時には必ず帯を締めますが、

帯をしっかり締めることで背骨が支えられ、背筋を伸ばしてくれます。

その際、下腹部を絞めつけるのではなく、腰のすぐ上で締めることで

帯を締めた時の苦しさがなくなり、正しい着方でもあるそうです。

 

また、着物の下には、着物を汗や汚れから守るために、

『裾よけ』や『肌襦袢』、『長襦袢』といった“和装用の下着”を着ますが、

その際、体の要である腰や骨盤の位置に腰ひもを締めます。

こうすることで、骨盤を正しい位置に戻してくれるといわれています

 

さらに、着物は女性の悩みの1つである『冷え』にも

効果的といわれています。

その理由ですが、先程もご紹介したように、

着物の下には“和装用の下着”をいくつも“重ね着”しています。

それによって、冷えから守ってくれるとされています。 

 

さらに、ここに帯が加わると、お腹の部分は何枚もの生地が

重なり合っていることになるんですネ。

これで冷えから内臓を守ってくれているそうです。

 

このように、着物は“最高のレイヤード”で、

冷えと体を整えるのに最適だといわれています。

 

【感想】

着物自体はシルクだから、軽くてあったかいし、

中に何枚でも仕込めるから、案外見た目よりも暖かいんですよネ。

女性を美しく見せてくれますし、

着物文化はこれからも大切にしていきたいですネ。

 

 

【今週の感想】

私は着物が本当に好きで、お仕事などでも着る機会が結構あります。

先日も結城紬(ゆうきつむぎ)のイベントで、

結城紬の着物を着させていただきました。

その時、結城紬の行程も見学させていただきましたが、

写す人や録音する人など、みんなで作るドラマと一緒で、

着物作りはドラマだと思いました。

 

なかなか着る機会がないかもしれませんが、

着物の文化がもっと広まってほしいな・・・と思います。

 

 

【お知らせ① 次週(11/21~)からのテーマ】

 

“お互い好意を持った男女が、結婚してなるもの”・・・『夫婦』についてです。

 

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

  • スズキロゴ
パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/