スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2021.09.10

2021年9月6日(月)

私が子供の頃、兄たちとよく遊んだ

『昭和生まれのゲーム』についてです。

 

■今週(9/6~9/10)のテーマ:『昭和生まれのゲーム』

 

9/6(月)  『人生ゲーム①』

 

1960年、アメリカで“実際の人生で起こる出来事”を盛り込んだボードゲーム、

『The Game of LIFE』が発売されました。

その8年後、1968年(昭和43年)に

この『The Game of LIFE』の名前を日本語に直訳して、

『タカラ』から発売されたのが『人生ゲーム』です。

 

当時、ボードゲームといいますと、サイコロを振って

いかに早くゴールを目指すかという、

いわゆる“すごろく”式のものがほとんどでした。

そんな中、”人生”をテーマにし、自分を表すピンを刺した

クルマの形をしたコマや、ボード上の立体的な山や建物、

さらに、おもちゃのドルのお札でのやりとりはとても斬新でした。

 

また『約束手形』という言葉を、この人生ゲームで知りました!

そういう方も多かったそうです。

そして何よりもサイコロの代わりに、ルーレットを使うというのは

画期的なことでした。

こうして人生ゲームは、子供から大人まで夢中になる

大ヒット商品となりました。

 

マスのところに書かれてある項目が、アメリカ版をそのまま

直訳しているので、『牧場の跡継ぎになる』といったように

日本ではあまり馴染みのないものが多かったのも特徴でしたよネ。

 

 

人生ゲームは当時のアメリカン・ドリームが詰まってましたよネ。

子供の頃はこのゲームを通じて、未来の自分をワクワクして想像するといった

要素もありましたし、クルマにパートナーと一緒に乗って、

子供が生まれたり、仕事で成功してお金持ちになったり、

失敗して負債を背負ったり、赤いお札・約束手形が来ると

イヤ~な気持ちになったものです。

でも“ゲームだから”と安心して人生を疑似体験できる

凄いゲームですよネ。

 

 

9/7(火)  『人生ゲーム②』

 

日本では1968年(昭和43年)に発売された『人生ゲーム』ですが、

1980年に本家・アメリカ版のモデルチェンジに合わせて、

日本でも2代目が発売されました。

 

1983年には3代目『人生ゲーム』が発売されましたが、

コマに書かれてある項目も

日本独自のものにモデルチェンジされました。

そのため3代目以降の人生ゲームは、

すべて日本のオリジナルとなっています。

 

さらに1990年に4代目、1997年に5代目、2008年に6代目、

そして2016年には7代目の人生ゲームが発売されています。

ちなみに、この初代から7代目までの人生ゲームは

“スタンダード版”と呼ばれているそうなんです。

 

といいますのは、実は人生ゲームの歴史には

“スタンダード版”以外にも様々な種類が登場しているんですネ。

例えば1989年、年号が『平成』になったのに合わせて登場した

『人生ゲーム平成版』はその後、シリーズ化されています。

 

他にも様々なバージョンの人生ゲームが次々と誕生する中、

今年7月には最新作『大逆転人生ゲーム』が発売されました。

テーマは『逆境からの大逆転』で、67作目にして初めて

『副業』という要素が加えられています。

 

 

へぇ~、これは“人生を大逆転させたい!”という人が多いからの

ゲームですかねぇ。

人生ゲームも時代とともに、どんどん変化していますネ。

去年、ドラマの中で最新版の人生ゲームをやらせてもらったのですが、

『AI』とか『仮想通貨』とか『宇宙開発』とか、

今ドキの単語が出てきて、世の中の変化を感じました。 

人生ゲームの人気はまだまだ続きそうですネ。

 

 

9/8(水)  『野球盤①』

 

1958年(昭和33年)、日本を代表する玩具メーカー

『エポック社』が創設されました。

そして、同じこの年に誕生したのが『野球盤』です。

つまりエポック社の歴史は、野球盤の歴史でもあるんです。

 

野球盤の生みの親は、初代社長の前田竹虎さんです。

元々、前田さんはジグソーパズルを作る会社に勤めていましたが、

ある日、ポケットからパチンコ玉がこぼれて、

コロコロと転がっていったそうです。

そして、作りかけのパズルのピースがはまっていない『穴』に

パチンコ玉が落ちた瞬間、野球盤の基本となるシステムが

パッと頭に浮かんだそうです。

 

その後、バネを利用して球を発射し、ゼンマイを使ってバットを

回転させることによってその球を打つ・・・という野球の楽しさを

リアルに再現することに成功しました。

盤の部分も、そして盤の上に立てられる選手をイメージしたピンも

専門の職人さんによって作られたため、お値段が高かったのですが、

想像を超える売り上げとなりました。

 

翌年には早くも、磁石を使ってカーブやシュートといった変化球が

投げられる機能が登場します。

 

さらに1960年には、プロ野球界を代表するスター選手になっていた

巨人の長嶋茂雄選手をCMに起用したことで、野球盤の人気は

ますます高まっていきました。

その後、野球盤に一大革命が起きます。

 

 

野球盤、懐かしいなぁ~。

これ、我が家にもあって二人の兄とよく遊びました。

この野球盤で、私は野球のルールを知ったようなものです。

そして私はソフトボール部に入部するのですが、

野球好きになったキッカケを作ってくれたのが、この野球盤です。

 

 

9/9(木)  『野球盤②』

 

1958年(昭和33年)、エポック社から発売された『野球盤』ですが、

その後も様々なシリーズが登場し、1970年には

野球盤本体にスタンドが追加された『デラックス野球盤』が

誕生しました。

 

そして1972年には“野球盤の一大革命”が起こります。

それは“消える魔球”が投げられる装置の登場です。

この“消える魔球”とは当時、絶大な人気を誇っていたマンガ

『巨人の星』で、主人公の星飛雄馬(ほし・ひゅうま)が投げる

『大リーグボール2号』にヒントを得たものです。

 

ホームベースの上で消えるこの魔球を、野球盤で再現できないものかと

試行錯誤の末、『ボールを落とせばイイのでは』という結論に

たどり着きました。

そして、ホームベースの手前に開け閉めできるフタを作り、

投球装置にあるレバーを引くと、バッターの手前で

球が落ちて消える・・・という仕組みを考えました。

こうして“消える魔球”を野球盤で再現することに成功したことで、

野球盤の人気はさらに高まっていきます。

 

この“消える魔球”ですが、どうやっても打てないので、

『振らないで見逃したらボール』ですとか、

『バッター1人につき、投げられるのは何球まで』といった

“ローカルルール”も生まれました。

 

その後、時代とともに野球盤は、どんどん進化しています。

昨年には『日本代表「侍ジャパン」モデル』も登場しています。

 

 

一大革命とは、消える魔球だったんですネ。

この侍ジャパンモデル、スコアボードも外野スタンドも立派になって、

まるで野球場そのものですネ。本格的なゲーム。

作り手が一生懸命考えて、私たちを楽しませてくださっているんですネ。

またやりたくなりました。

 

 

9/10(金)  『ハチの巣ゲーム』

 

『ハチの巣ゲーム』は1971年(昭和46年)に、

任天堂から発売されました。

 

ひょっとしたらご存じない方いらっしゃると思いますので

ご説明しますと、37個のブロックを使ってハチの巣を作り、

その上にハチを乗せます。

そして、そのハチが落ちないように順番にトンカチで

ハチの巣を叩き落としていきます。

最終的にハチを落とした人が負け・・・というゲームです。

 

最初のうちは一度にたくさんのハチの巣を落としても、

一緒にハチが落ちる可能性は低いですが、

問題は巣の数が少なった時です。

巣と巣のつながりですとかバランスを考えながら、

1つずつ気をつけて静かにハチの巣を落とさないと、

打った時の振動でハチが落ちてしまうことがあります。

 

どこの巣を、どうやって叩いて落としたらイイか?といったように

いろいろ考えなければならないので、頭の体操にもなるゲームです。

 

私が兄たちと遊んだハチの巣ゲームは、

“ハチの巣を置いた状態で遊ぶタイプ”でしたが、

今あるのは“垂直に立てたボードにブロックをはめ込んで、

ハチの巣を作って遊ぶタイプ“みたいなんですネ。

 

そのためハチの巣は“叩いて落とす”のではなく、釘のようなもので

“刺しながら落とす”んだそうです。

 

 

ここにも進化した形があるんですネ。

このゲームはいとこ達との集まりで、プリンスホテルに行った時に、

全員にお土産として頂いた思い出のゲームなんです。

懐かしいなぁ~。

皆さんにもきっと懐かしいゲーム、あるんじゃないでしょうか。

 

 

■今週の感想 

 

今週は昭和に生まれたゲームの中から、

個人的に私がよく遊んだ『人生ゲーム』、『野球盤』、

『ハチの巣ゲーム』をご紹介しました。

 

モチロン、この3つ以外にも昭和に生まれたゲームは

たくさんあって、その分、思い出もたくさんあると思います。

また機会がありましたら、その他のゲームもご紹介したいと思います。

 

今はスマホで、1人でゲームを楽しまれる方が多いですが、

これも時代の流れなんでしょうか。

 

 

【お知らせ① 次週(9/13~)からのテーマ】

 

どんな言葉でも、元となる語源や由来があります。

そんな『語源や由来』についてです。

 

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/