スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2020.06.12

2020年6月8日(月)~

人生には、時にはピンチが訪れることがあります。

でも、そのピンチを逆にチャンスに変えた方もいます。

『ピンチをチャンスに変えた話』です。

 

■今週(6/8~6/12)のテーマ:『ピンチをチャンスに変えた話』

6/8(月)  『発想の転換』

 

今回の新型コロナウイルスの影響で、

たくさんの方が大変なピンチに見舞われています。

営業を断念してお店を閉められた方、廃業を余儀なくされた方、

仕事を失ったという方が、たくさんいらっしゃると聞きます。

そういった方々には、心よりお見舞い申し上げます。

 

そんな中、このかつてないピンチをチャンスに変えるべく、

頑張っていらっしゃる方もいます。

 

その1つが『飲食店のテイクアウトやデリバリー』です。

中には普段、お店に行かないと、いただくことが出来ないお料理を

お手頃の値段で提供している所もあります。

これによって、新しいお客さんの開拓につながるそうです。

 

外出自粛で、利用者が大幅に減った旅館やホテルの中には

地元の方をターゲットにして、活路を見出している所もあります。

例えばご近所さん限定で、割引の宿泊プランを始めたホテル。

地元や近隣の方に利用していただこうと、立ち寄り温泉や、

普段は宿泊しないといただくことが出来ない

お食事を提供している旅館・・・などです。

 

”旅館を疑似体験できる”という動画を配信した所もあります。

外出自粛で旅行が出来ない方に”お客様目線”で、

旅館を疑似体験していただく・・・というもので、

いつかは本物を体験しに来てもらいたい・・・という期待も

込められているんだそうですよ。

 

お店に様々な挑戦をしてもらうことで、一般利用者の私たちも

新しい発見や楽しみ方、増えますよネ。

ありがたいことです。

 

 

6/9(火)  『活気を失った町の復活物語①』

 

過疎化が進んで活気を失った、ある小さな町が、

一躍、脚光を浴びるようになりました。

それは徳島県上勝町(かみかつちょう)です。

徳島県の真ん中辺り、周囲を山々に囲まれた人口1500人ほどの

四国で一番小さな町です。

65歳を超える方が半分以上を占めていて

過疎化と高齢化が進んでいるそうです。

 

上勝町は元々、ミカンなどが産業の中心でしたが、

1981年(昭和56年)に局地的な異常寒波に見舞われ、

壊滅的な状況に追い込まれました。

”これでは将来に希望が持てない”と若者たちは、

どんどん町から離れていきました。

そのため”町おこし”や”地域の活性化”が求められましたが、

そんな中、当時、農協に勤務されていた方が

”それよりも仕事をつくって、まずは女性や高齢者に

居場所と出番を与えることが大事だ”と考えたそうです。

 

同時に”この町でなければできない仕事を、つくらなくてはいけない。

何かないものか?”と思っていたところ、

大阪の料理屋さんでそのヒントを見つけました。

お店にいた女性達が料理に添えられていた赤いもみじを見て

”これ可愛い!””持って帰ろう!”と声を上げたのです。

その瞬間、”これだ!そうだ、葉っぱを売ろう!”と思いつきました。

そして始まったのが『葉っぱビジネス』です。

 

離れていく若者を追うのではなく、

そこにある人材やモノで再生を図る・・・

これぞ発想の転換ですネ。

 

 

6/10(水)  『活気を失った町の復活物語②』

 

過疎化と高齢化でピンチに追い込まれた

徳島県・上勝町(かみかつちょう)では『葉っぱビジネス』で

巻き返しを図りました。

 

『葉っぱビジネス』とは、料理の飾り付けに使われる『つまもの』用に、

里山にある葉っぱやお花を料亭などに出荷するものです。

このビジネスは『彩(いろどり)事業』と名付けられました。

 

初めは地元の方々の抵抗は予想以上だったそうですが、

それでもこのビジネスを思いついた、農協職員の説得もあり、

現在ではおよそ200軒の農家が取り組んでいるそうです。

 

この『彩事業』の凄いところは、多くの高齢者の方が

パソコンやタブレット端末を使いこなし、

インターネットで全国から情報を集めて、

自らマーケティングされていることです。

 

この事業に参加されている高齢者の方は常々、

『元気なうちは働いて稼ぐこと。”何にもせんでエエけん。じっとしておれ”と

言われるのが一番辛い』と、おっしゃっているそうです。

 

知識も経験も豊かな高齢者の強みを活かした、

このビジネスモデルは国内だけでなく、海外にも知られるようになり、

多くの視察団が上勝町を訪れているそうです。

また2012年には『人生、いろどり』というタイトルで

映画化もされています。

 

そんな上勝町ですが、ゴミのリサイクルにも積極的に取り組んでいて

リサイクル率80%を達成した”日本一エコな町”としても

注目を集めているそうです。

 

やりますねぇ~!上勝町のおじちゃん、おばちゃんたち!

 

高齢者の方が新しい時代のビジネスモデルをつくっていく・・・

まさにこれぞ”生きヂカラ”元気をもらえるお話です。

素晴らしいですネ。

 

 

6/11(木)  『廃業の危機を乗り越えて、復活を果たした老舗店①』

 

それは京都にあります、和傘の製造と販売のお店『日吉屋』です。

江戸時代後期に創業された老舗で、現在五代目となる

西堀耕太郎さんの奥様のご実家でもあります。

 

西堀さんは和歌山の方で、地元で公務員をされていましたが、

奥様との結婚が決まって京都のご実家に行かれた時、

初めて和傘と出会ったそうです。

その技術の素晴らしさに感動した西堀さんでしたが、

当時、お店の経営状況はとても厳しく、このままでは

廃業は避けられない・・・というところまで追い込まれていたそうです。

 

”この技術を失うことをもったいない”と思った西堀さんは、

役所で観光事業に取り組んだ経験から、

ホームページを作ることを思いつきます。

そして大学でITビジネスを学んでいた弟さんに、

日吉屋のウェブサイトの制作を依頼しました。

今から20年以上も前のことで、インターネットの時代が

始まったばかりの頃です。

 

その後、番傘の注文があったことに日吉屋の再建の可能性を信じた

西堀さんは2003年、29歳の時、役所を退職して

職人の道を進むことを決意しました。

そして翌年、日吉屋の五代目になりました。

 

以前よりも売上を10倍に伸ばすことに成功しましたが、

それでも厳しい状況には変わりなかったそうです。

そこで西堀さんは、ある画期的なことを思いつきました。

 

公務員から職人さんに転職、かなりリスキーだったと思いますが、

どのようにピンチをチャンスに変えたのでしょうか。

 

 

6/12(金)  『廃業の危機を乗り越えて、復活を果たした老舗店②』

 

五代目となった西堀耕太郎さんによって、

京都の老舗和傘店『日吉屋』は廃業の危機を乗り越えましたが、

それでも厳しい状況であることは変わりなかったそうです。

 

そこで西堀さんは京都の和傘をもっと親しんでもらうために、

和紙からこぼれる陽の光をヒントに、

『和傘の技術を活かした照明器具』を思いつきました。

そして照明デザイナーといった違う分野の方々と

一緒に作ったのが、シンプルでモダンな和風照明

『KOTORI(古都里)』です。

    

筒型をしていて、コンパクトに畳むことが出来ます。

筒型は照明デザイナーの方からの提案で、

畳めるようにしたのは、西堀さんからの提案だったそうです。

お互い思いつかなかったこと、お互いのイイところが合わさって出来た、

この和風照明『KOTORI』ですが、

2007年には『グッドデザイン賞・特別賞』を受賞しています。

さらに販売のエリアを国内だけでなく、世界にも広げていきました。

 

実際、私はこの西堀さんにお会いして、お話を伺ったことがあります。

西堀さんが初めて奥様の実家に行った時、

お祖父さまが造る和傘の技術に感動したそうです。

”この技術を絶やすのはもったいない。

何とか日本の伝統の技を後世につないでいきたい・・・

その思いで走ってきたら、全国からお弟子さんが集まってきて

後を継ぐ人ができました!”と、笑顔でおっしゃっていました。

ピンチをチャンスに変えたのは

”つなぎたい”という気持ちだったんですネ。

 

 

■今週の感想 

 

前回、『傘』をテーマにお話した時、

和傘についてお話させていただきました。

 

その後、スタッフの方に

”京都の老舗和傘の日吉屋さんが

 廃業の危機を乗り越えて、違う視点で

 復活したんですよ”とお話したところ、

”ぜひそのお話を番組でしましょう!”ということで、

今回このテーマになりました。

 

『ピンチをチャンスに変える』。

言葉にすれば簡単ですが、実際はとても難しいです。

それでも気持ちを前向きに頑張ることで、

良い結果につながるのだと思います。

 

『明けない夜はない。やまない雨もない。過ぎ去らない嵐もない』という

言葉があります。

気持ちを前向きに、夜が明けるのを、雨がやむのを、

そして嵐が過ぎ去るのを待ちたいですネ。

 

 

【お知らせ① 次週(6/15~)からのテーマ】

 

フルーツの中で、私が一番好きな『ビワ』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/