歌人・エッセイストの上坂あゆ美さんが登場。
短歌を作り始めたきっかけや、上坂あゆ美流の短歌のつくりかた、
そして、2022年に発表した話題の第1歌集『老人ホームで死ぬほどモテたい』
(書肆侃侃房)の作品について、
さらにそこに込められた思いなど伺いました。
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歌集:『老人ホームで死ぬほどモテたい』(書肆侃侃房)
上坂あゆ美の短歌
最初の短歌集『老人ホームで死ぬほどモテたい』(書肆侃侃房)には、
地元や家族、学校でうまくいかないという気持ちが
多く含まれている。
ネガティブな気持ちから詩や短歌を作る人と、
そうでないものからつくる人がいると思う。
自分は、怒りや不満がモチベーションになっていたタイプなので、
テーマをこれにして作ろうというよりは、
作っていたらそうなったという感覚。
一歩引いて冷静に見ているとよく言われる。
あまり意図的にやっているということではない。
地元が好きでなかった、また、家庭の事情などの思いが
正直に書かれている。
架空のことで書く人もいるが、自分は実体験が多い。
短歌を始めたきっかけ
詩や短歌など、芸術は、イデアだったり、理想だったり、
美しいと思ったものを切り取るものだと思う。
悩みながらも強く生きていくということが人生で一番美しい
という感覚がある。
短歌は2017年から書いている。プロになってからは1~2年。
子どもの頃は詩や歌などは書いていなかった。
学校の授業で俵万智さんを知るぐらいだった。
もともとは文章より絵を描くことの方が得意だと思っていたので、
美術大学に行った。
ここで油絵や彫刻や映像をやっていたが
とても作るのが大変、作品は大きく、時間もかかる。
短歌に出会った時に、とてもコスパがいいと思った。
31文字でいいのか!と感じた。
歌集:『老人ホームで死ぬほどモテたい』ができるまで
自分は、短歌になりそうなことをiPhoneにメモをしていて、
作るぞというときにパソコンで31文字にしていく。
短冊に書いているのかと聞かれることがあるが、
そうではなく、スマートフォンで書いている。
もともと短歌を作り始めて、新聞や雑誌の投稿欄に送っていた。
歌集:『老人ホームで死ぬほどモテたい』(書肆侃侃房)は
この書肆侃侃房で新人歌人を発掘するという企画があり、
応募したところ、選んでいただいた。
本来、短歌は短歌結社や学生短歌会など組織に所属し、
そこで磨き上げられて本をだすというのが一般的なルート。
それでいうと自分は急に出てきた人という感じ。
30首あれば応募できるという感じだったが、
そのとき自分の手持ちは40首しかなく、
そのうちの30首をだした。
一般的に歌集を出される方は500首や1000首つくり、
その中の300首とか250首を出すという世界。
この歌集も280首入っているが、そのようなルールを知らず、
自分は300首以上つくり、280首を出したという形だった。
エッセイと短歌
エッセイも書いている。
詩は現実を超越している存在で、
エッセイの方が現実に即しているものでありやすいが、
自分の場合は短歌も現実なので、
現実を超えた創作ができる人にあこがれがある。
31文字でつくったほうが美しいものか
長くかいたほうが美しいものかで
短歌かエッセイかを判断。
同じ素材をどっちの料理にするかを判断しているような感覚。
第一歌集:『老人ホームで死ぬほどモテたい』を出した後
書きたいことを書いたという一種の脱力感がある。
短歌が自分にとって大事なものであるからこそ、
短歌にせざる得ないときがくると思うので、それまで待ちたいと思う。
歌集をだした後、作風が変わった。
色々なものに対する怒りがなくなった。
次は嬉しさ、楽しさ、現実以外の歌作をしてみたいと
取り組んでいるところ。
これからの夢
歌集:『老人ホームで死ぬほどモテたい』では
10代の辛かった自分を成仏させたいという思いを表現。
この本を作る過程で、解き放たれた感じ。
本の最初と最後の方では歌が違う。
地元や自分の生い立ちを認める過程は
一歩一歩という感覚がある。
自分に自信がなかったのだと思う。
仕事なり、表現なり、生き方なりで
だんだん自分が自分を認められるようようになったときに
初めて地元や家族に助けられていたことを認められた。
このような過程は歌をつくっていた感じられた。
自分の作品は自分のように悩んでいたり、
地元でモヤモヤしている若い子や
そういう気持ちをもっているすべての人に届けたい。
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