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2023.08.25

新潟県上越市のトマト農家「やまぎし農園」の山岸協慈さん

新潟県上越市で「やまぎし農園」を営まれているトマト農家の山岸協慈さんが登場。

山岸さんの作るトマトは、市内複数のレストランオーナーが絶賛、道の駅などに並べられると即完売するほどの人気。

こだわりのトマトづくりについて、

そして、サラリーマンからトマト農家になったきっかけ、

さらに、プロ並みの腕前という山岸さんの意外な趣味についても伺いました。

詳しくは、コチラ

注文、問い合わせ コチラ

 

やまぎし農園のトマト

トマトは、1月に種をまき、霜がおりるまでは収穫できる。

6月と10月ごろがおいしくなる。

農薬や化学肥料を極力使用せず、

1か月発酵させた自家製の“ボカシ肥料”を使用

これは、米ぬか、菜種油かすなどを微生物で発酵させ、

水を混ぜ、温度を50度くらいにあげ、

それを1か月くらい毎日かきまぜて、発酵を続けて作る。

これは、石川県の農家の先生に教えて頂いた。

注文は電話かメールで。

小さい農家なので、6月は1~2週間お待たせすることもある。

秋は実が割れやすいので、発送はしていない。

トマトは最高気温が25度くらいで乾燥したさわやかな気候がいい。

夜は15度くらいに下がると昼間に光合成した養分がうまく回る。

日差しがあって暑すぎない「春」と「秋」がいい。

トマトは「夏」のイメージがあるが、今、夏は暑すぎる。

年々トマトには非常に厳しい気候になってきている。

20年くらい前から、夏は遮光ネットで光を弱めて栽培するようになった。

以前は、7月後半、梅雨が明けて日差しが強くなったらネットをかけ、

お盆が過ぎて涼しくなってくるので、1か月も遮光することはなかったが、

今は、6月から9月まで遮光しないといけなくなった。

これ以上気温が高くなると冷房を入れなければいけなくなる。

 

 

トマトづくりのきっかけ

やまぎし農園では肥料にもこだわっている。

もともとの土も、肥料を保持する力:保肥力がある土地を探した。

ただし、乾くとカチカチで雨が降るとドロドロになるという短所もある。

そのため、もみ殻や有機物を加えることで、

柔らかくなるように土づくりをしていった。

トマトを作ろうと思ったのはが好きだから。

最初からトマトだけを作ろうと思ったのではなく、

稲やいろいろな野菜を作りたいという気持ちがあった。

好きなトマトから作り始め、

作ってみたらすごく手間がかかることがわかった。

軌道にのったら稲もつくりたいと思っていたが、余裕はなく、

だんだんトマトが主力になっていった。

1日のスケジュールは、

最盛期の6月は4時に畑にいって、成長をみて、6時過ぎまで収穫をして

妻は収穫したものを持って帰り直売所の袋詰め。

自分は朝ごはん前まで収穫をし、その後は袋詰め、コンテナに詰めたり、

畑に戻って水を与えたり、管理をする。

遅い時には夜9時頃スーパーに出荷に行くこともある

 

 

山岸さんとギター

2021年、「第22回全日本アマチュアギターコンクール」で1位になった。

コンサートにも呼ばれるが、仕事が忙しいと難しいので

できる時期にやっている。ギターは生きがい。

音楽全般が大好きで、

農家を初めて、仕事をしているときも一日中イヤホンで

音楽を聴き続けていられ、これはいいと思った。

30代半ばに脱サラをして、夫婦で土地を探して新潟へ。

もともと祖父が農家。父の代に兼業農家になった。

子どもの頃、田んぼや畑に行くのは楽しかった。

20世紀の後半、世の中が環境問題を考える空気になり、

自分も環境問題を考えるようになり、

農家に興味をもち、農業をやってみたいと思った。

妻は東京生まれ、東京育ちで、全く知識がない中、

自分がそこまでやりたいなら仕方ないとついてきてくれた。

今は自分よりもこの土地に馴染んでいる。

出逢う人がみんな親切で、

いろいろ教えてくれたり助けたりしてくれたので、なんとかやっている。

 

 

気候への対応と作物

今後、この夏の猛暑が落ち着くとは考えられない。

対応していくしかない。

周りの温度が35度もあると光を遮るだけはだめ。

霧をふくなどするしかない。

トマトは種をまいてから収穫するまで時間がかかる。

大きな野菜農家の中には、

雪も積もっても大丈夫な鉄骨の大きいハウスで暖房を焚いて、

冬のうちに植え、春の早いうちに収穫するという人もいる。

しかし、自分は、暖房設備など、なかなか難しい。

トマトの他に、冬は、特産のアスパラ菜をつくっている。

アスパラ菜は、とう菜の一種で、葉っぱより伸びてくる“とう”を食べる。

食感がアスパラに似ているので、「アスパラ菜」と呼ばれる。

10月頃に植え、12月から2月ごろに収穫する。

アスパラ菜は、氷点下5度やそれ以上になると茎が割れてしまう。

新潟は雪は積もるが、最低気温はそんなに下がらない。

寒いとおいしくなり、茎が割れるほど寒くはならないので、

この土地にあっている。

 

 

あたたかい人とのつながり

トマト農家を初めて23年になる。

トマトをつくり始めた年も収穫できた。

量はすくなかったが味はよかった。

これは水を控えすぎてしまった。

水やり10年といわれるほど、水加減がとても難しい。

トマトを作り始めた当初から、家の車庫の前にパラソルを立てて、

コンテナをおいて、袋詰めしたトマトの直売を始めた。

意外に買ってくれる人がいた。

独立する前に研修させてもらった市内の朝日池総合農場の平澤社長に

自分で売らないとだめだと教えてもらい、思い切って売った。

石川県の師匠も平澤社長が紹介してくれた。

研修しながら月に1回ほど通い、

先生が何十年も研究して試行錯誤したことを教えてもらった。

先生は健康な作物を作り、おいしくて量もきちんと穫るが、

自分はまだ量が獲れていない。

いっぱい獲れたと先生に報告をしたいと長年思っているが

未だ叶っていない。

土地を貸していただいている家の奥さんから

トマトは嫌いだが自分のだったら食べられると言ってもらった。

そのような言葉はとても嬉しい。

 

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