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2023.06.23

NPO法人JHD&Cの渡辺貴一さんに聞くヘアドネーションの活動と現代社会が抱える問題点。

NPO法人JHD&C(ジャーダック)代表理事の渡辺貴一さんが登場。

髪に悩みを抱える子どもたちに医療用ウィッグを無償提供する

ヘアドネーションという活動について、

そして、そこから見える現代社会が抱える問題点についても伺いました。

 

Japan Hair Donation & Charity(通称:JHD&C,ジャーダック)

詳しい活動については コチラ

Instagram コチラ

 

NPO法人JHD&C(ジャーダック)の監修本『31cm

詳しくは コチラ     

 

ヘアドネーションとは

ヘアドネーションの活動を初めて13年くらい。

髪の毛を伸ばしていて、気分が変わって切ろうとしたときに

ロングヘアの方がショートにすると髪の毛がバサッとおちる

それを拾い集めれば、

ウィッグができるのではないかと思って始めた活動。

皆さんから協力していただいた髪の毛でウィッグをつくり、

18歳以下の子供たちに無償で提供。

最低31cm以上でお願いしている。

この“31cm”が象徴的な言葉として広まっていったが、

実際は長ければ長いほどウィッグとしては役立つ。

これまで13年間で650体ほどのウィッグを渡した。

ウィッグを受け取った人の比率は、

女の子9割に対して男の子1割。

なぜ同率でないのか。自分はこれが不思議に思う。

ここからヘアドネーションの話をすると、

人ごとではない、また、髪の毛だけの話ではない

問題提起になると思っている。

 

 

ヘアドネーションの現状

JHD&Cに寄付する方は少なくても年間10万人いる。

現在、その中の約40%は10代で、

男性からのヘアドネーションが増えている。

5年ほど前は1万人の中に1人しかいなかったが、

昨年1.91%、今年2.75%と、

男性からの寄付が何百倍に増えている。

さらには、男の子からの寄付が増えている。

その人たちから話を聞くと、出先で男性トイレに行った際、

「女の子は入ってはだめだよ」と言われたことがあるそう。

これは男の子、女の子への評価があったのではないか。

ヘアドネーションの活動自体はいいことだと思う。

この活動が広がっていくことが、

社会が良くなっていくことになるのか、と考えてしまう。

ウィッグは選択肢になってほしい。

現在の価値観で考えると、髪の毛がなかったとしたとき、

暑いときにウィッグをつけないで出かけるという選択肢を

どれだけの人ができるか。

今はウィッグが強制になっている気がする。

それが自由に選択できるようになれば、

みんなにとってよいことだと思う。

2年前に、自分がこの番組にでたときと、

徐々に社会の価値観が変わってきたと思う。

これは希望だと思う。

 

 

ヘアドネーションから考える社会問題

男の子からの寄付が増えているというのは

男の子が髪を伸ばしていても

違和感を覚えない社会に変わってきている。

自分たちの世代はジェンダー問題と紐づけて考えるが

若い世代の中ではそのような問題はなくなっているのかもしれないと

希望的観点だが思っている。

好きで髪の毛を伸ばしている人が、

「ヘアドネーション?」と聞かれたり、

長い髪を切ったときに「ヘアドネーションしなかったの?」

と聞かれたりするのは違う。

そこも自由であってほしいと思う。

役に立とうと思って一生懸命髪を伸ばしても、

伸びたから切った、それを寄付できるならしようという

軽い気持ちでも良い。

さらに、自分はやらないということも良い。それも選択。

自然になっていけばいいと思う。

接点がないと理解は深まっていかない。

まずはこのような活動があることを知ってもらうこと。

 

 

ヘアドネーションの活動と社会の変化

髪の毛が抜けるくらいなら抗がん剤は嫌だというガン患者が、

ガンで亡くなられた人の話や、

お母さんが脱毛症の娘を抱きかかえて、

海に飛び込もうかと考える人の話をきいた。

髪の毛が生えていると、このような話をきいて、

たかが髪の毛、命のほうが大事と思うかもしれない。

しかし、これは人の尊厳にかかわる話、

こちらに判断できる話ではない。

ウイッグを使えばいいというだけではない。

自分は今、取材がとても多く、

小学生や中学生、高校生からの取材を受けている。

そのほとんどの人が著書『31cm』を読んでくれている。

意識は変わってきていると思う。

若い世代に希望をもっている。

しかし、現在はジェンダーによって紐づいているもの、

自分が望むかどうかにかかわらず、女性像、男性像というのがある

まずこれを取り払ってから、

ヘアドネーションというものを見てほしいと思う。

 

 

これからの活動に向けて

ヘアドネーションの選択は自由。

そもそもウィッグを選択できていることは、

どん底から立ち上がって前向きになっていること。

650人の中に一人でも命がつながった人がいるとすれば、

素晴らしい活動だと思う。

そこに連なるヘアドネーションすべてが、同じ意味があると思う。

人のために伸ばしたいということは美しいこと。

しかし、みんながやる必要はない。選択の自由がある。

男の子だから、女の子だからということはない。

ドナーになるには、まずJHD&Cのホームページにアクセスしてほしい。

難しい手続きはない。

髪の毛がないということはどのようなことなのか、

なぜ幼い子どもがウィッグをかぶらないと外にでられないのか

その社会を少しでもみんなにみてほしい。

そして、その視点からヘアドネーションをもう一度みてほしい

我々が抱えている本質的な問題の枝葉として

表れていることだと感じている。

枝葉にがんばるのではなく、

大もとの根っこのほうをみんなで考えませんか?

 

 

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