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2022.08.05

テクニカン山田義夫さんが冷凍業界を変える最先端の液体冷凍技術

最先端の液体冷凍技術を使った食品用冷凍装置『凍眠』を製造する

株式会社テクニカン 代表取締役社長の山田義夫さんが登場。

食品を冷凍する前とほぼ同じ状態を再現できるという

冷凍業界を変える画期的な機械の開発のきっかけなど、

開発秘話やこれからの取り組みなど伺いました。

 

テクニカン 詳しくは、コチラ

液体急速凍結機 凍眠(とうみん)  3分で分かる動画!   コチラ

通常の急速冷凍は「冷たい空気」で凍らせますが

「凍眠」は-30℃の液体で凍らせます。

液体は気体よりも熱伝導率が良いため通常の急速冷凍よりもさらに速く凍ります。

 

冷凍技術の常識を打ち破る 『凍眠』とは

株式会社テクニカンは食品用の冷凍装置を製造販売するメーカー。

液体で食品を冷凍する『凍眠』という機械を開発

液体で凍らすということは皆考えていなかった。

マイナス60度で冷凍したマグロを解凍するとドリップがでる。

そのとき、マイナス80度などそれ以下の温度で凍らせようと考えがちだが、

気体で凍らすというのは限界がある。

液体で冷凍するというのは、次元が違う凍結方法で、

約20倍の速度で凍結させる

それにより、細胞が破壊されず、ドリップがでない。

冷凍前のおいしさをと食感を復元するすることができる。

5年経っても同じ。肉も現在20年保管しているものがあるが変わらない。

食品ロスなど、SDGsにも貢献することができる機械。

発明はしたが、皆に知ってもらうまでには時間がかかった。

1989年に会社を設立し、皆に知ってもらうために全国をまわった。

設立から10年後くらいから、だんだんと、この凍結はすごいという人がでてきて、

全国に広がっていった。

 

 

『凍眠』開発秘話

13歳ぐらいからダイビングをしていた。

ダイビングで、水温25度の水に入ると、

外気温の25度にいるのと違い、体温が急速に奪われる経験から

液体が熱を奪う力がすごいと本能的にわかった。

そこから液体で凍らせようと考えた。

また、比重が軽く、0度以下で燃えないところから、

アルコールを使用。

『凍眠』というネーミングは自分が考えた。

凍らせて眠らせる。起こせば同じ味になるところから名づけた。

『凍眠』はほとんどのものを冷凍できるが、ウニはできない。

ウニでも種類と季節によってできるものもあるが、

全体的に失敗することが多い食材。

ダメな食品があってもいいと思っている。

その他、だめなものは野菜やフルーツ。。

本来野菜やフルーツは解凍すると酵素分解するので、

解凍しても完全にもとに戻らない。

完ぺきではないが、冷凍フルーツとして冷凍のまま食べたり、

調理に使うなど、生野菜として食べるのでなければ問題ない。

 

 

『凍眠』を使った商品開発         

『凍眠』は、自分で作ったものだから愛情があるので、

売れなくてもあきらめなかった。

人生に失敗はない。成功するまでは全部経験。

『凍眠』で冷凍したベーコンがあり、

今は専門店で売られているが、

これはもともと売っていたのではなく、作って人に配っていたもの。

バラ肉に塩もみしてしみこむまで10日。

表面を洗ってからつるして8時間燻製。それを凍眠させた。

このベーコンは、冷凍を感じさせず、燻した感じが口に広がる。

ほとんど防腐剤は使っていない。添加物はいれたくない。本物を作りたい。

家庭用の『凍眠』もある。

しかし、業務用の小型の『凍眠』が売れたため、

家庭用はないがしろにしてしまい、あまり売られていない。

また、家庭用の冷蔵庫の冷凍室は霜とりの機能があり、若干冷凍が緩んでしまう。

そのため、霜とりがない冷凍ストッカーをおすすめする。

冷凍ストッカーの一番上の段に液体パックに挟んで凍らせるという機能をつけたのが

「凍眠マジック」。これを使うと3~4分で凍らせることができる。

自分が凍眠で凍らせたベーコンをプレゼントする家庭には、

このストッカーも一緒に送っている。

 

 

冷凍食品専門店

『凍眠』で凍らせた食品のみを取り扱う

「トーミン・フローズン」という専門店をオープン。

横浜市都筑区に1号店、仙台市に2号店を開店。

専門店をオープンしようと考えたのは1号店オープンの半年前。

一般の人に知ってもらいたいと思い、

ユーザーさんから商品をだしてもらい開店。

今度横浜の会社の近くに大きな店をつくる、

他に、東京の麻布の方にもつくりたいと思っている。

しかし、『凍眠』で凍らせた食品のみを取り扱ので、

商品を集めという点から、店舗を増やすのが難しい。

『凍眠』は現在2000社以上が導入。

飲食店の業務用は年間で800~1000社づつ増えているので

かなり多くなってきてはいるが、店のスピードに追い付かない。

3店舗ぐらいであればなんとかなるだろうと考えている。

取り扱っている商品は、焼き鳥、お好み焼き、蕎麦、デザート、日本酒など

およそ500品目ある。

寿司もある。『凍眠』は分子構造を変えないので、

解凍してもご飯がぼそぼそにならない。そのまま食べられる。

また、保存期間が長い。

購入し、家庭で冷凍庫に入れるときは、新聞紙にくるんで入れるとよい。

ワンクッションあることで、霜とりの影響が中まで受けにくく、

長持ちさせることができる。

 

 

世界から注目される『凍眠』~これからの夢

消費エネルギーの面でも効率が良いと評価され、SDG‘sの考えにも符合すると

『凍眠』は、世界的に注目を集めている。

2018年、2019年には国連本部で講演。

会社の顧問弁護士が国連の理事で、国連の人が会社にきて、

これはすごいとニューヨークの国連本部でスピーチをしてほしいと頼まれた。

自分はすべて自然から学んでいる。

自然に近いものでアイディアを考えている。液体凍結も自然の力。

もともと液体と気体では液体のほうが14倍熱をとるのが早い。

しかし14倍では面白くない。20倍、22倍にすると究極になっていく。

熱の放出の仕方を変えるなど、どんどん高めていく。

これからも自然に沿ったものを作る。

家庭用冷蔵庫の冷凍庫の開発もおこなっていた。

液体パックを4つ入っているものを作ったが、これが庫内のスペースをとってしまう。

特にコロナ禍で冷凍食品が増えたこともあり、

家庭用冷蔵庫では入れ込むスペースがない。

第2家電として、新しくこれから開発を始めようと思う。

レストランにも導入されている。

生のメニューをすべて生のままおいておくことは難しいが、

冷凍しておくことで、いつでもそのメニューを出すことができる。

また、安い時に仕入れておくということもできたり、

ポ―ションカットして1人前ずつつくっておくこともできる。

商品管理も楽にでき、もちもよい。

『凍眠』により、レストランなどの業種の体質が変わってくると思う。

 

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