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2022.07.08

光彫り作家 ゆるかわふう さんが作る光で作り出す世界。

世界初のオリジナル技法「光彫り」を考案し、

注目を集める芸術家

光彫り作家のゆるかわふう さんが登場。

世界初の芸術が生まれた経緯を伺うと共に、

光彫りとは何か、その魅力に迫ります。

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世界初の技法「光彫り」とは

「光彫り」に使用する素材は、建材の発泡断熱材。

とても軽く、厚さ3cmほどで少し水色がかかっていて、

緻密な発泡スチロールのようなもの。

断熱材に青い着色料が練り込まれているので、

暗闇で後ろから光を当てると、青い光を放つ。

この青い光が好き。削って薄くなると光をよくとおす。

これが面白いと思い、この光で何か描けないかと思い始めたのが最初。

削り方は3種類。

1つ目は、金属のブラシを電動ドライバーにつけ、回して削る

2つ目はシンナーで溶かす。

3つ目はハンダゴテで溶かす。

作品は、遠くからみると写真のような平面にみえるが、

近くに寄ってみると、でこぼこしている。

後ろから光を当てると絵が浮かび上がる。

いろいろな質感がでるので面白い。

第1号作品は2008年頃、大学に所属していた時に制作した

サンゴなどが彫られている真っ青な海をイメージした茶室。

 

 

光彫りをはじめたきっかけ

東京藝術大学美術学部建築科を卒業。

光彫りに使用している断熱材は、

建築の模型を作るのに使用しており、

建築科の学生にとって、身近な素材だった。

建築を学び、大学院にいき、グループ展に出展する際、

皆は立派な絵を描いているが、

自分は建築模型しかつくってこなかったので、

断熱材以外使えるものがなかった。

もともと海が好きで、「青」が好きで、たまたま合致して生まれたのが光彫り。

そして、建築科出身ということで、茶室を作ろうと思った。

また、この頃ダイビングを始め、海の中の魅力を陸地で再現したい、

海を知らない人にも体験してほしいと思い、海をテーマにした茶室を制作。

一つの作品の制作にかかる時間は、彫ることだけであれば、1週間から10日だが、

そこにいたるまでに、結構時間がかかる。

何を描きたいか、自分が何を見たいか興味がわかないと、

機械的に彫っていてもつまらない。

青以外にオレンジ色の作品もあるが、これは、断熱材のメーカーの違い。

あまり色のバリエーションはないがその中で描いている。

 

 

湯河原のアトリエ

湯河原にアトリエを構えている。

もともと幼稚園だったところをアトリエに。

大学院の時の布施英利先生が湯河原の廃旅館をリノベーションして住んでおり、

合宿などで訪れたとき、このような生き方を面白いと思い、憧れ、

自分も湯河原に住みたいと思い、東京から移り住んだ。

土地は大事。

その場所でしか生み出せない、もしくは今しか生み出せない。

瞬間があると思う。

湯河原にいるからこそできている作品だと思う。

湯河原の地元から世界へという夢を持っている。

布施先生は「自然から学ぶ」というのを大切にしていて、

自分も海に潜り、海の中をどのように作品にしようかと考えた。

今年1月から3月まで神戸で個展を開催。

11月12日から12月25日までは横浜そごう美術館で個展を開催。

実物は、写真や映像でみるのとは全然違う。人間の目で見るものはすごい。

どんなカメラを使うよりも暗闇で見るときの青さは

人間の目が一番よく見えると思う。

 

 

モノづくりで大切にしていること

光彫りの表現で大切にしていること。

一つ目は、「日本生まれの古くて新しい芸術を世界へ」。

日本の空の青さ、海の青さなどの青の魅力、

そして古くて新しいものを広めていきたい。

素材そのものは世界中で使われているものだが、

光彫りだからこそ表現できるものがある。

二つ目は、「隠れた原石に光を当てる」。

普段目にしない、気にしなかったものに

たまたま光を当てたら全く違うものに見える、というものが自分は大好き。

「光彫り」と名前を付けたのは、彫れば掘るほど光がでてきて宝探しのようだから。

断熱材は安くて使いやすく優秀だが普段人目にはふれない地味な素材。

それがひと手間加えるだけで全く違う魅力がでてきて輝きだす。

この驚きが面白い。

舞台に上がると急にスポットライトがあたり、まぶしく輝きだす素材だと思う。

素材のシンデレラストーリーである。

モノづくりで大切にしていることは、

作っていく上で、自分が面白くないといけないということ。

そして、自分の内なるもの、心の中にどんな光が見えているのか。

それを彫りだすということ。

 

 

光彫りの可能性、夢

今年11月12日から12月25日まで横浜そごう美術館で個展を開催。

会場は暗くなっていて、作品だけに光があたっている、

作品は畳一畳分の額縁を何枚か並べて壁にかけている結構大きいもの。

絵画を見ているという感じではなく、水族館の水槽を見ている

もしくは京都の庭をみているような感じである。

湯河原でワークショップもやりたいが、

制作現場は過酷で、粉だらけになり、また、

ハンダゴテで溶かした時に匂いもするということで、本格的にやるのは難しい。

しかし、いずれ、工夫してワークショップはやってみたい。

音楽や能などとのコラボレーションをやったことがあるが、

音楽、舞台、茶室などいろいろな組み合わせでどんどん面白くなる。

可能性は大きい。いろいろ試してみたい。

基本的には何でも書きたいタイプなので、

いろいろな提案をもらった方がアイディアが広がる。

 

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