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2021.11.26

11月22日(月)からは、 清元節 浄瑠璃方の清元美寿太夫さんが登場。

今年6月に「第51回ENEOS音楽賞邦楽部門」を受賞された

清元節 浄瑠璃方の清元美寿太夫さんが登場。

浄瑠璃とは何かから始まり、浄瑠璃や清元節の魅力、

そして、清元節のプロとしてのあり方などを伺い、

あまり知られていない浄瑠璃の世界をお聞きしました。

 

第51回ENEOS音楽賞について 詳しくは、コチラ

 

浄瑠璃とは

浄瑠璃は文楽の義太夫と同じスタートだが、常盤津と清元にわかれた

浄瑠璃は邦楽の三味線で演奏するもの。

清元は、三味線は中竿を使う。

浄瑠璃は語って物語をわかりやすくしていく。

浄瑠璃の中でも三味線のメロディ、音をきれいに聞かせる部分、

そして、唄を語って物語を説明する部分と、声を聴かせる部分がある。

歌舞伎や人形浄瑠璃などで三味線と語りを担当するのが浄瑠璃。

唄を担当する「太夫」と三味線が演奏するチームとして成り立っている。

自分は「太夫」。題目によって、語るもの、歌うものがある。。

父は太夫、母が三味線のプロ。兄が三味線を希望し、

自分はあるすばらしい人の唄を聞いて、唄方になろうと思った。

見て聞いて覚える世界。難しい。簡単にはできない

ひとりひとり声帯も声の出し方も声を出すタイミングも違う。

最終的に自分を見つめて勉強していくしかない。

 

 

浄瑠璃の世界

両親も「清元」で兄は人間国宝、初代清元榮三。

子供のころから浄瑠璃が周りにある環境だった。

4歳で清元を親から教わった。本もまだ読めない頃に口伝で教わった。

4歳から唄い、小学校に入り、よそのお師匠に本格的に教わるようになる

これがこの世界では普通。

ごはんより好きというくらいでないと と思う。

故 中村勘三郎さんの初舞台「桃太郎」が自分の歌舞伎座での初舞台だった。

勘三郎さんは3歳、自分は17歳の時だった。

舞踊家や歌舞伎の俳優がいない舞台で清元のみを演奏することを

素浄瑠璃・素演奏といい、これが基本でとても大事。

きちんとした唄、三味線が弾けないと、踊りの伴奏は難しい。

素演奏の舞台はコロナ禍で今は少ないが、例年は年間を通じて4回ほどある。

発声練習は、起きて最低1時間たってからウォーミングアップ。

1回1時間。休憩して調整し直す。

1~2時間の間をあけて、本番の舞台に臨むのが理想。

 

 

仕事の流儀

61年間で完全に声がでなくなったことはこれまでに3回。

これは声の出し過ぎによるもの。

芝居だと1日に1段、舞踊公演会では1日歌っている。

舞踊公演の長いものだと1週間続く。

そのような状況では、自分でコントロールすることが必要。

それができないといくら鍛えていても声帯を痛めてしまう。

自分が「ワキ」という、隣に並ぶときには代わってもらえるが、

自分がトップ、真になったら代わりの人はいない。

自分が指名されているので、どんなことがあっても舞台にのらないといけない。

辛い時、三味線方で力がある人は、カバーしてくれる。

そこがコンビというもの。三味線と一体にならないといけない。

幼いころに覚えた邦楽の感覚は絶対で、

邦楽に囲まれた環境に育った人と比べると、

そうでない人は、かなわないとおもう部分もあるが、

そこからいかに成長し、自分の感覚を高め、

その人たちと並び、追い越せるかである。

 

 

浄瑠璃の魅力

清元の魅力は三味線の音への興味、それにあった声。

清元の三味線はとても耳あたりのいい音。

それを心がけて、清元の三味線方になる。

ということはそれに合わせて歌もいい歌、いい声でないといけない。

三味線もいい声でいい歌を歌うといい音をさせようという気持ちになるだろうし、

そのような気持ちになってもらえるように唄方も唄う。

右の耳から左の耳へスーッと聞き流せる

聞いていてBGMのように気にならない、快い演奏がいいと思う。

唄方としてのどのためにしていること。

清元節は美しさが魅力。

時代が新しいので、いいとこどりをしてできている。

義太夫から物語の一説をもらったり、新内のいいところをもらっている。

江戸時代の末にできたもので、

江戸前のしゃれたいいものが出来上がった。

 

これからの活動

「第51回ENEOS音楽賞邦楽部門」を受賞

この賞を機に自分自身ももう少し歌いたい。

精進しながら若い人も育てていきたいと思っている。

自分はプロの弟子ももたず、ここまできた。

清元はひとりで舞台に立つということはない。協力が必要。

自分の隣に並ぶ若い人を育てる義務があると思う。

若い世代は少ない。

プロは伝統芸能を継承していく人を育てていかないといけない。

大切にしていることは常に自分をみつめて、

日本の伝統文化を守っていくこと。

これを一つの歴史として長く長く継承していく人をつくっていかないといけない

ということをいつも念頭においている。

 

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