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2021.10.22

評論家の山田五郎さんの闇の西洋絵画史と機械式時計の魅力

評論家の山田五郎さん登場。

今年発表した「闇の西洋絵画史」(創元社)、

「機械式時計大全」(講談社選書メチエ) 

2冊の専門的著書を中心に

なぜドクロを描いた絵が多く書かれているのか、

なぜ機械式時計に惹かれるのかなど、

西洋絵画と機械式時計の面白さ

その魅力に迫ります。

 

山田五郎 オトナの教養講座 (YouTubeチャンネル) コチラ

【公式】山田五郎 オトナの教養講座 Twitter コチラ

 

 

「闇の西洋絵画史」 

3月に創元社から「闇の西洋絵画史」シリーズの第1期「黒の闇」篇を刊行。

悪魔や、どくろ、死という比較的ネガティブイメージのある絵画が

多く書かれているというのは、需要があったということ。

なぜ、人々はドクロの絵を欲しがり、

それを部屋に飾ろうとしたのかをみてみると、

いろいろなことがわかってくる。

今、我々の暮らしの中では“死”がタブー視され、蓋をされているが、

“死”はもっと身近なものだった。

“死”は当然怖い。しかし、蓋をしているだけではだめで

真正面からみつめたほうが乗り越えられる。

ドクロの絵は西洋絵画の用語で「メメントモリ」といわれる。

ラテン語で「死を思え」「死を忘れるな」という意味。

なぜ、死をみつめて生きなければいけないのか。

ラテン語の「カルテディエム」という言葉があり、

これは「今日の花を摘め」という意味で「今を生きよ」ということ。

死を見つめるということは、

同時に今を精一杯生きようという教えでもある。

だからそのような絵を飾るのである。

 

「オトナの教養講座~美術の世界」    

今年1月から「オトナの教養講座」と題したYouTubeチャンネルを開設。

25万人を超える登録者数。美術を中心にした話を配信。

例えば・・・

フランスにゴッホの墓があり、弟が隣に眠っている。

弟の家族はオランダにいたのに、なぜ一緒に眠っているのか?

このふたりは。単に兄弟として支えた以上の関係で離れられないから。

また、弟の妻は、ゴッホが亡くなるちょっと前に、

ゴッホが弟の家族を訪ねた時に

暮らしが大変でいつまでもめんどうみるのは・・・

ということをゴッホに言ったことに責任を感じているからではないか。

弟の妻はその後、ゴッホの名誉回復を一生懸命にやっている。

また、講座では、

「ムンクの叫びは何をさけんでいるの?」というテーマも扱ったが、

この絵は実は叫んでない。叫びが聞こえている。

口を開けるいる方に目がいってしまうが、よく見ると、耳をふさいでいる。

 

 

「機械式時計大全」       

8月に講談社メチエから「機械式時計大全」を出版。

メカの話はわかりにくい。なるべくわかりやすくしたいと思って書いた。

ブランドの話も85ブランドほど書かれている。

今、スイスの高級ブランドは国際ラグジュアリー資本による買収がすすむなど、

刻々と状況が動いているので、ブランドに関しては、これは2021年版。

この本は頭から読むのではなく、

自分が持っているブランドについてなど、

気になった時にそこだけ見るなどしてもらえばよい。

クォーツをGPSで自動的に合わせるというのが

正確さという点で、これ以上のものはない。スマホの時間が一番正確。

では、腕にする機械式の時計は何のためにするかというと、

単純に時間を知るためのものではない。

ひとことで言うと機械仕掛けの高級アクセサリー。

ダイヤの飾りも何もないのに、なぜこんなに値段が高いのかとよく聞かれるが、

それは、1個1個の部品自体が宝石に匹敵する。

そのくらい手間がかかっているからである。

時計に何を求めていくか、それは、「機械仕掛けとしての面白さ」。

 

実物をみるということの大切さ       

大学生の時にザルツブルグに西洋美術史を勉強しにいった際、

先生に、一番大事なことは現物をみること。

大学に来るよりも美術館にいったほうがいいと言われ、

毎日美術館に通い、とにかく現物をみた。

時計も、買えないまでも現物に触ったほうがいい。

機械式時計の一番の面白さは「モノ」。

クォーツは電子基板で個体差がない。機械式は個体差がある。

ぜんまいを手で巻き上げる感じも一つ一つ違う。

肌で感じることができるので、気持ちよさにつながる。

インターネットのおかげで便利になった。

フランスの新聞記事を調べる際、

フランスの国立図書館のホームページで

ほとんどの新聞のバックナンバーを検索できる。

わざわざ現地に行くのは大変だが、行ったらそれだけでなく、

ほかにもいろいろな経験して帰ってくることができる。

インターネットで検索するとそれだけで終わってしまい、

どんどん興味が狭くなってしまう。

自分の足で行ってみて知ることは大事。

知らないものに出会うためには足で歩いていかなければならない。

 

これからの夢・目標    

創元社から「闇の西洋絵画史」シリーズ「黒の闇」篇5巻が発売中。

「白の闇」は執筆中。

絵画や機械式時計で何が一番好き?ときかれると困る。

全部好き。みんな違ってみんないい。

原田マハの著書「楽園のカンヴァス」の中に

子供がどの絵が好きかをどうやってみつけたらいいか

ということを父親にきくと

渋谷のスクランブル交差点のようにたくさんの中に

アレ?っと気になるものがあったらそれがあなたの好きなものだよ。

と答えるシーンがあるが、

自分は、スクランブル交差点で100人くらい気になると思った。

どうして人はひとつに決められるのだろう。

でも、自分も好きなものをひとつに決められる人になりたいのかもしれない。

今回の番組をきっかけに、

「一番好きと言えるものを探す」という残りの人生の目標ができた。

これが一番好きだと自信をもって言える絵に死ぬまでに出会えるか?

この一本という時計に出会えるか?

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