あさナビ

2020.01.24

児童文学作家の那須正幹さん登場。

児童文学作家の那須正幹さん登場。

2019年度JXTG児童文化賞を受賞。

代表作「ズッコケ三人組シリーズ」についてだけでなく、

故郷広島への思いや、児童文学、今後の活動など

50年を超える作家生活の秘密を伺いました。

それいけズッコケ三人組 那須正幹作 前川かずお絵(ポプラ社)

ポプラ社のホームページはコチラ

 

脱サラ、児童文学作家へ

代表作である「ズッコケ三人組シリーズ」は

小学生の、「ハチベエ」、「モーちゃん」、「ハカセ」の3人組が

協力して、困難やトラブルを乗り越えていくという児童文学。

実はこの「ハカセ」というキャラクターのモデルは自分自身。

もともと作家を目指していたわけではなく、上京して

サラリーマンをしていたが、あまり肌に合わず、

生まれ故郷の広島に帰ってきた。

その時姉が偶然、作家サークルに入っていた事をきっかけに

児童文学サークルに入った。幼少期には全く本を

読んだことがなかった為、最初に書いた作品は、批評の嵐だった。

30歳までに作家として目が出なかったら諦めようと思っていた時、

29歳の時『首なし地ぞうの宝』でデビュー。

当時は児童書が活気を呈していて、次々と執筆の依頼が舞い込んだ。

 

 

児童文学の執筆のきっかけ

2019年度JXTG児童文化賞を受賞。

これまでの児童文学への功績を評価され

受賞する事が出来たと自負している。

「ズッコケ三人組シリーズ」は、登場人物がどんどん成長していく物語。

第1シリーズの子供編は、50巻で幕を閉じたが、

1年後に、40歳になった三人組の続編を描き始めた。

中年男性のリアルな葛藤も描いた作品で、

話が進むにつれ、キャラクターが年を重ねる。

11巻で50歳になり、全61巻で「ズッコケ三人組シリーズ」

の幕は閉じた。キャラクターの年を取らせようと思ったのは、

何より、この三人組がどのように年を重ねるのか、

自身が、興味が湧いたからだった。

作家になったばかりの時は歴史書などが多い時代で、

エンタメ作品が少なかった事から評価されたと感じている。

 

故郷・広島への思い

故郷・広島を題材とした作品を多く執筆している。

広島への思いは強く、3歳の時に広島に原爆が投下され、

まだ当時の記憶がかすかに残っている。

実際に家族も被害を受けた。若い頃はそこまで

深く考えていなかったが、自身の子供が生まれた時、

自分も経験した者として何らかの形で、語り継いでいかねば・・・と感じた。

今でも、自身のテーマの一つとして描き続けていきたいと思っていて

当時のことを若い人に知ってもらいたい。そして、その知る機会を

作っていく事が、自身の義務だとも考えている。

何よりこれから人たちに、自分たちと同じ経験をして欲しくない。

 

 

全223冊の作品

学生時代の理系学習により

物語を辻褄が会うように組み立てる時は

理系的な考え方が役立っている。

「ズッコケ三人組シリーズ」を執筆している時は

2ヶ月で1冊を仕上げていた。

作家人生でスランプを体験したことはない。

書いているうちに次の作品の構想も浮かんできていた。

全部で223冊出版していて、何より話を作ることが

好きだったから、ここまで多くの作品を作り出せたと考えていて、

それだけでなく、才能・体力も兼ね備えていたと自負している。

その際、息抜きは釣りだった。それ以外には山登りをしながら

作品の構想を練っていることもあった。

 

 

子供と文学の架け橋に

これまで、223冊の文学作品を執筆している。

児童文学はもちろんながら、様々な作品を手がけている。

最近では、「ばけばけ」という作品を執筆した。

独居老人3人組と化けたぬきのハートフルストーリー。

作品には、黒木瞳さんをモデルにしたキャラクターもいる。

今後は、何より児童の本との出会いの場を

作っていきたと考えている。いまの子供達は、

絵本までは自然と読むようになっているが、

幼少期から、小説・活字に挑戦する子は

まだまだ少ないと考えていて、

小学高低学年くらいの子供達が、自ら手に取李たくなるような

作品を現在考えていて、好評であればシリーズ化したいとも思っている。

 

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