医療法人社団グランティース 理事長 吉武輝
1968年のお生まれ。
明海大学歯学部を卒業後、
国立病院機構 東京医療センター歯科口腔外科に10年間勤務。
その後、歯科的治療を大学病院や開業歯科医院で習得したのち、
2007年、白金台にグランティース白金台歯科を設立、
さらに、武蔵小山院、大岡山院を立ち上げ、
現在は、医療法人社団グランティース理事長として、
日々、歯科医療全般にわたり診療を行っている。
竹内:医療法人社団グランティースというのは、 歯科医院が3つあるということで、かなり経営店が多いなという感じがするんですが、経営者として心がけていることは何でしょうか?
吉武:いや、特にはないんですよ。普通の歯科医院が集まった集合体みたいな形なんですけど。ただし、企業理念じゃないですけど、患者さんに対しての考え方や目標が同じものを持っている形で、エリアが広がってくれば、より多くの方と接することができるじゃないですか。そうしたら、自分たちが目指している医療サービスというか、それを多くの人に渡すことができるのかなって思いまして。3つと言ってもけっこう近くなんですけどね。東急の沿線なんですけど。それでやってみて、今、3つになったよっていう感じです。
竹内:そのエリアの特徴っていうのは、何かあったりするんですか?
吉武:ほんとにたまたまなんですけど、僕は国立の医療センターとかにいたんで。東急沿線が大好きだし、目黒の辺りは、目黒通りとか、駒沢通りとか、大好きなんですよね。もうずっとそこにいるんで。
竹内:親しみがある場所に開業したという。
吉武:そうなんです。やっぱり親しみのある場所だと、人も空気も心地いいじゃないですか。過ごしやすい。ただ僕のわがままです。過ごしやすいから、ここが。
竹内:ご自分にとって縁がある場所に開業されたっていうことなんですね。
吉武:なので、ほんと特別なことは何もないんですけど。
竹内:今おっしゃってましたけれども、こういう考えで歯科医院を広めたいっていうことで、仕事へのこだわりとか企業理念というのはおありなんでしょうか?
吉武:やはり歯医者って誤解されやすいと思うんですよね。なんですけど、やっぱり健康を守る医療人の1人として考えているのが、グランティースでの企業理念の「歯は命、一歯一命を守り、支える事こそが真の歯科医療」。簡単に言うと、1本の歯の生死じゃないですけど、抜けちゃったら死んじゃったみたいな例えですね。その人の歯を1本でも多く残していく。やっぱりダメになったらなくなっちゃうじゃないですか。
竹内:そうですよね、もう生えてこないですもんね。
吉武:今、ネジで打ったりとかをしますけど、やっぱり人工ではあるので。もちろん僕もインプラントとかは打つんですけど。歯1本1本を大事に、ということをそういうふうに例えています。それをみんなで。そのためには何が必要なのか。そこから少しずつ段階を経て考えていきます。
竹内:今、日本の歯科医療に対して思うことって、おありですか?
吉武:ホームページとかにも書いているんですけど、定期的なメンテナンスを受けてほしい。大袈裟に言うと、痛くなっちゃった、荒れちゃった、抜けちゃったとか、悪くなってから来ても、我々がしてあげられることってすごい少なくなっちゃうんですよね。だから、悪くなることがもしわかってるんであれば、というか、わかるんですよやっぱり。「この人こういう癖があるな」っていう。歯を擬人化すると「この子はちょっと変な方向を向いてるから、ほっといたらおかしくなっちゃうかな」とか。
竹内:歯の生え方とかでも、けっこうあるんですか?
吉武:あるんです。あと、噛み方とか。あんまり皆さんお気付きじゃないんですけど、噛み合わせって癖があって。それは、どこで噛むのが心地いいとかっていうのが、人それぞれ、歯それぞれ、当たり方で癖があるんですよ。結局その癖が原因で、虫歯になっちゃったりするんですよね。
竹内:たしかに私のイメージだと、磨きにくいような生え方してる歯だと、虫歯になりやすいかなって気はします。
吉武:そうです、そうです。そんな感じです。
竹内:噛み合わせとかも、例えばどういう歯だと虫歯になりやすいとかってあるんですか?
吉武:これを話してるとたぶん尺が足りなくなっちゃうんですけど(笑)。明確にわかるんですよね。
竹内:何もなくても、行った方がいいってことですか?
吉武:もちろんです。それが僕が考える、定期的メンテナンス。あんまり日本ではそういう習慣ってないんですけど、海外では、家族にホームドクターじゃないですけど、いつも診てくれる人がいて、クリーニングをしてくれる。自分で一生懸命磨いても限界ってあるんですよね。やっぱりね。
竹内:予防の方がね、お金がかからない。
吉武:コストパフォーマンスいいですから。ぜひ皆さんに、悪くなってからではなくて、悪くなる前に、そして、ただ治すのではなくて、治した後、なんでそれがそうなったのか。さっきの噛み合わせとか生え方もそうですけど、リスクファクターがどこかに存在しているから、そこが分かんないとまた次もなっちゃう。
竹内:そっか、根本的な原因をつかまないとっていうことですね。
吉武:そうそう、根本的な原因を見落としてる。自分では自覚していないような、そういうことがある方がけっこう多いんですよ。
竹内:先生、これからの夢、目標はどんなものをお持ちでしょうか?
吉武:大それたことは特に何もないんですけど、新しい時代とまでは言わないですけど、けっこう歯医者さんって嫌われるじゃないですか。行きたくない、痛いから嫌だとか。もうそんな時代じゃないので。もうほんとに痛くなく、治療もできますし。今、顕微鏡を使ったりもして、本当に細かなもので、一度しっかり治せば、そんなに急に悪くなったりするようなことなく、皆さんが思ってるよりも進んできていますので。だからそういう意味では、予防的な治療も、ここが悪くなり始めてるからとか、噛み合わせがちょっと不利だからっていうような内容です。予防的な。あまり、嫌われたくないです。
竹内:そんな嫌ってないですけどね(笑)。たしかに、昔のイメージが「歯医者さんいやだ!」って子どもが言うってのはありますけど。
吉武:嫌われるんですよ~。ライフワークとして、僕、歯が好きだからやってるっていうのは、実際そうだと思うんですよ。自覚したことはないんですけど。なので、やっぱり自分が楽しいと思ってやってる仕事は、みんなにもわかってもらいたいなっていうのが、ささやかな夢ですよね。願いです。
竹内:より歯医者を身近に感じてほしい、という思いなんですね。
吉武:そう思います。素敵な笑顔をたくさん作りたいです。
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