ひかり物流株式会社 代表取締役 戸川一秋
1983年、大阪市生まれ。
大阪市立大学を卒業後、大手電力系通信会社に入社、
およそ9年間勤務した後退社され、次の会社で取締役に就任。
銀行融資業務、人事労務を担当、
その後、行政書士資格、社会保険労務士資格を取得。
現在は、社会保険労務士行政書士事務所として、人事労務コンサルティングや
中小運送企業の経営指南を提供しながら、
ひかり物流株式会社の代表取締役として、
人事労務、人材教育、経営改革に従事。
運送業と社会保険労務士と行政書士の3足の草鞋を履き、日々奮闘中。
竹内:バッジが光ってますね。社会労務士のバッジなんですね。
戸川:よくね、弁護士と間違えられるんですけど。
竹内:今も、社会保険労務士としてお仕事をしながら、運送業の代表取締役やってらっしゃるってことなんですね。どういう生活送ってるんですか?
戸川:もうね、24時間営業体制でやってて、寝てるときも、けっこうチャットツールとかで、お客さんからの問い合わせが来たら、パッと起きてしまうんで。もう、すぐに返して。で、また寝る、みたいな。というようなこともやりつつ生活してるんで。まあ、かなりしんどいのはしんどいんですけど。
竹内:お客さんっていうのは、企業が相手ですか、社会保険労務士は。
戸川:そうです、企業だけですね。
竹内:そこの人事とか、いろんな経営者の経営の仕方っていうんですかね、働き方とかを、指南していくって感じのお仕事ですよね。固定客みたいなのがいらっしゃるんですか、今。
戸川:はい。50数社かありまして。一応、スポットとか全部入れたら、過去に200~300ぐらいは多分対応したんかなっていう感じなんですけど。
竹内:ひかり物流株式会社の代表取締役としては、どういうことをされてるんですか?
戸川:一応、代表として、銀行の融資の業務であったりとか、あとは、人材教育。僕自身が、従業員の幹部であったり、リーダーの子たちに対して教育して、会社とはどんなもんなんやっていうのをすり込んでいって、で、組織を改革していくっていうような取り組みを今やってます。
竹内: 元々、ひかり物流株式会社というのは…
戸川:顧問先です。
竹内:戸川さんが立ち上げたというわけではなく、最初は、社会保険労務士として、顧問をされてたと。
戸川:ちょっと複雑なんですけど。経費コンサルティングで入って、で、そこから、関わっていくうちに、行政書士の資格も取り、あと、社会保険労務士の資格も取り。深く、より深く、関わっていくことになって。で、当時の社長の方から、お任せできませんか、っていうことを言われたんで、じゃあ、やってみましょうか、という感じです。
竹内:全く違う分野のお仕事ですよね。運送業ですから。 ひかり物流株式会社は、一般家庭に配送するのではなく。
戸川:はい。センターからセンターって、amazonさんとか楽天さんとか、イメージしてもらったらわかりやすいと思うんですけど、お客さんに物が届く前の、倉庫。倉庫間の配送を担ってるという感じですね。あとは、コンビニさんの、配送であったりとか。
竹内:そうなんですね。イメージとして、それぞれの個人のお家に配送するのって、送り先が違うじゃないですか。だからけっこう大変そうだなと。しかもいなかったりとか不在だったりとかして。センター間ってどういう。
戸川:センター間は、センターに勤めてる社員さんとかもおるんで、人がいないということは絶対ないので。あとは、渋滞とか、気象状況によって、遅れたりとかしないように心がけて、配送してるっていう感じです。
竹内:そういうのは、良さそうですよね。
戸川:いいと思っていただけるんやったら、まあ、いいんですけど。結構、大変っちゃ大変なんですけど。
竹内:どういうことがありますか?
戸川:人材不足の業界ってとこもあるんで、ドライバーさんが不足してるから、配送できなくなって。そもそも、個配のところまでもが行かないっていう状況にもなってしまっている業界なんで、そういったところの、経営的なしんどさはありますね。
竹内:ドライバーさんは、なかなか見つからないですか。
戸川:なかなか見つからないですね、やっぱり、大変な仕事っていうね。24時間会社も稼働していて、深夜勤の人たちもおったりするんで。
竹内:それは、社会保険労務士さんとしては、どういう働き方を指南されてるんですか?
戸川:そうですね、第二の人生を歩む高齢者さんであったり、あとは、女性の方々も、出産 とかで、いったんリタイアされて、で、もう1回働きたいといった形で、社会進出していくと思うんですけど、そこに焦点を当てて、女性の採用特化であったり、定年退職された60歳以上のドライバーさんとかも積極的に採用してますし。あと、ダブルワーカーさん、副業の。ダブルワーカーさんとかも、積極的に採用することで、一応人員の確保っていうのはやっています。
竹内:今、運送業されていて、1番課題に感じていることって、何かありますか。
戸川:一言で言えば、悪しき商習慣の、撤廃かなって言ったところで。適正運賃っていう運賃がかなり低く落ちてくるんですね。多重の下請け構造なんで、元々荷主さんがおって、荷物運んでくださいっていう人がおって、で、そこに、直に受ける元請けさんってのがおるんですけど、そこのドライバーさんだけやったら回れへんから、下の運送会社に、お仕事が降ってくるんですけど、その時に、がっつり運賃抜かれて。
竹内:運賃を抜かれる?
戸川:はい、抜かれる。例えば、3万円の仕事で、元請けさんが受けました、それが、例えば、2万5000円で下に行って、で、また、2万5000円から5000引いて、2万円で下に行くみたいな形で、中間搾取みたいな形が、まあまあ当たり前の業界で。
竹内:それが慣習化されてるから、なかなか変えられない状況があるんですね。
戸川:そうなんですよ。SNSとかで発信とかしてて色々やってるんですけど、なかなかね、改善されへん商習慣やなっていうので、ちょっとビックリしてる状況ですね。
竹内:これからの夢、目標を教えてください。
戸川:夢なんですけど、やっぱり適正運賃。国あげて今、動いてるんですけど、結局、法整備がちゃんとされてないんで、そういったところの法整備をして下さいって訴えかけるとか。あとは中小零細規模の運送会社さんの社長さんで、経営知識がない運送会社さんの社長に、いろんな情報を提供をしていって、法律のことわかってもらったりとか、あと、人材教育をわかってもらったりとかいうのを発信していきたいなと思ってます。
竹内:私もやっぱり知らないようなことが色々伺えました。ありがとうございました。
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