医療法人社団SCM新川中央眼科 院長 小川佳一
1969年生まれ。
1996年、旭川医科大学を卒業。
札幌医科大学眼科学教室で研修、
札幌医科大学では、外来スタッフとして、
斜視・弱視、先天性白内障などの小児眼科を担当。
2006年、新川中央眼科を開業。
竹内:今日は北海道札幌市からいらっしゃったんですね。どんなところなんですか?病院があるのは。
小川:札幌市の北のちょっとはずれですね。そこから先は住宅街がちょろっとあって元牧場地だったみたいな所でちょっと開けてる場所ですね。
竹内:病院に来るのは近くに住んでいる方々が多いですか?
小川:そうですね、多いですね。
竹内:そもそもなぜ眼科医になろうと思われたのですか?
小川:大学4年の時にデジカメが発売されたんですよ。デジカメを見た時にデジカメの光を感じる素子が網膜と全く同じだなと。人間の体全て、電気信号で伝わってますから。デジカメの情報をそのまま脳に送れば見えるんじゃないか。人工の網膜、人工の目を作れるんじゃないかっていうのを大学4年の時に思いついて、これ面白そうだ、じゃあ眼科に行ってそういう研究してみたいなっていうのが最初です。
竹内:そちらからだったんですね。デジタルに興味があったんですか?
小川:そうですね。機械に興味があったので当時は。埋め込み型の人工心臓だとかそういうのもやってみたいっていう。どちらかというと機械の方が好きでしたね。
竹内:お幾つの時に眼科の方へ勉強してみようと思われたんですか?
小川:大学4年の時ですね、眼科いいなと。その当時、心臓外科か眼科かって、ちょっと極端なんですけど。どっちがいいかなっていう風に考えて、眼科を選んだんですよね。
竹内:実際に眼科医になられて、どうでしたかね?目の仕組みって面白いと思われますか?
小川:面白いですよ。目って小さいじゃないですか。だけど、小宇宙だってよく言われるんですけど、眼科ってそれこそ内科から外科から全部、神経内科さんとか神経外科さんとかも含めて全部が一つの、あの小さい目の中に出来上がってるんですよね。
竹内:全部っていうのは?
小川:要は眼科の領域の中でいくと内科的眼科、外科的眼科っていう領域はもちろんありますし、それから脳の一部分なんですけども、ほぼほぼ脳に直結してる器官なんですよね。
竹内:そうなんですね。
小川:例えば人間の体の細胞って再生するじゃないですか。脳から神経が伝わって情報が行って動いて。動く器官と神経は別だから、筋肉が再生してくれれば元に戻ります。でも目ってそのものなので。傷ついたら元に戻らない。目の中の網膜だとかそういう部分は傷ついたら元に戻らないです。本当に脳の神経細胞がそのまま表に出ている唯一の場所なんです。
竹内:へえ、凄いですね。それは知らなかった。新川中央眼科のホームページを見させてもらったんですけれども、先生のYouTube、2つぐらい動画が出ています。あれはどういうあの流れで撮られたんですか?
小川:そうですね、まだまだ撮っている最中なんですけれども、外来の中で説明する時間てどうしても限られていますよね。よく日本の医療って3分診療だとかって言われますけど。
竹内:混んでますもんね。
小川:そうすると説明する時間って短くなっちゃいますね。できるだけ説明はしたいんですけど。患者さんが納得いくまでとか、それから完全に理解する時間ってなかなかないですよね。よくあるのが話は聞いてきた。一所懸命説明されて、なんとなく分かったけど、家に帰ってみたら何だったんだっけ。
竹内:良くありますね。めちゃくちゃ聞いたのに何だったんだっけと。
小川:お子さんなんかのことでお話聞いてきました。お母さんが一緒について行って話を聞いてきました。じゃあ帰ってからご主人にどうだったんだって聞かれたら、いや~なんか言ってたけどってありません?
竹内:ありますね(笑)
小川:いま僕が撮っているのは、バーチャル診察室っていうタイトルで作ってるんですけど、診察室の中の説明をそのまま本当に何も加えずにやりましょうと。同じものを見れるわけですから、2度でも3度でも見れるし、そこで疑問が出てきたら次に来た時に聞いていただければいい。
竹内:2つ出していらっしゃいましたけれども、これからもっとどんどん出して行かれるんですか?
小川:近視もアップしたので、これから老眼だとか白内障とか全部やっていく予定で、月に1本ないし2本出すのが目標ですね。
竹内:素晴らしいですね。経営理念を伺ってもいいですか?
小川:経営理念は、「Heartのこもった、Heartに響く、Heartでつながる診療」っていうのを大学に行っていた時に3Hっていう言い方で言ってたので、それをそのままやってますね。
竹内:やっぱり気持ちを込めて患者さんと。
小川:そうですね。ハートとハートの繋がりですよね。何事においても。
竹内:では最後にこれからの夢、目標を教えていただけますか?
小川:そうですね、夢はやっぱり、うちの地域の患者さんにより良く生活してもらう。これが目標ですね。
竹内:やっぱり地域医療っていうことになりますかね。
小川:そうですね。
竹内:地域医療を施している医者の志っていうか、どんな思いで働いてらっしゃるんですか?
小川:そうですね。やっぱり患者さんって段々歳を取ってくると身動きが取れなくなってくるというか。例えば、目が原因で見えづらくなるから、外に出なくなる、活動範囲が狭まってくる。
竹内:そうですね。
小川:そうすると認知機能が低下する、足腰も弱ってくるっていうのがあります。そうすると地域全体がどんどんどんどん萎んでいっちゃう。だから僕は眼科のことしかできないので、患者さんが見える世界を広げてあげる。そうすると活動できるようになれば、どんどんどんどん皆さんハッピーになってくるじゃないですかね。
竹内:そうですよね、地域が活性化しますよね。
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