有限会社総和運輸 代表取締役 船橋謙一
1976年生まれ、茨城県出身。
大学卒業後、大型トラックのディーラーに整備士として就職。
25歳のときに、父親が創業した会社の経営難を知り、
ディーラーを退職、父親の会社に入社。
2003年に父親の会社と同じ名義の(有)総和運輸を設立され
代表取締役に就任。
社員の満足度の向上に力を入れ、見事に会社を再建。
竹内:会社があるのが品川区。ここから東京湾に運ばれた荷物を運送するっていう感じなんですか?
船橋:イメージはですね、東京の港もいくつか横浜もいくつか、コンテナが海外から届く場所があるんですけど、そこにコンテナを引き取りに行って、配達するって感じです。
竹内:コンテナの中にはどういったものが入ってるんですか?
船橋:なんでもありで。アパレル関係の洋服だったり、あとはホームセンターの家具だったり。
竹内:なるほど。元々は大型トラックのディーラーに整備士として就職されたっていうことですが、お父様の会社が経営難ということで、ご自身の会社を設立されたってことですけれども、どういうことがあったんですか?
船橋:一応、ディーラーを退職する前に、3ヶ月間だけ出向って形で父の会社で働き出したんです。というのもうちの会社と関係のあるディーラーだったので。で、ディーラーの役員の方から「お前の親父さんの会社、今こういう状況だよ」と数字を見せられたのが最初です。
竹内:見せられた数字は、どのようなものだったんですか?
船橋:うちの父とか正直把握してなかったんですね。ディーラーさんが細かく出してくれた数字が、7億6千万円。
竹内:借金ですか?
船橋:借金です。でもまぁ、事業が通常通り仕事もあり、人もいて安定してれば、それぐらいの借金はあると思うんですよね。
竹内:そうなんですね。普通の会社でも借金があってもおかしくはないんだ。
船橋:トラック一台が大体1100~200万円くらいするんです。それが単純に10台あれば、1億円超えちゃいますし。うちの父は、3~40台持っていたので。
竹内:すごい大きい会社なんですね。
船橋:多分、そこそこ手広くやってました。
竹内:設立する時からどんどん膨らんで行って…。
船橋:そうですね。バブルが今から約20年近く前に弾けちゃって。その前は、本当に仕事が余るぐらいあったと聞いていました。
竹内:あ~、そこで上手く行かなくなって。
船橋:経営のことに対してうちの父は多分素人だと思うので。ドライバーとしては本当に、今うちの会社にいるどのドライバーよりも上手で、ドライバーとしては本当にスゴイ人なんですけども、それが経営に繋がるかって言ったらそうではなくて。
竹内:それで、借金を背負いながら新しい会社を運営していって。もう返し終わったんですか?
船橋:2021年の6月でやっと銀行の支払いが終わったっていう。
竹内:凄いですね。良く返せましたね。
船橋:僕がどうこうというか、会社。うちの父の会社の時からいてくれるドライバーもまだいますし、しっかりやってくれた、苦労を一緒にしてくれた人がまだ残っていて、合わせ免許の取得支援をしましょうっていう形でドライバーを呼び込んで。コロナの影響で物流に対して若い子達が目を向けてくれるようになって。家から出れなくても物は動く。皆さん家でインターネットをやれば、物が買えて、それを運ぶのは我々ですから。ドライバーをやりたいって人が増えて。入り方も尋常じゃなくて2年で増えたのが17人くらい。
竹内:え~!一気に?
船橋:一気に。いま31人ドライバーが居るんですけど、それまでは半分以下だったんです。入ってきた人はみんな20代半ばだったり。
竹内:そうなんですね。若い人が入って来て。
船橋:はい、2年前だとある程度借金も終わっていたので、会社はどんどん良くなってきました。自分はいつ頃が転機なのか分からないですけど、自分が楽しくやろうかなって思ってからちょっと良くなってきたんですよね。
竹内:楽しくやろうかなって思ったのって、少し上向き加減になってからですか?
船橋:いや~なる前ですね。最初の5年は、多分ずっと下を向いてやってたと思います。何かあると借金借金…、返済返済。
竹内:稼いでも返済に回さないといけませんもんね。
船橋:あ~もう稼いだ気がしない。従業員の支払いもしないといけないから、自分で給料をほとんど取ってなくて。理容師の友達のところで、相当弱音を吐いて「もうダメだ」って絶望だった時に、すごい叱られて「お前何言ってんだよ。簡単にそういうこと言うな」って。それから多分目覚めたんですよね。
竹内:そこから気持ちが上向きで流れが付いてきたってことがあるんですね。
船橋:気持ちですね。気持ちを明るく持っている人の所には、それなりに結果も付いてくる。落ち込んでいれば、落ち込んだなりのことしかないんだなっていうのは経験上、自分で分かっているからどんなに大変でも笑ってやろうっていう気持ちはあります。
竹内:今後の目標ってありますか?
船橋:今日うちの娘が来てるんですけど(笑)
竹内:そうなんです、なんと娘さんがラジオブースに来ています!こんにちは。
娘:こんにちは。
竹内:今はお幾つですか?
娘:9歳です。
竹内:今日、パパのお話、すごい深い深いお話しをしてくれたと思うけれど、どうだった?
娘:(…)
竹内:あら、首をかしげちゃった(笑)こんなに厳しいの波を乗り越えてきたんだっていうのが多分後になってより一層響くんじゃないかな。普段のパパはどんな感じ?
娘:めっちゃ笑ってる。
竹内:笑ってるんだぁ。
船橋:自分も今まで20年近く会社をやってきて、もう正直無駄なことやってるんだろうな
と思った時期もあるんです。返しても返しても何も生まれないし。でも、その無駄な時間だと思ってたことを振り返ってみると、そこで一生懸命やったことが、周りから見ると、やってもしょうがないことやってるよって思われてたことが自分にとったらすごく宝物みたいな形になって。
竹内:ええ。
船橋:従業員も自分に付いてきてくれたっていう信頼関係は、ぽっと作れるもんじゃないので、ドライバーもきっとこの会社にいたら無駄な時間過ごすんだろうなっていう不安もあっただろうし、それでも付いてきてくれたっていうのがあって。その時から比べたら会社がいま安定して、従業員が増えて自分も家族ができて。やっぱりずっと順調ではなくて、どっかで休まなきゃいけない。そういう無駄な時間を作んなきゃいけないんだろうなーって今改めて思うのと。
竹内:はい。
船橋:経験を積むことって有意義な時間だけでは多分できなくて、無駄な時間を過ごすからそれは経験値になるってのあると。いい歳なんでそういう経験をしてきたってことで、それを相手にこうだよ、ああだよって言ったところでダメだから。もう、やらせといてこれは無駄だから必要ないと思えば、子供達なんかは自分に合った取り入れるだろうし。親のエゴはダメですよ。
竹内:素敵なパパだね?
娘:うん!
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