竹内由恵のT-Times

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2022.04.07

3月31日(木)放送 株式会社聖工務店 代表取締役 長谷川聖仁

株式会社聖工務店 代表取締役 長谷川聖仁

1987年7月生まれ、愛知県出身
高校卒業後、3年の修業ののち、
2008年、聖工務店を設立、
2013年に法人化され、代表取締役に就任


竹内:聖工務店はどんなことをされているんですか?

長谷川:お家に携わるもの全て。

竹内:例えばどういったものですか?

長谷川:僕は不動産の会社を持ってまして、お客さんが、家を建てたい場所を探してるとなれば土地をお探しして、お家を建てたいとなれば、基礎工事から配管と全て対応させていただきます。

竹内:凄い幅広くやっていらっしゃるんですね。2008年に設立だから、当時お幾つですか?

長谷川:21歳です。

竹内:めちゃくちゃお若いですよね。私がテレビ朝日に入社した年ですね。高校を卒業した後3年間修行して、2008年には「独立するぞ」って言う事ですよね。どんな経緯があったんですか?

長谷川:当時18で働いたいた会社の社長が好きで、人間力がある方でボキャブラリーもあって、『この人良い人だな、面白いな。』と思っていて。

竹内:それはどう言う仕事をされていたんですか?

長谷川:土建屋さんです。ただその会社のお給与だけでは生活は難しかったので、他に4つぐらい仕事を掛け持ちしていました。

竹内:そこではあまりお給料はでないから。バイトしなきゃいけない?

長谷川:はい・・・月10万円とかでした。

竹内:月10万円。そこまでしてやっぱりその人を支えたいって言う。

長谷川:面白かったのが一番大きかったかな。好きだったって言うか。母子家庭で育ったんで「あぁ、親父ってこういうもんなんだな」って言うのもあった。

竹内:なるほど。

長谷川:お父さんて、こうなんだなって。

竹内:そこで土建に関することを色々教わりながら仕事をしていたのですね。母子家庭でいらっしゃるんですね。

長谷川:そうです。

竹内:小さい頃、お家が大変だったとお伺いしたのですが。。。。

長谷川:とんでもないですよ。でらボロいですよ。

竹内:ボロい?

長谷川:でらボロいです(笑)。

竹内:愛知県出身だから方言!どんな状況だったんですか?

長谷川:とりあえず、おやすみーって電気を消したら上で運動会が始まるんで、ネズミの。

竹内:えー!そんなに!

長谷川:やばいです本当に。水洗じゃないトイレですし、友達と比べると何でなんだろうなっていうのもあったし、おふくろは車の免許持ってないんで。

竹内:はい。

長谷川:だからどこ行くにしてもけった=自転車でした。

竹内:自転車をけったって言うんですか?

長谷川:けったって言うんです。だからもう何でうちは車じゃないんだろうとか。

竹内:自分が「稼がなきゃ」みたいな気持ちが生まれましたか?

長谷川:生まれますね。欲しいもの買えないんで、自分で稼ぐしかないって。だからバイトもいっぱいしましたし。言うならばハングリーみたいな。絶対友達には負けないよって。友達よりも早く免許取りましたし。友達よりも早く単車買ったし。もう絶対こいつらより早く買おうって言う。

竹内:だから独立も早かったのですか?

長谷川:一時はグレちゃったんですけど、当たり前にグレるじゃないですか。みんなそういう環境の方々って。で、19歳の時に事故したんですよ。

竹内:え!?

長谷川:大腿骨を開放骨折で。もう身動き取れなくなっちゃって、あぁ、自分ってチンケだなって言う。

竹内:そういう風に思われたんですね・・・。

長谷川:本当にもう足が動かないんで、本当に悔しくて。過去の自分は、何をやっとったんだろうって反省とか色んなことを考えたんです。涙を流しながら。ただ、最終的に、今の自分になれたのは、多分おふくろの育て方が良かったんだなと思うんです。グレたから別にみんなが駄目になるって訳じゃなくて、やっぱ母親の愛情ってでかいなと思いますよね。

竹内:私も子供が今いるんですけれども、お母さんがどういう状態だったからグレきらずに済んだと思いますか?愛情ですか、やっぱり。

長谷川:そうですね・・・。当時あの人(母親)は朝新聞配達をしていたんですよ。僕らが5時半とかに現場に行く時にすれ違うですよ。『あれ、おふくろじゃんっ?!』て

(笑)。『頑張っとる、俺も頑張ろう』って思いました。背中を見てるじゃないですけど。

竹内:いかにお母さんが大変な思いしてるかっていうのが分かるから、しっかりしなきゃなって。

長谷川:そうですね。あとは周りの人たちが『家だけで判断するなよ。』とか、『いつか見とけよ。』みたいな。その後に『僕がお父さんってこういう人なんだな』って思った人がちょっといなくなっちゃって。

竹内:そうなんですね。でもその人と一緒に歩んでいこうと思っていたんですよね?

長谷川:はい・・・。だから離婚と一緒ですよ。この人と一緒になるって決めて、この人を支えるんだって思ったんですけど、嫁さんも限界があるじゃないですか。金じゃないけど、もう限界だったっていう。

竹内:それまであったものが、ポンとなくなっちゃってどうされたんですか?

長谷川:自分でやろうと。もう誰も信じないと。信じられるのは自分だけだから自分でやろうと。それが21歳です。

竹内:それで立ち上げたのが「聖工務店」なんですね。今まで教えてもらった土建のその知識を生かそうっていうことでしたか?

長谷川:いや、もうとりあえずお金を稼がなきゃいけないっていうのがあるんで、何でもやりましたよね。独立しました、独立しましたってみんなに会って名刺配って。みんなは21歳の若い小僧が名刺持って独立したって言ったら笑うんですよ、鼻で。あぁ頑張れよ、クソ坊主みたいな。

竹内:何ができるんだみたいな感じで見てきますよね、きっと。

長谷川:うまく利用されてるなみたいな。それでもしょうがないんで、お願いしますって言って草むしりから始めたんですよ。

竹内:草むしり!

長谷川:1日5000円で。

竹内:草むしりの仕事は結構来たんですか?

長谷川:造園、解体、足場、塗装とか色々。あと左官屋さんとか、そういうところに営業かけてたって言うか、仕事くださいって言って。色んな所に今日も明日も来いよって、転々としてたんで。

竹内:じゃあもう本当に一から、小さいところから積み上げていって。

長谷川:そうそう。築いたろう!って。

竹内:開業されるのって、なかなか難しいことかと思うんですけれども、大変な事ってやっぱりありましたか?

長谷川:いつも大変だったんで。でも、その時おふくろが言った言葉があって。『大変は大きく変わる時だから乗り越えなさいよっ。』て言うのをよく言われてたんで。だからチャンスなんだなっていうのはいつも思ってたんです。えらい事があったりとか、なんか立ち向かうことがあった時は、いつも『これ乗り越えたらもう一個成長できるんじゃない?』って思って。ちっちゃい壁からジャンプするのか、壊すのか、避けて通るのかとか、色んな手法を考えてきたっていう感じで。

竹内:聖工務店が大きく変わったのは何かあったんですか?きっかけは。

長谷川:21歳で独立して、23歳で1人(社員さんが)入ってきてくれて、その時に人を雇うっていう楽しさっていうのを知って、変な話、言いなりなんですよね。彼が。

竹内:そうなんですね(笑)

長谷川:あれ持ってきて、これ持ってきて、朝こっちに来てねとか・・・そういうのを知っちゃって、まだ若いじゃないですか23、4歳とかなんで。昔からそう言う、なんて言うんですかね、若い時はそういう風にやってきてたんで、それの延長線上になっちゃったんですよ。そうするとまぁ、調子に乗っちゃうっていうのがあったりとかしましたけど、人がめちゃくちゃ集まってきたんですよ。

竹内:一緒に働きたいって言う。

長谷川:そうです。年上もいっぱいおったんですけど。

竹内:じゃあ仲間が一気に増えたんですね。

長谷川:そうです。案の定そうなんでね、何もできない人たちを雇って、経営したんですけども、結局仕事を取ってこなきゃいけないし、そうすると安い仕事を取ってきたり、元々利益のない仕事を取ってきたりとか、気付かないもんで、こいつらを飯食わせるのに必死なんで、それで給料も払えなくなってきて、銀行からお金を借りて、どうしようって、もう自己破産しようかなって考えたのが28歳とか。

竹内:でも言ってみれば、自分の従業員のために仕事を取ってこようと思ってしてしまった借金ですよね?

長谷川:それは半分で、あと半分は自業自得ですよね。

竹内:ちょっと自分のできる範囲を超えてた。

長谷川:キャパ超えもしてたと思いますし、調子に乗ってたと思いますし、あれは完全に自業自得です。ざまあみろって感じです。

竹内:そうなんでね。

長谷川:兄ちゃんにも言われました。ざまあみろって、様を見るっていう意味なんだって。ばかにする言葉じゃねえって。自分を見ろって。

竹内:めちゃくちゃいい言葉。確かに様を見ろってそういう意味ですね。

長谷川:ばかにしてないで、自分の器見てみろって。自分のことを分かってる人間が真面目って書くんだよっていうのは教えられたんで。

竹内:めちゃくちゃいい言葉。そうですね。そこで反省して。

長谷川:そこから人がいなくなって、一人ずつ辞めて行くんで、最後に一人だけ残ったんですよ。それが僕の弟なんですよ。

竹内:そうなんだ。やっぱり弟、身内は一番の。

長谷川:いや、でもあの子が一回辞めたいって言った時があったんですよ。

竹内:はい。

長谷川:本当にすごいショックで。そこで何か気付いたんですよね。あ、いかん、俺、駄目になるって思って。今までの自分って何だったんだろうって考えた時に昔の自分を思い出したんですよ。何で俺あの親方のこと好きだったんだろうなって、人間味があるもんなと思って。ボキャブラリーがあるもんなとか。金じゃねぇもんなとか。色々考えた時にやっぱりその人を入れた時の楽しさ、この人の人生に携われるっていう、そのなんか使命じゃないですけど、そういうのが楽しいなっていう風に変わったのがその時。

竹内:そっか、人を見てみんなついてくるんだっていうことを。

長谷川:そうだと思います。多分、何も考えてなかったと思うんですけど。

竹内:いや、凄いですね。長谷川さんの言葉一つ一つがめちゃくちゃ重たくて。人がしてないような経験を小さい頃からずっとしてるからこそ、そういう言葉が出るんだなと思いますし、重みがありますよね。

長谷川:会社が今10期目になるんで、来年で。10年続かないって言うじゃないですか。僕なんてもう会社やった時に、なんで俺会社やってんだろ、こんなチンケな男がって思った時に、10年経って思うのが、やっぱり10年って凄いなと思いますね。昔を思い出してみて、こうやってお話聞いて頂いて。思い出していくと10年って深いなって。

竹内:最後に今後の夢、目標を教えてください。

長谷川:夢っていうものでは考えたことはないですけど、色々したいことはあるので、色んな仕事には挑戦し続けていって。自分が辛かった時にみんなに助けてもらったんで。だから今辛い人達がいた場合に、自分ができることをしてあげたいなって思うんですよ。それは会社が傾いていったりしたとしても続けていきたいですし、逆にそういう事をして自分とか会社が駄目になった場合、僕は神様に、何でこんないいことしているのにこういう風にするんだって文句言ってやろうと思っていて。

竹内:そうですね。

長谷川:潰してみされ!って言ってやろうと思ってます。本当色んな人のなんか携わりたいっていうか、なんか大袈裟に言うと幸せにしてあげたいなと思って。

竹内:潰してみされ。ジーンときました。負けるもんかっていう。

長谷川:はい。

竹内:ありがとうございました。

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