山下会計事務所 所長 山下勝弘
1956年生まれ、大阪府出身。
1978年、関西学院大学を卒業後、
1961年に父親が創業した山下会計事務所に入所。
1985年、公認会計士の資格を取得。
1990年には、税理士としても登録。
現在は、山下会計事務所の所長を務めている。
竹内:山下会計事務所とは、お父様が創業された事務所なんですね。
山下: 1961年、私が5歳の時に父親が創業した事務所です。中学生の時に公認会計士という資格がある事を知り、税理士ではなく、公認会計士の資格をとろうと思ったんです。
竹内:税理士ではなく、公認会計士の資格というのは、何が違うんですか?
山下:公認会計士というのは、上場会社の会計監査、その決算が正しいかどうかをチェックする事が主な業務です。税理士はそれぞれの納税者の方に税金のアドバイスをしたり、実際に申告をしたりするのが仕事です。
竹内:幼い頃から、その仕事をしたいと思われたのはどうしてですか?
山下:公認会計士も税理士も同じような会計の仕事なんですが、父親が税理士の仕事をしていたので、後を継がないといけないと思っていたので。会計の仕事をやろう、税理士は間違いなく取得しないといけない、それと同時に、やるのであれば公認会計士の方が良いかなと思って、公認会計士の資格を取得しました。
竹内:公認会計士というと、難しい仕事だなと思ってしまいますが、そういう思いは特にはなかったんですか?小さい頃からお父様の姿を見てらっしゃったから身近だったんでしょうか。
山下:試験としては、弁護士と公認会計士というのが、日本で1番難しい資格とは言われていますが、資格を取らなきゃいけないものだと思って勉強していましたから、特に難しいという思いはありませんでした。
竹内:実際に山下会計事務所では、どのような事業をなさっているんですか?
山下:私は公認会計士の資格がありますが、お客さんは基本的に中小企業の人ばかりで、メインは税理士の仕事をやっています。決算をやって税金の申告をするというのが私達の仕事です。
竹内:今、山下さんが所長を務めてどのくらい経つんですか?
山下:15〜16年になりますね。
竹内:その間、付き合いが変わったり、変化はありましたか?
山下:付き合いが変わったことはあまりありませんが、本を出すようになって、新しいお付き合いは増えました。ただ、それで新しいお客様が増えるということはあまり無いですね。父親の代からの、50年60年のお客様も多いです。
竹内:本を出されているというお話がありましたが、私も先程頂いて、これは最も新しいものですか?
山下:そうです。15冊目の本になります。
竹内:「思いのままの経営」という題ですが、これは税金とかそういう話ではなくて、経営についての本なのでしょうか?
山下: 私共の会社で、百年企業を目指す会社を支援することを理念としています。
竹内:百年企業とはどういう意味ですか?
山下:創業から百年たった企業ではなく、これから百年存続できる企業という意味です。百年企業になって頂くためには、事業承継が必ず必要なんです。一代で百年はできませんので、二代、三代とやって頂くためには事業承継があるので、出版社から事業承継、税制のことを書いてほしいと依頼されて税制についても若干触れています。
竹内:税制についても、触れているんですね。
山下:私自身、特例として認められている今の事業承継税制には反対の立場なので、これは絶対採用してはいけない税制ですよというのを本では主張しています。それよりも、全体的には、経営をどうやって実践していくか、どうやって引き継いでいくかということがメインです。
竹内:経営コンサルティングの指南書ということですか?
山下:そうです。うちの事務所の職員は、一応これをベースにやってくれと私は言っています。
竹内:山下さんの経営のあるべき姿というのは、どのような考えを持っていらっしゃるんですか?
山下:「思いのままの経営」とタイトルにあるように、経営者の思った通りの姿の会社になりますということなんです。思いのままというのは、会社の経営理念なんです。それを社員に伝えるのが経営者なんです。この本でも触れさせてもらっていますが、経営理念というのは木で例えると、根っこの部分で、そこから立ち上がっている幹が経営者で、その上に枝や葉がありますが、それが従業員であったり、お客様も含みます。樹木で一番大事なのが経営理念である根っこですよね。そして経営者が大事なんです。そこがしっかりしていないと、いくら色んな商品があってもだんだん廃れていってしまいます。
竹内:理念ってそれだけ大事なんですね。
山下:大事なんです。その理念が経営者の思いであるので、その思いを大事にしていくと、思いの通りに経営は成立していくということです。
竹内:百年企業とおっしゃっていましたが、それも最初の理念をしっかり受け継いでいく事が大事ということですか?
山下:はいそうです。一番大事なのが、創業者が立ち上げた時の理念。なんのためにこの会社を作ろうとしたのか、その思いが大事なんです。
竹内:例えば、創業者の理念が、継承された後にそれが曲げられてしまうこともあるんですか?
山下:あります。
竹内:ありますよね。それは良くないということなんですか?
山下:私が見た限りでは、あまり良くないケースが多いです。
竹内:まさに山下さんも、二代目でいらっしゃって、お父様の思いを大事にされているということですか?
山下:ところが、父親は何も言わなかったんです。
竹内:理念がなかったということでしょうか?
山下:いや、理念はあったでしょうけど、何も言わないんですよね。なので、父親はお客さんにどういうふうに接していたのかなというのを思い出しながら、明確にしたんです。
竹内:そういう意味では、次の代に渡す時に、ちゃんと理念を伝えておく事が大事だというのもありますよね。
山下:そうですね。百年企業を目指す会社を支援というのが私共の理念なんですが、きっと父親はこういう風に考えていただろうということで、それを理念にしました。これを大事に、後継して欲しいなと思っているんですけどね。これからも生き残ろうとする会社は、社会のために何がしたいのか、世界のために何がしたいのか、明確にした方がいいと思います。
竹内:理念というのは、誰か他の人に相談した方がいいんですか?
山下:あんまり相談すると、いろんな人が出てくるので、自分で考えるのが一番だと思います。そして、その理念が出来上がると、理念で描いた姿ができたできたと毎日宣言するんです。こんな姿になりたいという宣言しているだけでは、実現しないんです。できたできたと過去形で思うんです。
竹内:わかりました。理念として宣言して、それを実行するというのを大切にするんですね。
山下:実行するのはなかなか難しいですけど、これをやるんだと、毎日毎日ずっと思い続ける。それができたというイメージをずっと持ち続ける。
竹内:それが経営として山下さんが推奨されているやり方なんですね。
山下:推奨しても、お客様はなかなか私の言う事を聞いてくれないですけどね
竹内:なかなか実行するのはね~。でも私自身すごく参考になる考え方だなと思いました。ありがとうございます。貴重なお話を伺いました。
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