株式会社三和建装 代表取締役 中 衆司
2013年、三和建装の社長に就任。
外装のリフォームなどマンションの大規模修繕工事や、店舗、事務所の工事を行うだけでなく、地域コミュニティの形成に貢献。
住む人の「くらし」を豊かにする事を目標に業務を行っている。
竹内:社長になるまで中さんがどのようなことをされていたのかが気になるんですが、それまでは何を?
中 :関西大学に行ってて、東京で旅行会社に就職しまして。そこから体調を崩して、一回会社を辞めて。ちょっとまた東京に戻ってきて。それで不動産会社に就職して、町の不動産会社の店長とかやってて。でもそれだけじゃ満足できないなと。不動産鑑定士っていう資格を取って、銀行に行こうと。信託銀行に行こうという気持ちになって猛勉強して銀行に入りました。
竹内:最終的には三和建装さんの社長に就任される。大規模修繕工事というのは一からマンションを建設するものではないのでしょうか?
中 :そうですね。もうすでに造って、15年ぐらい経って劣化したものを直すということで。普通に塗装したりとか防水をしたりだけじゃなくて、足場を組んで一式まるまる直すというのが、大規模修繕工事ですね。そういうところに力入れてる会社です。
竹内:それは一から建てるものとは別なんですね。知らなかったです。
中 :建物はずっといい状態じゃないので、15年に一度ぐらい大規模な修繕を行うんですけど、リピートのお客さんをとるのは獲得するのは15年の次は30年後なので。リピートのお客さんを取っていくために営業活動をしたりとか、お客様のケアをしたりとか。台風がきて壊れたら直したりとか。キメ細やかなサービスをしないとリピートがとれないという。次のリピートまで15年の周期があるので。リピートを取ることに対してはすごく意味が深いですよね。
竹内:一から作るのと大規模修繕工事では、気にするポイントとかこだわるポイントってあるのでしょうか?
中 :人が住みながらの工事なんで、どちらかというとサービス業ですね。お客様への配慮っていう。サービスの割合が7割ぐらい。建築のハード面が3割ぐらいです。新築工事は、9割10割がハード面の建物をしっかり作りますけど、大規模修繕はサービスの精神がないと。新築とは方向性が違いますね。
竹内:マンションだったら住んでる人がいますから、音とかも気になるし。ケアをしないといけない。クレームもありますよね。
中 :そういうのもありますよね。そういう時に、誠実に対応するかってことが、我が社の企業理念である凡事徹底ということで。そういったことに迅速に対応したりとか、お客さんの方に電話じゃなくて、Face to Faceで対応するとか、当たり前の事を徹底することで会社の価値を高めていってるような会社ですね。
竹内:さまざまな業種を渡り歩いてきた経緯はなんでしょうか?
中 :かっこよく言えばスカウトですけど、実は家内の父が建設業をやってまして、そこから誘われたと。正月に気軽に遊びに行ってたら、美味しい雑煮を食べにいこう。お酒でも飲みに行こうと思って行ったら、「中くんお箸を置いてくれ」と。「会社を継ぐ気はないのか」っていうことで。その決断が今良かったのかなって自分では思ってるんですけど。
竹内:お父さんはどうして中さんに継がないかと言ってくれたんですかね?
中 :どうなんですかね。直接聞いたわけじゃないんですけど、やはり前に営業とかよその業界ですけど、そういった基盤を作ってきてるとか、私の仕事もある程度理解してくれてたとか。何かやっぱり会社を変えるには、建設業だけの感覚じゃダメだろと思ったんだと思うんですね。建設業に他の業界のものを取り入れていかないと、お客様はいろんな業界の方と相対してますんで、そういった意味では他の空気を入れたかったのかなとは思いますね。いろんな業界を見てきたその引き出しが今の私の財産になってるなっていうのは思いますね。
竹内:今後、三和建装はどのような会社にしていきたいですか?
中 :改修工事の仕事はやはりお客様あっての仕事なんで、社員も成長していくのと会社の成長がやっぱり比例するっていうことと、お客様に選んでもらえる会社になりたいなっていうのを感じてますね。あとはやっぱり環境に関することとかそういうことにも力を入れてます。
竹内:環境に関する事というのは例えばどういう事に?
中 :大規模修繕工事で、外壁に断熱材を貼って。外をぐるっとくるむんですね。屋上も断熱材、外壁も断熱材、床も断熱材を入れて。暖かい建物で、冷暖房がいらない住宅を改修工事で作ってるんです。そういったものも今、国から補助金がでるんですね。
竹内:そうなんですね。
中 :一世帯に150万円ぐらい補助金が出るんですね。そういった補助金とかも活用しながら、お客様にこういう活用をすれば大規模修繕の費用でこういうことができますよっていう提案をしながら。やはり環境に優しい工事に取り組むっていう事も、これからの時代は求められるのかなっていうところで。その分野でトップはとりたいなと思ってるんですね。それが今、我が社が一番力を入れている事業ですね。
竹内:これからの住宅はエアコンを使わない?
中 :全部とは言わないですが、ほとんど使わなくても生活できるような住宅を今、改修工事で手掛けてるんですね。
竹内:今、実際に使っている住宅はあるんですか?
中 :ほとんどまだないですね。これからスタートしてるっていう。過去には何件かありますけど。世の中カーボンニュートラルって言葉を聞くと、皆さん何かしなきゃっていう気になって。やっぱり追い風になってます。そういった改修工事に国の方もすごく力を入れて、補助金を出してくれてますし。
竹内:そっちにしたほうがお安くできたりするんですか?
中 :同じ値段で、それがついてくるっていうイメージですね。補助金とその金額は同じぐらいなので、その断熱材がタダで出来るみたいな。
竹内:今はSDGsが広く謳われますけど、その前からやっていたんですか?
中 :実は20年ぐらい前から取り組んでたんですけど、なかなか芽が出ず。やめようかって思ってたんですけど、今世の中の追い風で。急にこういう風になってきてる感じですね。いま取り組めてるのは先行者利益ですね。
竹内:これからの時代を生きるヒントを教えていただけますか?
中 :コロナ禍で、何をして何をしないかどうか。やっぱり何をしないっていう判断がすごく大事になってきてて。やっぱり急ぎじゃないけど重要なこと、そこに力を入れなきゃいけないなと思ってます。
竹内:例えば?
中 :先ほどの環境の工事もそうですけど、今はデジタル化って中小企業遅れてるんですけど、デジタル化を進めることで、QRコードとかどこでも当たり前なんですけど、建設業界は3周遅れぐらい、デジタルが遅れてるんで。そういうところを取り入れて、お客様もやりやすくなるし、社員がやっぱり長時間労働を解消していかないと、建設業界も人が集まってこないんで。その辺の改善のために、デジタル化は進めなきゃなって考えてます。昨日もその会議やってたんですけど、もう私一応プロジェクトリーダーって会社でやってるんですけど、家じゃないかアナログ部長なんですけどね(笑)
竹内:アナログ部長がリーダーをされてるんですね(笑)
中 :そうなんです。ただデジタルを進めることで、人間関係を希薄化するっていうことじゃなくて、空いた時間でコミュニケーションを図る時間をもっと増やして、お客様との関係を築きたいなっていうのが趣旨なので。会社の社員からも「デジタル化、デジタル化ってそういう言葉をあまり聞きたくない」とか、そういうお客様の関係を雑にするっていうイメージが、デジタル化にあるらしいんですけど、そうじゃなくて、事務作業を減らすことによって、お客様の接する時間をもう少し増やすことが主旨なんだよって話を昨日したとこなんですよね。
竹内:やはり建設業界は人手不足なんですね。
中 :人手不足ですからね。そういったところで働きがいを感じて貰えれる環境。デジタル化も進めていくことで社員が集まりやすい、ここで働きたいなと思ってもらえるような会社を目指していきたいなと思っております。
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