スポーツ伝説

2023.02.10

2023年2月6日~10日の放送内容

【メジャーリーグ 吉田正尚選手】

 昨年12月、オリックス・バファローズからポスティングシステムでアメリカ・メジャーリーグ、ボストン・レッドソックスへ移籍した吉田選手。交渉期間が始まってからわずか1日足らずのスピード決着で入団が決まりました。レッドソックスが吉田選手の獲得に踏み切った理由は、バッティングの質の高さです。日本での7年間で、通算打率が3割2分7厘。2020年・21年と2年連続で首位打者に輝いています。内角・外角を苦にせず、パワフルかつシャープにボールを叩けることや、選球眼に優れ三振が少ないところ、出塁率が高いところもレッドソックスは高く評価しました。外野手の層が薄く打線の強化が急務だったレッドソックスにとって、吉田選手の獲得は願ってもない補強になりました。
 レッドソックスの本拠地球場・フェンウェイ・パークには、レフトスタンドにそびえ立つ高さ11.3mの巨大フェンス、通称・グリーンモンスターがあります。吉田選手はそのレフトの守備で起用される見込み。レッドソックスのレフトは過去に、伝説のスラッガーを多数生んできました。最後の4割打者・テッド・ウィリアムズ。1967年に三冠王に輝いたカール・ヤストレムスキー。ホームラン王3回のジム・ライス。“グリーンモンスターの番人”と呼ばれた3人の背番号はすべて永久欠番です。来月のWBC、ワールド・ベースボール・クラシックにも参加を表明している吉田選手。世界一を手土産に“新・グリーンモンスターの番人”を目指します。

   
【メジャーリーグ 千賀滉大投手】

 昨年12月、ニューヨーク・メッツへの入団会見を行った千賀投手。ボールが消えたように見える落差の大きい“お化けフォーク”を武器に、育成選手から一軍へ昇格。福岡ソフトバンクホークスのエースに成長しました。昨年オフに海外FA権を行使して、かねてからの夢だったメジャー移籍を実現させ育成出身初のメジャーリーガーになります。入団会見で、得意のお化けフォークはどうやって生まれたのか?と聞かれた千賀投手は、英語でひと言。「プラクティス(練習)」と答えました。代理人のジョエル・ウルフ氏は、千賀投手をこう評価しています。「センガは何もないところから粉骨砕身して自分自身を磨き上げ、スターになった。我々が持つ彼への敬意は、計り知れない」
 2017年のWBCで、準決勝のアメリカ戦に   登板した千賀投手。それからメジャー行きを熱望するようになりました。移籍先をメッツにした理由について、シャーザーやバーランダーという2人の存在が大きかったと、レジェンドの名前を挙げています。マックス・シャーザー投手は、メジャーの投手にとって最大の栄誉であるサイ・ヤング賞を3回も受賞しているメッツの顔です。ジャスティン・バーランダー投手も、昨年アストロズで3度目のサイ・ヤング賞を受賞。昨年オフにメッツへの移籍が決まったことが、千賀投手のメッツ入りを大きく後押ししました。背番号34番を新たなレジェンドの番号にすべく、千賀投手は新たな気持ちでメジャーのマウンドに立ちます。

  
       
【プロ野球 近藤健介選手】

 昨年の12月、北海道日本ハムファイターズから福岡ソフトバンクホークスへFA移籍した近藤選手。日本ハムへはキャッチャーで入団しますが、バッティング技術を活かすため、指名打者や外野手で出場機会を増やしていきました。4年目の2015年に初めて規定打席に到達すると、いきなりリーグ3位の打率3割2分6厘をマークします。17年には故障で57試合の出場にとどまり、規定打席には達しなかったものの、打率4割1分3厘を記録。故障がなければ史上初となる規定打席に到達しての4割も十分あり得た数字で、以後近藤選手は“夢の4割に最も近い男”と呼ばれるようになったのです。19年には持ち前の選球眼でリーグ最多の103個のフォアボールを選び、出塁率4割2分2厘で初の打撃タイトル「最高出塁率」を獲得。翌20年は4割6分5厘とさらに数字を上げ、2年連続でタイトルを獲得しました。プロ11年間の通算打率が3割7厘、通算出塁率も4割超える近藤選手は、昨年オフにFA宣言。残留を要請した日本ハムを含め5球団の争奪戦となりました。
 近藤選手が新天地として選んだのは、福岡ソフトバンクホークスでした。その決断に大きな影響を与えたのは、ソフトバンクの長谷川勇也打撃コーチの存在です。近藤選手は以前から長谷川コーチを「師匠」と呼んで慕っており、ソフトバンクは入団交渉の際、長谷川コーチを同席させたほどです。その席で長谷川コーチが近藤選手に超えてほしいと要望したのが、長谷川コーチ自身が持つ、シーズン安打数の球団記録198安打。目指すは球団初の200安打と、侍ジャパンでのWBC優勝です。

 

【プロ野球 森友哉選手】

 オリックス・バファローズに移籍した森選手は、大阪桐蔭高校時代には春夏連覇、国体も制し高校三冠を経験。甲子園での通算打率は4割超え、ホームラン5本というすばらしい活躍を見せた大阪の星。小学6年生の時にはバファローズジュニアのメンバーとしてプレーした経験もあるだけに、色々な意味で里帰りのFA移籍となりました。オリックスはここ10年ほどキャッチャーが固定できず、シーズンで規定打席に到達した捕手は、2013年の伊藤光選手が最後です。森選手はキャッチャーとして勝負したいと語り、入団会見で守備面での活躍も誓いました。正捕手としてのフル出場に意欲をみせています。
 森選手に期待される点は、やはりバッティング。リーグ連覇を果たした昨シーズン、オリックスのホームラン総数は、リーグワーストの89本。さらに主砲として打線を牽引してきた吉田正尚選手がメジャーリーグに移籍したため、長打力・得点力不足の解消が今年の課題です。19年に打率3割2分9厘で首位打者のタイトルを獲得し、通算ホームラン数は102本。球界屈指の打てるキャッチャーである森選手のバットにかかる期待は非常に大きいものがあります。そんな森選手の新しい背番号は4番。この数字は森選手が憧れる、メジャー最強捕手と呼ばれたヤディアー・モリーナ選手が付けてきた番号です。自身のラッキーナンバーでもあり、ずっと付けたかった番号だという4番を背負い、新たなシーズンを迎えます。

   
【プロ野球 伏見寅威選手】

 パ・リーグ連覇を果たしたオリックス・バファローズで、扇の要として活躍した伏見選手は、2021年は自己最多の91試合に出場。昨年も捕手ではチーム最多の75試合に出場し、日本一に貢献したキャッチャーがオフにFA宣言しました。新天地に選んだのは、リーグ最下位の日本ハムです。迎え入れる新庄監督も、FA交渉が解禁になるなりフロントに伏見選手を獲ってほしいとアプローチをかけたことを告白。その大きな理由として、昨年9月にオリックスと対戦した時、1試合で4度も盗塁を阻止されたことが印象に残ったと語りました。
 新庄監督が伏見選手に期待するのは、強肩だけではありません。まずひとつ挙げたのは、左投手に対してのリード面がすごく面白いということ。オリックスの左腕・宮城大弥投手は、昨年マークした11勝のうち10勝を伏見選手とバッテリーを組んだ試合で挙げており、同じく左の山﨑福也投手は、伏見選手がマスクを被った試合は防御率2.49と、捕手別で一番の良い数字を残しました。今年の開幕投手は、左の加藤貴之投手と公言している新庄監督。開幕から面白いリードをしてもらえたら嬉しいと、早くも開幕マスクを示唆する発言も。ほかにも、潜在能力を発揮しきれていない左投手が多いだけに、伏見選手がどうその力を引き出すのかも注目です。

 

来週のスポーツ伝説は……

2/13(月) サッカー 水沼宏太選手
2/14(火) サッカー 家長昭博選手
2/15(水) サッカー 脇坂泰斗選手
2/16(木) サッカー 町野修斗選手
2/17(金) サッカー 細谷真大選手

お楽しみに!!

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    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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