ニッポンチャレンジドアスリート

2026.03.09

朏秀雄(車いすバスケットボール)

1988年生まれ、埼玉県所沢市出身の37歳。19歳のときに事故で左足を切断。その後、車いすバスケットボールと出会い、地元の埼玉ライオンズに入団。チームの主力となり、日本代表にも選ばれました。2024年から東京と千葉を拠点にする強豪・NO EXCUSEに移籍。2025年からチームの副キャプテンを務め、先月行われた「WB SUPER LEAGUE」のプレーオフでチームの初優勝に貢献しました。今月6日からTOYOTA ARENA TOKYOで開幕するクラブチーム日本一決定戦「第51回天皇杯」で悲願の初優勝を狙います。

◾️19歳のとき事故で左足を失うが、リハビリを重ねるうちに、朏選手は車いすバスケットボールに出会う。

「私の出身地にあるリハビリ施設に転院をしてリハビリを開始すると、スポーツをやるリハビリの時間があってですね。そのときに競技用の車いすに初めて乗りました」

「だんだん慣れてくると、ボールも一緒に使ってみようと、車いすとボールを使ったトレーニングというか、リハビリというか、っていうのが始まって。それがだんだん車いすバスケットボールっぽくなっていったんだと思います」

◾️車いすバスケットボールを本格的に始めるにあたり、まずは地元のクラブチーム・埼玉ライオンズに入団した。

「埼玉ライオンズはですね、私が入った当時は、私と年齢の近く、障がい歴の浅い選手がすでに何名か所属していました。そのうえで、年齢層の高いベテランの選手も現役で在籍しており、経験や考え方を教えてくれる環境でした。20歳は過ぎてたと思います。21歳とかそのぐらいだと思います」

「何もわからずに、車いすバスケットボールを始めようとしてクラブチームに飛び込んだ私には、とても色々刺激のあるチームでしたね」

◾️車いすバスケットボールの選手に与えられる、障がいの度合いに応じた持ち点は、上半身が自由に動かせる朏選手の場合、障がいの程度が軽い「4.0」。そんな中、初めて日本代表の合宿に呼ばれた。

「2012年頃が初めての合宿だったように思います。合宿をはじめた当初。やっぱり思ったのは、皆体が大きい、力がある。速いし、シュートも入るし、なかなか僕の今持っている力だけでは全く太刀打ちできないなっていうのが最初の感覚でしたね」

◾️朏選手は2024年4月から、東京と千葉を拠点にするNO EXCUSEに移籍した。

「結構長い時間、前チームに所属していて、当時も選手権優勝を目指して頑張っていました。そんな中で、私自身に変化が必要じゃないかなと考えたことがきっかけですね」

「NO EXCUSEに入ったのは、もうちょっと更なる成長が必要だなという風に感じたので移籍をしました」

「違いとしては、前所属チームでは私は最年長という扱いでしたけど、NO EXCUSEでは私はまだ若手の方の部類に入る枠に、今、います」

◾️朏選手は、2025年からチームの副キャプテンに就任した。

「副キャプテンになるほんとすぐ前ぐらいに、直前でしたね。ヘッドコーチから言われました。そういったことを僕は今まで、あまり役割を担うようなことはなかったので、できるかなと不安にはすごい思ったんですけど、今後色々やっていく上で成長も必要だからやってみろという感じで言われて、『はい、頑張ります』という感じでしたね」

◾️朏選手の日本代表デビュー戦は?

「代表デビュー戦はですね、2025年アジアオセニアチャンピオンシップスがデビューかなと思ってます」

「海外の選手はやはり体も大きかったり、パワーもあったりしてっていうところで、僕の持ち味としている部分は本来そこと戦って勝っていくっていうとこだったんですけど。リバウンドは取れたりはしたんですけど、やっぱり自分の持ち味っていうものが出しきれなかったことにちょっと悔しさを感じました」

◾️朏選手は、2025年に行われたクラブチーム日本一を決める大会「第50回天皇杯」に出場。NO EXCUSEは初優勝を目指し戦ったが、優勝した神奈川VANGUARDSに準決勝で敗れた。翌日、気持ちを切り替えて臨んだ富山県車いすバスケットボールクラブとの3位決定戦には快勝。朏選手は個人賞の「オールスター5」に選出された。

「今までこういった大きい大会ではこういう賞をもらったことはなかったと思います。単純に気持ちはびっくりしたが大きかったですけど、やっぱ嬉しさはありましたね。私1人ではまったく得られるものではなかったな、みんなのおかげだったんだな、というのは強く思いました」

「次の大会もありますので、次こそは優勝したいと思っています」

◾️2月15日、年間王者を懸けた「WBスーパーリーグ プレーオフ」で神奈川VANGUARDSに再び勝ち、みごと初優勝を飾った。NO EXCUSEは、3月6日から、東京・青海に新設された「TOYOTA ARENA TOKYO」で開催される「第51回天皇杯」で悲願の初優勝を目指す。

「優勝のカギはやはり前回大会からの成長を、みんなが体現することですね。私自身はタフな場面でもハードプレーから逃げずに、得点を取ること。周囲を生かすこと。あと周囲に生かされることだと思ってます」

◾️初優勝に向けて、朏選手に抱負を聞いてみた。

「優勝をみんなで取りに行きます。チームメンバーが結構いるので、私たちのチームは。メンバーチェンジで入っていく人間もいれば、メンバーチェンジで帰ってくる人間もいて、そういったところをしっかりチームワークで、いい流れを繋ぎ続けて勝ちに行きたいですね」

◾️朏選手にとって、車いすバスケットボールの魅力とは?

「車いすバスケットボールの魅力はですね、とても楽しくて、難しくて、いつまでも発見や成長の余地があることです」

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