1988年生まれ、千葉県出身の37歳。2021年に仕事中の事故で、左手の指を4本失いました。入院中に「身体障がい者野球」の存在を知り、2023年、千葉ドリームスターに入団。現在はピッチャーで4番打者を務め、チームの主力として活躍しています。また今年11月に福岡で行われる「もう1つのWBC」とも呼ばれている「第6回 世界身体障がい者野球日本大会」に日本代表として出場し、大会3連覇を目指ていします。
◾️子どもの頃から中学校3年まで野球少年だった鈴木選手。2021年、仕事中に機械で左手の指を4本失った。ショックで、しばらくはその状況が受け止められなかったという。そんなときにお姉さんが障がい者野球を教えてくれた。
「励まそうとしてくれたっていうのが、やっぱり一番の理由だとは思ってはいるんですが。姉のほうが、千葉県に、障がいがあっても野球ができるっていうチームがあるから、落ち着いたら見てねっていうところで、千葉県にチームがあるっていうことを知りました」
◾️2023年4月、鈴木選手は元プロ野球選手の小笠原道大さんが創設した「千葉ドリームスター」に入団した。
「初めて千葉ドリームスターの練習に参加させていただいて、本当に衝撃を受けたと言いますか。障がいのある方が野球をやっているっていうとこを本当に自分の目で見たときに、正直、野球をやってきた自分からだと、このような動きが自分でもまたできるのかっていう、ちょっと正直不安もありました」
◾️「千葉ドリームスター」に入団後すぐ、鈴木選手は2023年5月に、ほっともっとフィールド神戸で行われた「第31回 全国身体障がい者野球大会」に出場した。
「初めて出場した大会に関しては、やっぱり障がい者野球始めさせていただいて、本当にすぐっていうのもあって、緊張もすごくしましたし、本当にプレーができるのかなっていうところと、なんかいろんな感情が入ってましたね」
◾️ただ嬉しさもあった反面、納得のいく結果が出せなかったそうだ。
「初めて出た大会での守備に関してですが、初戦からも思ったようなプレーもできてなかったんですが、特にやっぱり2戦目とか次の試合でもやっぱりエラーがどうしても重なってしまったりとか。結構、自分のそのプレーが原因でやっぱりその流れが変わってしまったんじゃないかなって思った部分もありました」
◾️2024年6月、神戸で行われた「第32回 全国身体障がい者野球大会」では、鈴木選手は開幕投手を務めた。
「チーム事情的に、当時のメインで投げてたピッチャーの故障とかもあったので。それも含めてチームの方からも打診があって、ピッチャーに挑戦をしたっていう経緯があります」
◾️初戦の福島アクロス戦。鈴木選手は4番を務め、快勝。投打に活躍した。
「ピッチャーの方での気持ちがとても強く臨んだ大会でした。で、たぶん両方をっていう、そんなに器用にできるタイプではないので、やっぱり堅実な打撃を意識しつつ、ピッチャーではしっかりとその流れが作れるようなのを意識して試合に臨んでいました」
◾️続く試合、強豪の北九州フューチャーズと対戦。千葉ドリームスターはタイブレークの末、チームは敗れ、優勝することはできなかった。
「やっぱり勝ちたかったっていうのは本音ですね。とても強いチームと試合をさせていただいて、そこでいい試合ができたっていうのは収穫にもなりましたし、自分自身にもとても自信がついたっていう部分もあります」
◾️ 今年11月に開催予定の「もう1つのWBC」とも呼ばれている「第6回 世界身体障がい者野球日本大会」に、鈴木選手は日本代表として初めて選ばれた。
「とても、本当に光栄に思うと同時に身が引き締まる思いで、まだ未だにちょっと夢のような感覚ではいますね」
◾️代表としての今後のスケジュールは?
「代表の活動に関しましては、5月に北九州の方で代表合宿っていうものがあります。で、9月にまた2回目の代表合宿がありまして、11月の本選を迎える、という流れになります。代表としては、その合宿の期間に一応、交流試合ですとか、紅白戦などが予定されているということは聞いています」
◾️鈴木選手にとって、身体障がい者野球の魅力とは?
「身体障がい者野球の魅力は、セオリーがないからこそ、決まったことだけをしなくても、本当に助け合いとか、工夫1つでいろんなプレーにつながったりとか。相乗効果が生まれて、1にも2にもなるような、本当に助け合いからいろんな強さが生まれると言いますか。気持ちの部分でも、プレーに対しても、っていう部分が大きいと思うので……」
「障がいを持ったことで下を向いたりとかしている方がいたら、ぜひ1回体験に来てほしいなって思うような。大きな魅力を持っていると自分は思っています」

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