1964年生まれ、千葉県出身の61歳。現役時代は陸上の長距離選手として活躍。1984年、初めて女子マラソンが採用されたロス・オリンピックに出場しました。1992年に現役を引退してからはスポーツジャーナリスト、マラソン解説者、大阪芸術大学教授として活動。またパラスポーツも早くから取材を始め、2018年から日本パラ陸上競技連盟の会長に就任。自ら“パラスポーツの応援団長”と名乗り、精力的に活動しています。
◾️増田さんがパラスポーツに関わるようになって16年、日本パラ陸上競技連盟=パラ陸連の会長に就任して7年が経った。パラスポーツを取り巻く環境はどう変わったのだろうか?
「やっぱり、東京パラリンピックが行われたことによって、スポンサー企業も増えましたし、また選手の皆さんが大きな会社に雇用していただく。トヨタ自動車ですとか長瀬産業さんなどなど、そういう雇用も増えましてね。ほんとにいい環境になりましたね」
◾️解説者、スポーツジャーナリスト、大阪芸術大学教授として活動する増田さん。パラ陸連の会長以外にも、別のスポーツ団体の役職も兼任している。
「自分ができる範囲でって決めてやっています。だけどね、時間的にはパラ陸上にはかなり費やすことができていると思うんですね。理事会なんかも私のスケジュールに合わせて、2月に1回ぐらいの割合で開かれてますし。日本選手権ですとかジャパンパラ陸上とか、できる限り大会に行って、合宿にも行って、交流できてるので。すごくね、選手と一緒にいる時間は多いですよ」
◾️2024年、増田さんがパラ陸連会長に就任してから2度目の夏季パラリンピックがパリで行われた。大会中は現地に赴いた。
「現地でただただ応援していました。『がんばれ、がんばれ!』って言って。やっぱり選手たちのね、枯渇感が伝わってきましたね。東京大会のときに無観客でしたから。パリは本当に観客が多かったんですよ。その観客の声援を浴びて競技ができるっていうことで、エネルギーに溢れていてね。すごかったですね」
◾️今年9月、インドのニューデリーで「世界パラ陸上選手権」が開催され、日本は金4個・銀8個・銅2個と、合計14個のメダルを獲得。去年のパリ・パラリンピック、陸上競技では1つも取れなかった金メダルを、4個獲得した。
「インドの世界パラ陸上は、金メダルを取ろうっていう、みんな目標を立てましたね。そのために『挑め未来!』っていうキャッチフレーズもみんなで作ったんですけども。そしたらね、インドでは4つも取ることができて。これ、嬉しかったですね」
「でも、マスコミの皆さんはね、あんまり伝えてくれないですね。ネットの記事で結構伝わりましたけど。もっとね、盛大に伝えてほしいですね」
◾️来年9月には、愛知県と名古屋市の共催でアジアパラ競技大会が開催される。
「愛知で行うっていうのがね。また愛知の文化っていうのが、いいですよね。食文化もそうですよね、ひつまぶしがあったり、エビフライがあったり、あと朝から喫茶店は豪華なものをね、いっぱい出してくれるし。選手の皆さん、競技以外での気分転換、リフレッシュも好きなので、とてもいいと思いますね」
「Qちゃんがね、やっぱりウィメンズマラソンなんかで優勝して。それでシドニーオリンピックで金メダルを取ってっていう、そういうオリンピックの金メダリストで湧いた文化もありますから。応援も多いと思うんですよ。なので、そういう中で練習してきたことを出し切って、満足のいく競技をしてほしいですね」
◾️ところで、パラ陸連では3年後のロス・パラリンピックに向けて、ある“秘密兵器”を用意しているそうだ。
「私たちパラ陸連ではね、隠し玉を持っていたんですよ。あんまり言わないようにしてたんですけど、もうメディアに出てしまったから。GMOに所属して、今度2028年のロサンゼルス・パラリンピックに挑戦する方がね。男子の陸上の長距離の、島津雄大さん」
「創価大学で箱根駅伝を走っていて。それで徐々に視力が弱くなって、網膜色素変性症って患っていてね。暗いところなんかが周囲が見えづらくなったんですね。島津さんはパラリンピックの方で1500メートルとか5000メートルの出場を見据えてるんですね。T13で軽度の弱視ですから、T13はスピードのある選手が多いんですけども、でもね、シマヅさんのスピードを持っていったら、メダルの可能性高いですよ。こういうところでも、オリ・パラね、もう連携ができてますね」
◾️2025年も様々な大会が開催されたパラ陸上界。2026年のパラ陸上の予定は?
「来年は石川県で日本パラ陸上と、id。知的の方ですね。もう一緒にね、日本一の大会を開くんです。私、この前、石川県の馳知事にもお会いしに行って。あと市役所にもお邪魔して。事前にね『石川であるから、一緒に盛り上げましょう!』って言って。そういう大きな大会を、2026年の6月に、石川県・金沢で開きます」
「そうするとね、ほんとにパラ陸上なんかはね、いい意味で動員をかけるんです。神戸世界パラ陸上も、小・中・高、特別支援学校の皆さんがね、9日間で3万人の人がユニバーの記念の競技場に来てくれて。選手も子どもたちも。お互いが良かったんですね。だからやっぱりもうしばらくはね、動員をかけても、まずは見てくださいっていうことで。石川ではね、たくさんの子どもたちにパラ陸上、id陸上を見てほしいなと思ってます」
◾️秋には長瀬産業が特別協賛する、障がい者と健常者が同じフィールドで記録を競う「NAGASEカップ」が2022年から国立競技場で開催されるようになった。「NAGASEカップ」は誰でも参加できるのだろうか?
「どなたでも参加できます。陸上やりたい人だったらね、子どもから大人まで。障がいがある人、ない人、誰でも参加できます。記録に集まるから面白いですよ。『ハイ。14秒台の人が集まって』って。子どもがいて、おじさんがいて。で、もしかしたら義足の人も隣にいるかもしれない、聴覚障がい者も隣にいるかもしれない。だから、ほんとに、大きなね、運動会みたいです」
◾️増田さんにとって、ロスは特別な場所でもある。1984年、オリンピックに女子マラソン代表として出場した場所だ。
「ロサンゼルスって聞くだけで、嬉しさと切なさ、両方がありますね。だから特別な場所です、私にとって。選手の皆さんに、私の苦い思い出を払拭してほしいですね。たくさんメダル取ってもらって。そこで払拭したいですね」

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