●森井大輝選手
1980年生まれ、東京都あきる野市出身の45歳。トヨタ自動車所属。4歳からスキーを始めますが、16歳のときに事故で脊椎を損傷。その後、座って滑るチェアスキーに転向して、冬季パラリンピックには2002年・ソルトレイクシティ大会から6大会連続で出場。5大会連続でメダルを獲得し、通算で銀4個・銅3個を手にしています。自身7度目のパラリンピックとなる来年3月開催のミラノ・コルティナ大会では、6大会連続のメダルと、まだ手にしていない悲願の金メダルを狙います。
◾️道具の進化そのものもそうなんですけれど、その進化した道具を扱うための技術であったり、そして身体、フィジカルの部分っていうのもとっても大切だと思うんですけれど、そこの部分に関しては、森井選手はどこに力を入れてこられましたか?
森井「そうですね、もう年齢が年齢なので。どんどんどんどん進化をしていくっていうのはなかなか結構難しいんですね。筋肉を増やしたりだとか。ただ、基本的には、まずは怪我をしないっていうことをまず第1条件に。
あとは、結構、疲労っていうのがやっぱりすごく重要になってくる。やっぱ疲労のコントロールっていうのをしながら、かつ疲れづらい体を作ると。ということで、シーズンオフのときにはもう、有酸素、1週間で約1000分の有酸素トレーニングを入れて、で、その、フィジカル的にと言いますか、疲れにくい体作りをしていたりだとかってところにその重きを置いて体を作りました」
◾️今現在のコンディションとしてはいかがですか?
森井「やっぱり肩甲骨がちょっとこう形が変わってしまったりとかしていて、ちょっと動きづらい筋肉が出てしまったりしたんですね。で、その分でも、人間の体って不思議なもので、必ずどこか代用するものがあってですね。そういったところで、滑り自体は、特に今、怪我してしまったから、ちょっとここの動きができなくなってしまったとか、ちょっと滑りづらいなってことはなくてですね、なんとか滑ることができています」
◾️改めてミラノ大会でのメダルの目標も教えていただけますか?
森井「もう金メダルしか考えていなくてですね。毎回楽しむことができれば、自分の技術的なものだったりだとかからすれば、そのメダルっていうのは手が届くものだと、僕は自信を持ってスタートをしているので。本当に楽しみ抜きたいなというふうに思ってます。
世界選手権、ワールドカップは鼻歌交じってスタートできるんですけど、パラリンピックだけがガチガチに緊張するんですよね」
◾️ラジオをお聞きの皆さんに向けて、ミラノ大会への抱負をお願いします。
森井「ミラノ大会はですね、まずそのミラノ・コルティナのコースがものすごい景色が雄大で綺麗なんですね。で、そこの中でですね、僕たちが思いっきり滑る姿を見るのはきっとすごく楽しいと思うので、ぜひ見ていただけたらなというふうに思ってます」
●村岡桃佳選手
1997年生まれ、埼玉県出身の28歳。トヨタ自動車所属。4歳のとき、横断性脊髄炎のため両脚にまひが残り、車いす生活になりましたが、中学2年生から座って滑るチェアスキーを始めます。高校2年生だった2014年、ソチ大会で初めて冬季パラリンピックに出場。2018年・平昌大会では「出場した5種目すべてでメダル獲得」という快挙を達成しました。2021年には車いす陸上で東京パラリンピックに出場。夏・冬で出場を果たし、3度目の冬季出場となった2022年・北京大会では、金メダル3個を含む4個のメダルを獲得。来年3月のミラノ・コルティナ大会では、冬季3大会連続金メダルを目指します。
◾️陸上に挑戦すると、初めてのことだらけが多かったと思うんですけれど、かえって新鮮でしたか?
村岡 「新鮮でしたね。でも、それこそ私が陸上始めたきっかけの1つとして、2018年の平昌パラリンピックで金メダルを含む出場全種目5つのメダルを獲得することができたんですけど、それは自分でも思っていた以上の結果だったので、逆にそれがそれ以降プレッシャーになってしまって。『もうスキー嫌だな』とか『なんでやっているんだろう』というのもあって、スキーから離れて陸上への挑戦を決意したっていうのもあったんですね。
なので、新たなこと。本当に1歩目からのスタートっていうのは、逆に心地が良かったというか。当たり前なことを求められない、っていうのは、自分にとってはすごく助かった部分でもありましたし……ただ、逆に苦しい部分でもありましたね」
◾️陸上からスキーに戻ってきて楽しいってまた思ったっておっしゃっていたと思うんですけれど。久しぶりに滑ったときに、ブランクというか、そういったものって感じることはありましたか?
村岡「それは感じました。久々に滑ったときに『あれ? スキーって、どうやってターンするんだっけ』とか。滑っていたときに、ライン取りって言って『こういうターンで、こういう風に滑っていこう』みたいなのを自分の中で思い描くんですけど、そのラインっていうのが、自分の中で思い描けなくて。どうやってこういうの考えてたっけな、みたいな。そういった感覚的な部分を思い出すのに結構時間がかかりました。正直、まだ戻ってないなって思います」
◾️ずばり、ミラノでの目標を教えてください。
村岡 「私は今回、冬季の大会で言うと4大会目のパラリンピックになります。今回3大会連続での金メダルの獲得を目指して頑張りたいと思います。
パラリンピックという大会は何度経験しても緊張しますし、むしろ大会に出れば出るほどその緊張感は増していくんじゃないかと思っていて。正直、楽しみな気持ちよりも、気が重いなという気持ちの方が正直なところ、大きくはあるんですけれども。
ただ、私が自分の覚悟を持って今競技に取り組んでいるので。そのパラリンピックで自分のベストが発揮できるように頑張りたいと思いますし、ぜひその姿を見ていただけたら嬉しいなっていうのと。ぜひ温かい応援をしていただけたら幸いです。よろしくお願いします」

2025.12.22
吉田彩乃(パラ陸上・車いす)
2006年生まれ、横浜市出身の18歳。先天性の脳原性まひのため両脚に障がいがあり、車いすで生活しています。中学2年生から本格的に車いす陸上を始め、2023年、高校2年...

2025.12.15
森井大輝(パラアルペンスキー・座位)/村岡桃佳(パラアルペンスキー・座位)
●森井大輝選手 1980年生まれ、東京都あきる野市出身の45歳。トヨタ自動車所属。4歳からスキーを始めますが、16歳のときに事故で脊椎を損傷。その後、座って滑るチェ...

2025.12.08
田中翔悟(パラ・パワーリフティング)
1985年生まれ、兵庫県出身の40歳。2005年、21歳のときに事故で右足を失いました。その後、アームレスリングを始め、関西チャンピオンに2度輝き、そこから脚に障がい...

2025.12.01
西山乃彩(ブラインドサッカー女子日本代表)
2000年生まれ、埼玉県所沢市出身の25歳。先天性の目の病気のため、右目は義眼、左目は弱視の状態です。4歳からサッカーを始め夢中になり、2021年から弱視の選手がプレ...

2025.11.24
下野勝也(パラカヌー)
1990年生まれ、鹿児島県出身の34歳。三建設備工業株式会社所属。2017年、事故で頚椎を損傷。車いす生活になり、リハビリの一環として車いすバスケットボール、車いすラ...