音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、

毎週様々なテーマと共に７０年代・８０年代・９０年代の音楽を

ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。

第８０回目のテーマは『「Free」「Freedom」を歌った楽曲たち』。

「free」は「自由な」「縛られたり抑えられていない」状態を表す形容詞で、

「freedom」は「自由・解放、その意思や権利」を指す名詞です。

恋愛における「もうあなたに縛られないわ」的なものだけでなく、

社会的な抑圧や差別を歌った曲にも頻繁に使われています。

今回は、洋楽における「Free」もしくは「Freedom」関係の楽曲をお送りしました。

まず１曲目は、アリサ・フランクリンで「Think(１９８９)」。

（ソウルの女王）アレサ・フランクリンが１９６８年にリリースし、

女性解放・黒人解放のアンセムとして、今も愛されている『Think』という曲。

この頃のアメリカは、男女同権そして公民権運動が真っ盛りであり、

いわゆるプロテストソング、メッセージソングが、

次々と「流行歌」として支持・消費されていった時代の第一人者が、

このアレサ・フランクリンです。

（ちなみにアレサはこの曲の誕生から５０年後の２０１８年に死去）

６８年のオリジナル盤ももちろん素晴らしいのですが、

ミッツさん個人的には、８９年にアリスタ・レコードから出した

セルフカバーバージョンが好きとのことで、今回はそちらをお聴き頂きました。

そのまま続けてお送りしたのは、QUEENで「I Want To Break Free」。

１９８４年リリースのアルバム「WORKS」に収録され、

シングルとしても全英３位を記録した

「I Want To Break Free（邦題：自由への旅立ち）」。

メンバーたちが女装したMVは、当時世界各地で放送禁止扱いになりました。

内容的には、「君」に対して「新しい愛のために別れて歩き出したい自分」と

「それでも君に隣にいて欲しいと願う自分」との葛藤が歌われた歌詞ですが、

「今まで隠してきた本来の自分と対峙して生きること」の

難しさに立ち向かうフレディの叫びであり、

今なお勇気づけられる人が多い楽曲です。

３曲目は、Princeで「Free」。

彼の歌う「free」は、

「誰しも不自由さから脱却する自由があることを喜べ」という曲です。

自由ために何かと戦う場合、時に人は誤った戦い方をするかもしれない。

だけどそれを改める自由も持っている。身につまされる歌詞です。

お別れの曲は、Wham!で「Freedom」でした。

昔に比べて今は、あらゆる自由に対して寛容であるべき

という風潮が高まっている時代である一方で、

新しい価値観と古い価値観に挟まれて

身動きが取れなくなってしまっている人たちもたくさんいます。

自由や希望が増えれば増えるほど、

悩みや痛みや絶望はすぐ近くにあるということを忘れずに、

とりあえず生きてみようと思うことが大事だなと感じる今日この頃です。

今週最後にお送りしたのは、

ジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーによるポップデュオ

Wham!による１９８５年の名曲「Freedom」でした。

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