古美術永澤 presents ミッツ・ザ・コレクション

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2022.08.23

2022年8月21日放送『世界に挑んだ日本人歌手90年代編』

音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽をミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。

第39回目のテーマは『世界に挑んだ日本人歌手90年代編』。

今も昔も日本人歌手にとって海外、特に欧米の壁は高く遠いもの。

今まで数多の日本人アーティストたちが世界に挑み、砕け散ってきました。

そんなわけで今回は、

「世界に挑んだ日本人歌手・90年代編」と題してお送りしていきました。

 

まず1曲目は、SEIKOで「ALL WAY TO THE HEAVEN」。

80年代も終わりに差し掛かった頃。

満を持して世界への「のろし」を上げたのが「日本が誇るアイドル歌手・松田聖子」さん!

1990年に全米リリースされたたシングル『the Right Combination』は、

当時世界的人気を博していたアイドルグループ

NEW KIDS ON THE BLOCKのメンバーとのデュエットということもあり、

全米54位まで上がる健闘を見せ、

カナダではなんと週間チャート2位を記録しました。

ただ、この曲よりも3か月前の1990年4月30日。

SEIKOの海外向けシングルが、

イギリス国内だけでリリースされていたのです。

この曲こそ純粋に聖子ちゃんが単体で勝負した「世界デビュー曲」。

1990年時点では、すでに若干の古臭さが否めない楽曲でしたが、

いわゆる「聖子節」で、世界と真っ向勝負したという事実は、

非常に誇らしかった記憶があります。と語るミッツさんでした。

 

続いて2曲目は、NOKKOで「I WILL CATCH U」。

そう、あのレベッカを解散したばかりのNOKKOさんです。

彼女は、すでに世界的成功を収めていた日本出身のミュージシャン

テイ・トウワとともに、最先端ハウスミュージックで、

ロンドンやニューヨークのクラブシーンに勝負を打って出ました。

「洋楽らしさ」という点では、

おそらく最も世界に「ひけ」をとらなかった日本人歌手だったと語るミッツさん。。

この楽曲は、アンダーグラウンドな市場に向けたものでしたが、

欧米のクラブチャートではトップ20に入り、

当時、ロンドンのクラブシーンでも盛り上がっていたんだとか。

今聴いても、いっさい色褪せない90‘sアンセムです。

 

そして3曲目にお届けしたのは、HIROKOで「I FELL DOWN」。

「すでに全米で人気」というふれこみで、90年から91年にかけて

その存在が広く日本に逆輸入をされたHIROKOさん。

サウンドは流行りのブラコン色の濃い、「紛れもない洋楽」で、

もちろん英語で歌っています。

しかしそれ以上に度肝を抜かれたのは、彼女のダンス。

最先端のLAヒップホップダンスを、

首から上をほとんど動かさず激しく踊り歌う姿は、今観ても衝撃的です。

今回お届けした「I FELL DOWN」はとっても中毒性の高い1曲となっています。

 

そして4曲目は、KAKKOで「WE SHOULD BE DANCING」。

KAKKOにはミッツさんの思い出があるそうで、

1990年の2月、

ロンドンの中心街にある大手レコードショップの特設棚に

アジア人らしき女性のレコードがびっしりと陳列されている中、

ミッツさんが手に取ったのは、KAKKOのレコード。

しかもその曲は、当時のUKチャートを席巻していた

PWLというレーベルからのもので、中学時代、PWLの音楽に

夢中だったミッツさんにとっては、まさかそこから日本人がデビューするなど  

想像もしておらず、とにかく大興奮だったとのこと。

残念なことにKAKKOは、2枚のシングルを出したのみで

日本へ帰国し、UKでの音楽活動は立ち消えとなってしまいました。

しかしその後、彼女は日本で超人気女優となり、

今も確固たる地位を確立されています。

わずか1年足らずの活動ではありましたが、

1990年のイギリスで誰よりも早くデビューした

日本人歌手KAKKOは、あの鈴木杏樹さんだったのです。

 

お別れの曲は、KAKKO&TAKASHIで「WE SHOULD BE DANCING」でした。

この度なんと32年ぶりに、ミッツさんと同様、長年「KAKKOファン」で

いらした藤井隆さんのプロデュースによって、

あの名曲「WE SHOULD BE DANCING」が蘇りました。

新たに杏樹さんが日本語詞をつけた部分を藤井隆さんが歌い、

現在のKAKKOとのデュエットになっている非常にエモい1曲です。

番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、

mco@1242.com までお寄せください。

お葉書は、

〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。

次回の放送は、2022年9月11日(日)17:30〜です。

※8月28日、9月4日の放送は休止となります。

どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!

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パーソナリティ
  • ミッツ・マングローブ
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    ミッツ・マングローブ

    ドラァグ・クィーン・歌手・タレント。総じて「女装家」。
    1975年 4月10日 神奈川県横浜市生まれ
    10代中盤ををロンドンで過ごす。 慶應義塾大学法学部を卒業後、 英国ウエス卜ミンスター大学に入学。商業音楽全般を学ぶ。帰国後2000年ドラァグ・クイーンとして東京でデビュー。以降、各地のクラブを中心に様々な活動やイベントの主催をする傍ら、05年に星屑スキャットを結成。07年スナック「来夢来人」にて丸の内初の女装ママに。
    09年頃からテレビでも活躍。
    2011年「若いってすばらしい」で歌手デビュー。2012年3人組コーラスグループ“星屑スキャット”のメンバーとして「マグネット・ジョーに気をつけろ」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2018年星屑スキャット1stアルバム「化粧室」をリリース。野外フェスティバルへの出演含め精力的に活動中。
    2019年星屑スキャット初の全国ツアー「あ々喉仏」開催。
    2021年4月中野サンプラザを含む星屑スキャット全国ツアー「色、色々」開催。