古美術永澤 presents ミッツ・ザ・コレクション

2024.03.20

2024年3月20日放送『アイドル四天王SP』

音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、

毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を

ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。

今回はホリデースペシャルとして、1時間の拡大バージョン!

以前、『1989年3月6日付のオリコンチャート』特集をお届けしましたが、

今回はアイドル四天王を深掘りした『アイドル四天王SP』と題しお届けしました。

 

そもそも「アイドル四天王」とは。

80年代後期のアイドル音楽界において、確固たる地位と人気を誇った

若手女性アイドル歌手「中山美穂・南野陽子・浅香唯・工藤静香」の4人を指した呼び名です。

まずは、若き日の四天王の「初1位曲」をメドレーでお聴きいただきました。

南野陽子「楽園のDoor」

工藤静香「禁断のテレパシー」

浅香唯「虹のDreamer」

中山美穂「CATCH ME」

 

お次に、4人が「アイドル四天王」と呼ばれるに至った、

それぞれの1988年の大ヒット曲をメドレーでお聴き頂きました。

南野陽子「吐息でネット」

浅香唯「C-Girl」

中山美穂「人魚姫 -mermaid-」

工藤静香「MUGO・ん…色っぽい」

 

お次は、1989年にリリースされた、「四天王」たちのアルバム曲、

そしてシングルのB面曲を中心にお届けしました。

まず最初は浅香唯さん。1989年1月にリリースされた6枚目のアルバム「Melody Fair」より、

珍しくあの林哲司さんが作曲の「瞳のラビリンス」

林節炸裂の複雑な展開と疾走感。

そこへどこまでも伸びていきそうな浅香唯のボーカルが、

超王道のアイドルシティポップを作り上げています。

続けて工藤静香さん。

1989年3月にリリースされた3枚目のアルバム「JOY」から「寂しい夜には私を呼んで」

アンニュイかと思いきや、鋭さと気合の入った変幻自在なボーカルが、ますます冴えてきた時期。

サビの「車は走る山手の町から/港の片隅へ」という歌詞から察するに、

横浜が舞台の曲だと思われますが、彼女が歌うとどうしても、

目黒辺りから山手通りに乗って、大井のコンテナターミナルに向かいそうな雰囲気があります。

 

お次は、南野陽子さんが89年暮れにリリースし、約1年ぶりに1位を獲得したシングル

「フィルムの向こう側」のカップリング「僕らのゆくえ」です。

「僕らのゆくえ」という曲は、85年の「スケバン刑事」以降の

南野陽子作品の集大成とも言える音色やアレンジが細かく散りばめられており、

「南野陽子の盤石さはこれからも変わらない」という決意表明のような曲でした。

そしてもう1曲。中山美穂さんは、1989年2月にリリースされたNO.1シングル

「ROSECOLOR」のカップリング曲「YOU & I」です。完璧な「洋楽」です。

しかも89年当時のユーロディスコとハイエナジー感を、日本風にアレンジすることなく、

どストレートに自分の曲として、全編英語で歌っています。

あの頃の洋楽トレンドを、もっとも早く、そしてもっとも格好良く取り入れていたのは、

間違いなく中山美穂さんでした。

 

さらに年が明け、いよいよ90年代へと突入します。

そんな新時代に「四天王」の4人はどのような展開に打って出てくるのか。

まずは浅香唯さん。この年の中盤くらいからボーカルスタイルを大きく変えました。

あの伸びやかでビビッドな歌い方から一変、ハスキーでウィスパリーなボーカルで、

それまでのバンドサウンドをさらに成熟させたスタイルを開拓したわけです。

プリプリのようなガールズロックが大流行する中、

それより前からそのスタイルで歌っていたのは、他でもない浅香唯さんでした。

自分で確立し、大成功を収めたボーカルスタイルを、敢えて封印してでも、

90年代の音楽シーンに存在感を示すべく、

90年10月にリリースされた19枚目のシングル「Self Control」お聴きいただきました。

 

続いては、工藤静香さんの1990年。

前年に引き続き後藤次利さんや中島みゆきさんといった強力な布陣とともに

「工藤静香サウンド」を安定したヒット商品へと確立する上で、もしかしたら、

激動の音楽シーンについては、さほどの焦りや危機感みたいなものは少なかったのかもしれません。

ただし、静香さん自身のボーカルスタイルは、さらに磨きがかかりっているということで、

1990年にリリースしたベストアルバム「Unlimited」において、

初期のシングル曲のボーカルを「今の静香」でアップデイトしたのです。

そんなベストアルバム「Unlimited」より「FU-JI-TSU (Vocal New Version)」。

 

1990年の南野陽子さんは3か月連続で「歌謡曲」「パンクロック風ポップス」

「昭和初期の流行歌のカバー」というまったく毛色の違うシングルを立て続けに出しました。

「時代がガラリと変わったこと」を、ナンノの3連続シングルで思い知らされました。

枚目のアルバム「Gather」より「お願いプライベートムーン」お聴きいただきました。

 

お別れの曲は、中山美穂さんで「Sweetest Lover」でした。

ここニッポン放送で、四天王たちが毎週日曜日の夜・深夜帯に

それぞれの番組を持っていたあの頃に想いを馳せて、

中山美穂「P.S.I .Love You」のテーマソングでもあった、この曲でお別れでした。

番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、

mco@1242.com までお寄せください。

お葉書は、

〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。

次回の放送は、2024年3月24日(日)17:30〜です。

どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!

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パーソナリティ
  • ミッツ・マングローブ
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    ミッツ・マングローブ

    ドラァグ・クィーン・歌手・タレント。総じて「女装家」。
    1975年 4月10日 神奈川県横浜市生まれ
    10代中盤ををロンドンで過ごす。 慶應義塾大学法学部を卒業後、 英国ウエス卜ミンスター大学に入学。商業音楽全般を学ぶ。帰国後2000年ドラァグ・クイーンとして東京でデビュー。以降、各地のクラブを中心に様々な活動やイベントの主催をする傍ら、05年に星屑スキャットを結成。07年スナック「来夢来人」にて丸の内初の女装ママに。
    09年頃からテレビでも活躍。
    2011年「若いってすばらしい」で歌手デビュー。2012年3人組コーラスグループ“星屑スキャット”のメンバーとして「マグネット・ジョーに気をつけろ」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2018年星屑スキャット1stアルバム「化粧室」をリリース。野外フェスティバルへの出演含め精力的に活動中。
    2019年星屑スキャット初の全国ツアー「あ々喉仏」開催。
    2021年4月中野サンプラザを含む星屑スキャット全国ツアー「色、色々」開催。